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兆兆発止  作者: ぱんろう
最終決戦編
142/150

142話:絶望の炎

「ぐ!」

秀助は塵を集めて自身を守ろうとする。残骸は、なんとか塵で防ぐことができた。そんなところに、オーベルハウザーが急接近してくる。

(近づいてきただと?)

「近寄るな!」

秀助は全力のパンチをぶつけようとする。オーベルハウザーは容易にかわした。

「やはり、最近の若者は近接に弱い。」

「うるさいな…」

「!」

秀助は右足を高く蹴り上げた。ハイキックである。それはオーベルハウザーの下あごに命中した。

「ぐはあ!」

「そのうるさい口を塞いでやったぜ。」

「このガキ…!」

「そのまんま舌を噛んでくれれば、もっと静かになったろうに。」

「偉そうな口を利くな!」

(今だ!)

オーベルハウザーは秀助にパンチをぶつけようとする。秀助はそれを受け止めた。

「今度こそ燃えてもらうぞ。」

「!まさか!」

オーベルハウザーは振り返る。すると、燃えている紙屑やガラス瓶がこちらに向かってくるのが見えた。

(こいつ!私の手を封じて、ワンウェイ・リユースで攻撃してきたか!)

オーベルハウザーは秀助の腹部に蹴りを入れる。しかし、それでも秀助は動かない。

「無駄だ。俺はお前を殺すためなら、どんな痛みにも耐えてやるさ。」

「ならば、これにもかな?」

突然、オーベルハウザーの手が発火した。

「!」

秀助はつい手を放してしまった。

(こいつ!俺の手についていた塵に「意味」を付与したな!)

オーベルハウザーは秀助に目をやりながら、飛んできたゴミをかわす。

(こいつには…何をやっても無駄なのか…?)

「何をやっても無駄。」

「!」

秀助は、自身の心が読まれたと思い、驚きを隠せなかった。

「そう思っているんじゃないかな?だとしたら、全くその通りだ。」

正直、秀助は打つ手を思いつかなかった。だが、レベルΖ(ゼータ)のやり方がわからない以上、それ以外で戦わざるをえない。手づまり状態となったのだ。

「どうした?今度は何をやるかな?」

オーベルハウザーは、秀助の胸ぐらを掴んだ。

「!放せ!」

「…いい制服だ。綺麗に手入れされている。塵がついているのが気になるがね。」

そのとき、秀助の制服が激しく燃え始めた。

「!うわああああ!」

秀助は苦しみ悶える。そこに、オーベルハウザーの強烈な正拳突きが炸裂した。壹極畢僉(いちごくひっせん)状態の強烈な拳は秀助の腹部に命中し、遥か後方に吹き飛ばしていった。

「がはあ!」

秀助は城壁に叩きつけられ、そのまま倒れる。意識はあるものの、制服が燃えており、熱さに苦しんでいた。

「うあああああ!」

「熱いだろう?温度は、あえて60℃に設定した。すぐに燃えるのではなく、苦しみながら燃えるだろう。燃えるゴミに相応しい。」

秀助は制服を破ってでも脱ごうとするが、脱げない。

「そうそう、せっかくいい制服を着ているんだ。脱げないようにしておいた。着心地はどうかな?」

「ああああああ!」

秀助は苦しみ続ける。その場でじたばたするのであった。


クリントンはとにかく銃を撃っていた。しかし、全てかわされるか防御される。

「なんて野郎だ…」

フェルナンド伯爵は、クリントンの背後に回ってきた。

「後ろ!」

クリントンは銃口だけを後ろに向けて発砲する。しかし、手応えがない。

「どうだ!」

クリントンは振り返る。そこで目にしたのは…

(!こいつ!防弾チョッキを念写したのか!)

防弾チョッキを身につけた、フェルナンド伯爵だ。

「卑怯だな。伯爵。」

フェルナンド伯爵の腕が、クリントンの体を貫いた。

「ごほっ!」

フェルナンド伯爵は、クリントンの体から手を引っこ抜く。

「ぐはあっ!」

急所こそ外したが、致命傷を負った。クリントンは動けなくなる。そこに、フェルナンド伯爵はトドメを刺そうとした。しかし、できなかった。フェルナンド伯爵は何者かによって吹き飛ばされたのである。

「お、お前は!」

クリントンは、フェルナンド伯爵を吹き飛ばした人物を知っていた。


「お久しぶりですね。兆能力ファイトクラブ以来ですか?」


そこには、善俊が立っていたのである。


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