140話:城外のピンチ
城での戦いを知らない中原たち。みつねは、ひたすら十兵衛に呼びかける。
(ミスター・リード首都警総監!返事をしてください!)
しかし、返事はない。
「一体、どうしたんだろう?ああ、とか、うん、ぐらいなら戦闘中でも伝えられると思うけど…」
「きっと、それだけ集中しているんだ。」
雄康が口を開く。
「それにしても…」
そのとき、銃弾が飛んできた。中原が叫ぶ。
「!城からだ!皆!俺が棺を出すから、そこに隠れろ!」
銃弾は雨のように飛んでくる。それは、避難した首都警察官の体を貫く。
「ぐあああ!」
「きゃあああ!」
(くそっ!ガトリングか!)
中原が棺を出して、それを盾にしようとするが、間に合わない。数人の首都警察官が目の前で撃たれていく。しばらくすると、射撃は止まる。
「きっと、リロードしているんだ!今のうちに、怪我人をこっちに!治療…はっ!」
中原はあることに気がつく。五味川茉莉が、撃たれた者を治療していたのだ。
「怪我人は五味川茉莉のもとに運べ!早く!無事な奴で、盾を作れる兆能力の奴も来い!皆で固まって防御するぞ!」
首都警察官は、五味川茉莉のもとに集まっていく。その近くで中原や伊里らが、盾となる棺や糸を出現させていた。
秀助は、大魔塵によって、兵士の攻撃を防いでいた。
(皆、大丈夫か!?)
秀助は外を見回す、しかし、そうしている暇などなかった。
「おいおい、余所見してもいいのかな?」
「お前…!汚いぞ!」
「戦いに美しさなど存在するか。」
オーベルハウザーは近くにあった壁に手をやる。すると、壁から砲弾が飛んできた。
「!」
秀助はそれを、防ぐのではなく、かわした。そこに、ドラゴンがやってきた。
(ああ!防げば、大魔塵が崩れる!しかし、かわせば、そこを突いてくる!俺はあの野郎を心の底から殺したいと思うのに、どいつもこいつも邪魔してくる!)
ドラゴンは秀助に襲いかかろうとする。
そのドラゴンの頭を一つの銃弾が貫通した。
「!」
(同士討ちか?いや、違う!あの銃弾、オーラを纏っている!)
秀助は銃弾が飛んできた方向を見る。そこには、クリントンが立っていた。
「兄ちゃん、兵士とドラゴンは俺に任せな。お前は、お前の敵を倒せ。」
「!すまない!助かる!」
秀助は再び、オーベルハウザーのもとに向かっていく。
「兵士は、城を出て、他の首都警察官を殺しに行け。」
それを聞いた兵士が、中原たちが集まっている場所に向かおうとする。
「そうはさせるか。」
クリントンが兵士に銃口を向ける。オーベルハウザーが鼻で笑った。
「ふん、お前の相手は一人で十分だ。」
「試してみるかい?」
秀助はあることに気がつく。
「フェルナンドだ!気をつけろ!」
「!」
銃口の前にフェルナンド伯爵が現れた。フェルナンド伯爵は、クリントンの銃を奪おうとする。
「これは俺の愛人だ!お前なんかに渡すかよ!」
フェルナンド伯爵は銃から手を放し、クリントンを殴りつける。そして、レイピアを念写した。
「銃相手に剣を念写するなんて、なめてるにも程があるぜ。」
なんとか棺の壁を作っていた中原は、兵士たちがこっちに向かってきているのを目にした。
「白兵戦でくるか!」
中原は前に出た。
みつねが叫んだ。
「中原首都警部!何を!」
「お前たちはそこにいろ!あいつらは、俺が片づける!」
「ですが、一人なんて…」
「いいから!そこで待機してろ!」
中原の凄みに、誰もが圧倒された。
「さあ、来い!兵士ども!棺に入れてやる!」
「私も付きあうわよ。」
「お前...!」
中原は聞き覚えのある声を聞いて振り返る。菊千代が、ダーツの矢を手に持ち、立っていたのである。




