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兆兆発止  作者: ぱんろう
最終決戦編
144/150

144話:秀助のレベルΖ

「レベルΖ(ゼータ)だと…?お前が…?」

オーベルハウザーは少し狼狽していたが、すぐに笑い始めた。

「ははははは!これは最高のジョークだ!きっと、死んだミスター・リードも笑ってくれるだろう!」

秀助は険しい表情で言った。

「だったら、見せてやるよ。」

そのとき、オーベルハウザーの手が吹き飛ばされた。

「!うがああああああああ!」

「これで両腕がやられたな。つまり、お前は戦えなくなった。」


「レベルΖ(ゼータ)だって…?それは、禁術の中でもトップクラスの技術…壹極畢僉(いちごくひっせん)だけでなく、それまで取得したのか!?」

善俊が瞠目している。

(そうだ。とっしー、レベルΖ(ゼータ)だ。方法は凄く簡単、何も技を出さず、ただオーラを強めるだけだ。それなのに、難しいのはなぜか。それには3つの条件が関係していたんだ。)

秀助は、オーベルハウザーを見下している。

秀助は、レベルΖ(ゼータ)に必要な3つの条件を見出した。

第一に、オーラの強さ。かなりの大きさが必要だ。そのためにも、Ε(イプシロン)技が必要だった。

第二に、オーラの大きさの維持すること。オーラが大きい状態を維持しなければならない。そして、それを可能にするには壹極畢僉(いちごくひっせん)ができなければならない。そもそも、これが難しかった。

そして最後に、何もしないこと。相手と対峙しているときに、何もしないというのは攻撃してくれと言うようなものだ。しかし、それをしなければ、レベルΖ(ゼータ)は発動できない...


(じーさんの無為自然や則天去私というのは、そういう意味だったんだ...これらを達成することによって、ダストメイカーがありのままの力を引き出した!)


オーベルハウザーはなんとか立ち上がっていた。

(3人に感謝しないとな…師匠、善治、そしてじーさん。見ていてくれ!皆のおかげで取得したレベルΖ(ゼータ)…こいつで、あの野郎を倒す!)


「がああぅ、がはっ!」

オーベルハウザーは失った手を見て苦しんでいた。その近くに、煙がたっているのが見える。そこには小さい物体が転がっていた。

「まさか!こんなもので、私の腕をおお!」

「よく見てみろ。」

「!」

オーベルハウザーは、言われた通り、その物体をまじましと見る。

「これは!何かの部品!一体、どこからこんなものを!」

「ふっ。」

秀助は空を見上げた。

「まさか…!宇宙から引き寄せたとでも言うのか!これは、人工衛星の部品だとでも!?」


「その通り!これが俺のレベルΖ(ゼータ)…『スターダストメイカー』だ!!宇宙塵やスペースデブリを操ることができる!」


秀助は、手を天に掲げる。

「さあ、スターダストメイカーの真髄を見せてやろう!」


その夜、多くの人間が、「流れ星を見た」と発言している。あるいは、動画に収めてSNSに投稿した者もいる。ある場所では、手をつないだ親子がその流れ星に見惚れていた。

「ねえ、お母さん!見てよ!流れ星だ!」

「あら、本当、綺麗ね。」

山奥の勝も、小屋から出て流れ星をじっと見ていた。

「秀助…」


流れ星のようなものは、仲間たちも目撃した。

「なんだ?あれは。」

「綺麗やなあ。」

「それにしても、近づいてきてないかな?きてるよね?」

七郎次の言う通り、それは近づいてきている。


「見ろよ。綺麗だよな。あれが、お前の体を貫くんだぜ。」

秀助は手をズボンのポッケに入れながら、オーベルハウザーに言った。まもなく、流れ星のような物体―つまりそれは、スペースデブリであった―がオーベルハウザーの体を貫いた。その速度は、目視できるものではない。突然かのように、オーベルハウザーの体に穴を開けていった。

「ぎゃあああああああああ!」

オーベルハウザーは、声にもならない悲鳴をあげながら、その場をのたうち回っていた。

「最後の仕上げだ。人を不快にするその口に、詰め物をしてやるよ。」

秀助は再び手を挙げた。オーベルハウザーは、苦しみながら、叫んだ。


「お前にはわからんか!この世界のおかしさが!兆能力を使うなというのは、翼がある鳥に飛ぶなと言っているようなものだ!!」


「今みたいな争いが増えるぐらいなら、鳥かごの中にいる方がよっぽど心地よいさ。」


秀助は笑いながら言った。

「このわからずやがああああああ!!」

オーベルハウザーは天にも届くような大声で言った。


「レベルΖ(ゼータ)!」


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