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兆兆発止  作者: ぱんろう
最終決戦編
130/150

130話:2度目の再開

「おふくろ!」

秀助は茉莉に呼びかける。やはり、返事はない。

「しゅう君…茉莉さんは…どうしてこんなことに…」

「組織が何かやったんだ…だが、兆能力が使用できるあたり、大事までには至ってないと考えたい。」

秀助はもっと近づこうとする。しかし、

「ふしゃー!」

「!」

猫だ。茉莉の治療を受けていた猫が、秀助を威嚇したのである。

「よしよし、可愛い猫だな。安心しろ、俺はお前に悪さしない。」

秀助は再び茉莉に近づこうとする。

「ふしゃーー!」

猫は再び威嚇する。さらには、オーラまで出していた。


「うるせえな!!そのうるさい口に、ゴミを詰め込むぞ!!」


秀助の凄みに、猫は怯えた。猫は、そのままどこかに逃げていった。

「とりあえず、おふくろをこの部屋から出そう。ここは一階だ。壁を壊せば、どこかに出るはずだ。」

秀助は、茉莉を担ぎながら言った。

「そうだね…」

みつねが手探りしながら壁をさすっていく。

「ねえ、なんか熱いよ…この壁。」

「それはおそらく、構成員が近くで燃えているんだ。できるだけ、熱くないところにしよう。」

みつねは壁伝いに移動し、できるだけ熱くない壁を探した。

(!ここはあんまり熱くない…)

みつねは腕にオーラを纏わせた。

「はあ!」

みつねは、壱極集中のパンチで壁を破壊し、大きな穴を開けた。すると、綺麗な夜空が見える。

「そうか…もう夜になっていたんだな。」

秀助がぼそっと言った。そのとき、十兵衛の声が聞こえた。

(秀助、みつね君!よくやった!五味川茉莉を保護したようだな!)

(ああ、今外に出たところだ!)

秀助は夜空を見上げながら言った。

(2人は、五味川茉莉を見ていてくれ!)

(じーさんはどうするんだ?俺たちは五味川茉莉救出グループ。本拠地の制圧も上手くいっているようだし、目的を達成した以上、俺たちは引き上げてもいいんじゃないか?)

(そうだ。だから、中原君たちをそこに向かわせる。私は、首都警察のトップに立つ者として…ある男を倒してくる!)

秀助は強く思念した。

(リーダーのあんたがそんなに戦って、どうするんだよ!)

(私の部下を倒したんだ!許してたまるか!)

(!冷静になれ!あんたトップなんだろ!)

返事がない。

「あのじじぃ…」

「あの人は、そういう人なんだよ…覚えてる?兆能力ファイトクラブのこと…」

「!」

秀助ははっとした。秀助の代わりにみつねがフェルナンド伯爵と戦った結果、ぼろぼろになって倒された件のことを思いだす。

「あのときも、ミスター・リード首都警総監は、フェルナンド伯爵と戦おうとした…倒された私の仇を討つために…」

「…」

秀助はしばらく黙り込んだ。

「みっちゃん、おふくろを頼む。」

「え?」

秀助は、担いでいた茉莉をみつねに預け、建物内部に入っていった。

「しゅう君!待ってなよ!」

「じーさんだけに、無理をさせるか!俺も戦う!」

みつねは、追いかけようにもできない。さすがに、茉莉を一人にするわけにはいかないのだ。

(違うよ…お母さんと一緒にいてやればいいじゃん…)

みつねは走っていく秀助の背中を、ただ見るより他なかった。


一方、十兵衛は、オーベルハウザーが待つ部屋に辿り着いていた。

(ここか!)

十兵衛は集中した。

(…仕掛けはない。だが、やはり妙だ。この扉の向こう側にいる男…こいつの心は、一体何を考えているんだ?感じることができるのは、心があるということ…それ以外は無…そんなことが、ありえるはずがない…!)

十兵衛は心臓をばくばくさせながら、部屋に入ろうとする。十兵衛にとって、心臓をばくばくさせることは、とても新鮮な経験であった。なぜなら、テレパシーを使えば見えないものさえ手に取るようにわかるからだ。心臓をばくばくさせるなんて、まずありえない。しかし、相手はテレパシーでさえ明らかにできない未知の相手…十兵衛は、それに恐怖を抱いていた。


「怯えていても仕方がない!いくぞ!平塚十兵衛!」


十兵衛は自身に言い聞かせて、部屋の扉を開けた。部屋には、一つのテーブルと、2つの椅子があった。そして、片方の椅子には、一人の男が座っているのが見えた。レオ・オーベルハウザーだ。


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