143話:見えるが、見えない応援
善俊は辺りを見回した。すると、炎に苦しみ悶える秀助を見つけた。
「!しゅう君!」
善俊は秀助のもとに駆けつけようとする。が、
「ひぃ!こっちに来る!」
「!」
フェルナンド伯爵がクリントンの方に向かってきていた。フェルナンド伯爵は、再びクリントンに攻撃しようとする。それを、善俊が止めた。
「なんて汚い野郎だ!怪我人の俺を狙うなんて!」
「いや、伯爵はあなたしか狙えないのですよ。」
「!どういう意味だ!」
善俊はフェルナンド伯爵に壱極集中のパンチを打ち当てながら言った。
「そういう技です。今の彼には、僕の姿を捉えることはできません。」
「!」
(さて、伯爵を早く倒さないと!しゅう君が危ない!)
「しゅう君!聞こえるかい!しばらくの辛抱だ!すぐに助けるからね!」
善俊はフェルナンド伯爵に向かっていく。
「泣けるね。君にはよき友がいたもんだ。」
オーベルハウザーが善俊の方を見ながら言った。
「うがああああああ!」
相変わらず秀助は苦しみ悶えている。
(熱さがどうした!立ち上がれ!)
心では威勢を保っているが、体がついていけない。
(頼む!)
オーベルハウザーはため息をついた。
「がっかりだよ。ミスター・リードが命を賭してまで守ったのがこの程度だなんて。」
「!」
「無駄な犠牲だったな。」
「!うがああああ!」
秀助はオーベルハウザーの発言を聞いて、立ち上がった。
「うるせえええええ!じーさんの死は、決して無駄じゃない!無駄にしない!」
「ふっ。若者は威勢だけ一丁前だ。いいだろう、その威勢を消沈させてやる。」
オーベルハウザーはじりじりと詰め寄ってくる。
(考えるんだ…!じーさんが言っていたことの意味を!)
秀助は壹極畢僉でオーラの大きさを維持する。
「ふふ。何をやっても無駄だと言っているだろう?」
(!何をやっても…?…)
秀助はただただオーラを大きくさせていった。オーベルハウザーは、秀助の制服に手をかざした。
「君の威勢を認め、温度を高くしてあげよう。何、遠慮するな。君の制服のためなら、多少の火傷も厭わないさ。」
「!うぎゃああああああああ!」
秀助は、さっきよりも熱さを感じた。
「しゅう君!」
善俊が秀助の方を見る。善俊は、フェルナンド伯爵を動けないように拘束していたのだ。
(!よく見たら、あれは壹極畢僉!できるようになったんだね!お兄様!しゅう君はやりましたよ!…ってそれどころじゃない!)
善俊は秀助のもとに向かおうとする。
「お呼びでない。近寄るな。」
オーベルハウザーは近くにあった石を拾い、自身の周りに投げた。すると、激しく炎を巻き上げ始めた。広範囲に炎の壁ができ、善俊を寄せつけない。
「!」
「そこで友人の死を見ているがいい。さて、今の温度は80℃だ。どれだけ生きてられるかな?」
「ぐぎぎぎぎいい!」
秀助はとにかく耐えていた。
(耐えろ!とにかくオーラを大きくさせていくんだ!)
秀助は熱さと戦いながら、オーラを大きくさせ続ける。
「驚いたな。まだ耐えるか。ならば、100℃にしてみようか?」
オーベルハウザーは、手を秀助に伸ばそうとする。そのとき…
「!これは!」
秀助の制服を燃やしていた炎が、突如として消滅した。
「俺は燃えないゴミだ。残念だったな。」
「そ、そんな馬鹿な!」
秀助は、ただ夜空を見上げていた。
「ああ、今日はいい天気だ。『攻撃』にはもってこいだな。」
「何を言っているんだ!」
オーベルハウザーは動揺していた。秀助はこぼすように言った。
「…レベルΖ …」




