47話:形成逆転
「なんだと!お前たちは確かに…」
デイヴィッドは焦燥していた。十兵衛が笑いながら答えた。
「善治君が助けに来てくれたおかげだよ。」
No.11が声を震わしていた。
「はるはる!お前もネズミだったのか…!」
秀助が善治の方を見て言った。
「とはいえ、よく見つけられたな。」
「ああ、俺もよくわからないんだが、こっちに来いって誘導されていたんだ。」
「誰に?」
「だから、それがわからないって言ってるんだろうが!ぼんくら!」
「んだと!てめぇもういっぺん言ってみろ!」
「2人とも喧嘩はやめなさい!今はそれどころじゃないでしょ!」
トレイシーが一喝する。2人は口を閉じた。それを見計らったかのように、十兵衛が口を開く。
「さあ、形勢逆転だが…やるかい?」
「ああ、やってやってもいいが…フェルナンドはいいのかい?」
デイヴィッドの発言に十兵衛ははっとして、秀助の方を見ながら言った。
「秀助!お前さん、フェルナンドはどうした!」
「ああ、それならみっちゃんが相手してくれてるよ。」
そのとき、十兵衛が秀助に近づき、そのままぶった。
「馬鹿野郎!てめぇの目的のためだけに、仲間を危険にさらすな!今のみつね君ではフェルナンド相手に時間稼ぎすらできない!」
「!...それは...すまない...」
「謝罪は、みつね君にするんだな。ただし、先にフェルナンドを倒す必要がある!」
十兵衛は秀助を怒鳴った後、会場の方に向かっていった。
「フェルナンドは私でどうにかする!お前さんたちは、そこの2人を頼む!」
「そうはさせるかい!」
デイヴィッドが十兵衛を追うが、中原とトレイシーがそれを阻む。
「いくらなんでも、この人数では不利だよな?」
中原がにやっとした。デイヴィッドも同じくにやっとして言った。
「ああ、たったの2人だけならな。No.11!」
「わかってるよ。」
返事をしながらNo.11が兆能力を発動させた。すると、No.11の分身3体が現れた。
「…これは…『カゲムシャ』…!分身を出現させる兆能力...!」
「分身だけじゃないぜ。来い!お前ら!」
デイヴィッドが合図をすると、大会に出場していたストーンズ、一刻、鳥山、ウォーターガール、ビリビリ男たちがやって来た。
「お前ら…何やってんだ!」
「決まってんだろ?マリアンヌ様に危害を加える虫は排除しなければならない!」
ストーンズが笑いながら答えた。
「!お前ら…!」
「それと、報酬金がうめぇからだぜ!」
そう言いながら、ストーンズが岩を発生させ、6人に向かって発射させた。
「よし、後は任せたぞ。私はリードを追いかける!」
デイヴィッドが十兵衛を追いかけるため、その場を去ろうとした。
「あっ、待ちやがれ!くっ!」
中原や善治がデイヴィッドを追いかけようとするが、ストーンズの攻撃や、他の選手により邪魔された。
「ふふ、そちらは6人、こちらは9人、形勢逆転だが…やるかい?」
No.11が笑いながら言った。
「へっ。当然だろ。一回戦や準々決勝で負けた雑魚、あるいは分身ごときにやられるかっての!」
善治も笑いながら言う。
「なんだと!」
ビリビリ男が怒りに声を震わし、善治に落雷させようとする。しかし、
「ぐはっ!」
突然ビリビリ男が胸を押さえて、その場でうずくまった。それを見て動揺していたウォーターガールを、中原が棺に閉じ込めた。
「ここから出せぇ!水浸しにするわよぉ!」
ウォーターガールがどんどんと音を立てながら、騒いでいる。
「黙ってろ。それ以上喚くと、兆能力解除するぞ。」
棺はしんと静まった。うずくまっていたビリビリ男は、そのまま失神していた。
「ど、どうなっているんだ!」
善治が、ウォーターガールと同じく動揺していたストーンズを、涙の塊を振りかざすことで攻撃した。
「ぐはぁ!」
塊はストーンズの頭に命中し、ストーンズはそのまま倒れこんだ。
「全く、お前は本当に手応えのない相手だったな。」
「ああー!やはりこいつらではどうにもならんか!」
No.11が文句を垂れる。雄康や善俊、秀助らはNo.11―それは本体か分身かわからない―と戦っていたが、その巨漢に反して素早く、まるで攻撃が当たらない。かなりの強敵であるようだ。分身と戦っていた秀助だったが、突如剣を持った人形が襲いかかってきた。一刻の人形だ。
「くそっ!邪魔だ!」
「ふはははははは!リベンジマッチだぞ!覚悟しろ!」
人形に襲われている秀助を見て、善治が一刻本人を叩こうとするが、鳥山に邪魔される。
「おい、泣き虫!俺が相手だぜ!」
「泣き虫だと?馬鹿にしやがって!」
カチンときた善治は、狙いを鳥山に変えていた。一方、ウォーターガールを閉じ込めた中原は、No.11と戦っていた。
「ぐっ!手ごわいな!こいつ、幹部か!」
中原も苦戦を強いられていた。
「そうだ!手ごわいだろう!わかったなら、そのままやられろ!」
そう言って、オーラを纏わせたパンチを中原にぶつけようとする。中原は棺を出現させ、そこからウォーターガールを追い出させた。No.11の強烈なパンチは、そのままウォーターガ―ルの顔面に命中した。
「ごはぁっ!」
ウォーターガールはそのまま吹き飛ばされ、起き上がることはなかった。中原が呟く。
「これで、6対6ってところだな?」




