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兆兆発止  作者: ぱんろう
兆能力ファイトクラブ編
50/150

50話:三つ巴の戦い

フェルナンド伯爵は嬉しそうな顔をして十兵衛を見た。

「リード!始めよう!最高の戦いを!」

「その前にリード、その子をどうした。」

十兵衛はフェルナンド伯爵に強く尋ねた。

「ああ、ワイルド・スピードの女か…ワイルド・スピードってのは速度に優れる分、動きが単調になりやすい。おおよその動きを見切ったところで…」

「そういうことを聞いているんじゃねぇ!」

十兵衛は怒声をあげた。フェルナンド伯爵は耳を防ぐようなジェスチャーをした。

「うるさいな。観客はいないんだ。そんな大声出さなくとも聞こえる。それよりリード、つまらない前座を終えたところで、さっさと始めようじゃないか。」

「つまらない…前座…だと?それは...みつね君のことか...?」

十兵衛が紫色のオーラを出現させた。フェルナンド伯爵は、より嬉しそうな顔になった。

「おお!珍しくやる気じゃないか!」

「ああ…バリバリやる気さ…ここなら私の兆能力もフルパワーで使える…!」

十兵衛とフェルナンド伯爵が見つめ合っていたとき、十兵衛の後ろから声が聞こえた。

「ほう、面白そうなことになっているじゃないか。」

デイヴィッドだ。ついに、十兵衛に追いついたのだ。

「デイヴィッドォ、お前も来たのか!ははは!これは面白くなりそうだ!」

フェルナンド伯爵はこれまでにない高笑いをした。

「ん?」

「お前も戦いに来たのだろう?このときを楽しみに待っていたぞ!」

「おい、何を勘違いしているんだ?」

「この会場には、俺たち以外に誰もいない!存分にやろうじゃないか!」

デイヴィッドはため息をついた。

「やれやれ、戦闘狂も度が過ぎるな…」

十兵衛がデイヴィッドの方を見ながら口を開いた。

「そんなこと言いながら、お前さんも乗り気のようだな…?」

「ふふっ。ばれたか。」

デイヴィッドは笑いながらオーラを出現させていた。しばらく三者は動かず、それぞれの動きを警戒している。最初に動いたのはフェルナンド伯爵であった。フェルナンド伯爵はマスケット銃を出現させ、2人に向けて発砲した。十兵衛は既にそれを避けていた。銃の発砲を生身でかわすのは難しいことであるが、十兵衛は見事に避けていたのである。一方のデイヴィッドは、サイコキネシスによって銃弾を受け止めていた。その銃弾をフェルナンド伯爵に向けて発射した。フェルナンド伯爵は鉄の壁を念写し、それで銃弾を受け止めた。ふと下を見れば、十兵衛がいた。壱極集中のパンチをフェルナンド伯爵にぶつけようと、拳にオーラを纏わせている。フェルナンド伯爵も拳にオーラを纏わせる。オーラを纏った拳と拳がぶつかり合った。


どごおおん!!


大きな衝撃が発生し、ドラゴンの攻撃によってできた、城の残骸を吹き飛ばした。

「ふっ。」

飛んでいた瓦礫の一部は、突然動きを止める。それなのに、宙に浮いたままであった。デイヴィッドだ。デイヴィッドが、瓦礫をサイコキネシスで操っていた。デイヴィッドは、それらの瓦礫を2人めがけて発射する。十兵衛は、それも既にかわしていた。フェルナンド伯爵は念写でハンマーを出現させ、飛んできた残骸を全て砕いた。

「お見事だな。」

デイヴィッドが拍手をしていた。

「ぐぁー!わからん!」

フェルナンド伯爵が、頭をかきむしりながら、急に大声を出し始めた。

「リードの兆能力が全くわからん!」

デイヴィッドが続けて発言する。

「ミスター・リード、お前は世界三大兆能力者に数えられながら、未だに兆能力がなんなのか、ほとんどの人が知らない。まあ、あまり表に出るような人間じゃない。多くの人が知らないのも納得だが。」

「ほとんど?全くの間違いだ。」

十兵衛がにやっとしながら言った。


「私が知っている。」


デイヴィッドが自信満々に言った。フェルナンド伯爵が興味津々に聞いた。

「本当か!教えてくれ!」

「おい、今のお前は、私の協力者じゃなく、敵対者だろう?教えるわけないだろう。」

「ぐぬぬぬぬぬ!」

フェルナンド伯爵は歯を食いしばらせていた。

「わかった!一時協定だ!だから教えろ!」

「都合がいい奴だ….断る!」

デイヴィッドは呆れながら言った。フェルナンド伯爵は呆気にとられる。

「だが、ヒントは教えてやっていいかもなぁ。」

そう言ったデイヴィッドに対して、十兵衛が急接近していた。

「ふふ…」

その十兵衛を、フェルナンド伯爵がマスケット銃で狙撃した。十兵衛はそれをかわすために、デイヴィッドに近づくのをやめた。

「言え!」

フェルナンド伯爵が叫ぶ。デイヴィッドは笑いながら、ヒントを口にする。


「いいだろう。大ヒントだ…フェルナンド。お前が何か行動をするとき、どこを使って行動している?人間は、どうして体を動かすことができる?」


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