表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
兆兆発止  作者: ぱんろう
最終決戦編
118/150

118話:飼い主の逆襲

「!3人とも!?」

(そんな!おかしい!ダーツの矢にそんな細工はしていない!)

爆発により発生した煙で周りが見えない中、菊千代は動揺していた。智子は声を出すことができず、ただ呆然としていた。そのとき、何者かが智子に襲いかかる。

「!きゃあああああ!」

「!智子ちゃん!」

智子の悲鳴がどこからともなく聞こえてきた。菊千代が智子の名前を呼ぶが、返事はない。

時が経つにつれ、煙がはれていく。すると、4人が倒れているのが見えるようになった。

「!そんな…」

菊千代は、口を手で押さえていた。これまで強敵に立ち向かってきた4人が、一瞬のうちに倒されたのだ。

そんなとき、菊千代の後ろに気配を感じた。菊千代は即座に振り返る。そこには、オーベルハウザーがいた。

「!あんた!」

菊千代は後方にジャンプし、距離をとった。そして、ダーツの矢を3本出現させる。

「もう一度、私に投げるかな?せいぜい、いちご病にならないよう気をつけたまえ。」

「うるさい!」

菊千代は3本のダーツを一斉に投げつける。狙いは正確だ。3本ともオーベルハウザーの急所を突ける位置に飛んでいた。その3本は間違いなくオーベルハウザーに命中する。しかし、

「!なぜ…」

ダーツの矢はオーベルハウザーの服を貫通することなく突き刺さった。

「いただくよ。これ。」

(!まずい!爆弾に変えられる!)

菊千代がそう思っていたとき、オーベルハウザーが一本の矢を放り投げた。それは爆発するのではなく、ガスを噴射した。

「!どうなってるの!?」

菊千代はガスに囲まれて困惑している。そこに、もう一本の矢が飛んできた。

「!」

その矢は光を発し、菊千代の目を眩ませた。菊千代が目をつむっている間に、オーベルハウザーが菊千代の目前に迫っていた。

(いつの間に!)

オーベルハウザーは、最後の矢を菊千代に触れさせた。すると、

「きゃああああああ!」

強力な電気が流れ、菊千代を気絶させた。

「そんな…」

ついに、菊千代は倒れてしまった。

一瞬の時間に、首都警察が5人もやられた。全員、精鋭暗殺部隊と戦ってきた猛者である。それを一瞬でだ。5人が倒れたのを、テレパシーを常時発動していた十兵衛が察知していた。

(!…おかしい!5人の心の声が消えた!…相手は…何者だ!)

(ミスター・リード。いるんだろう?2階の客間で待っている。話をしようではないか。)

(!誰だ!)

十兵衛は何者かと交信するが、とても奇妙な相手であると感じた。心の声がはっきりと聞こえないのである。

(こんなことは初めてた!どうなっている!)

十兵衛は下を向き、夥しい量の汗をかいていた。テレパシーで聞こえない声はない…はずなのに、相手の声が聞こえないのである。未知との遭遇に困惑していたのだ。

(とりあえず…救護班!1階にて怪我人だ!救護に向かってくれ!)

応援で駆けつけた首都警察のうち、救護班に呼びかけて、5人を救護するように要請した。そして、

(待っていろ…!部下に手をかけた罪は重いぞ!)

オーベルハウザーの言った通り、2階に向かっていくのであった。


その2階、ある通路にて、秀助と龍助が対峙している。

「大きくなったなぁ。俺のことを覚えていてくれて、嬉しいぞぉ。」

「当たり前だ。その傷を見れば、嫌でもな。今更父親面か?」

久しぶりの再会にしては、どこか険悪である。

「本当、俺には懐かないなぁ。」

「当たり前だろ!俺には一切触れず、話さず、目も合わせなかった!挙句の果てには、俺が5歳のときに失踪した!」

秀助は声を荒げていた。龍助は、まあまあ、と言わんばかりに、秀助を宥めようとしていた。

「悪かったよ。」

「なぜ、ここにいる!」

「なぜって…わかるだろ?SOCIOLOGIのNo.10、オーギュスト・パーソンズとして…不届き者を始末するのさ...」

「SOCIOLOGIに所属していたとはな...おふくろがいなくなったのも、お前のせいか…!」

秀助は拳を強く握りしめる。

「俺はもともとSOCIOLOGIに共鳴していてな。フランス支部で活動することになったから、お前たちを残してフランスの向かったのだよ。すると、茉莉が勝手についてきてな。それで、この組織を紹介したんだが、言うことを聞かなかったから…」

龍助が言いきるのを待たずして、秀助はゴミを発射していた。龍助がそれをかわす。

「ダストメイカーか…そういえば、今の俺はフランス国籍なのだが、デュルケームというフランス仲間がいてな。」

「だからなんだよ。」

龍助は悲しそうな表情をする。

「いい奴だったんだが、ちょっと前にやられちまったんだ…その死骸の周りには、塵が集まっていたという…」

秀助は龍助の発言を訂正しようとした。

「やられたって表現はやめてくれ。塵で捕まえたら、勝手に爆発しただけだ。」

龍助は笑っていた。

「それがSOCIOLOGI幹部の辿る末路…」

そのとき、秀助は寒気を感じた。

(なんだ…?この寒さ。)

寒気は、次第に酷くなっていく。辺りを見回すと、吹雪が発生していた。

「俺はそうなりたくない。だから、秀助、お前には死んでもらう。」


十兵衛と別れた後、川路兄弟は1階を探索していた。

「お兄様、この部屋にもいなそうです。」

目をつむっていた善俊が言う。

「迷路かよ…ここは...構成員でも迷いそうだ。」

善治がぼやいていたとき、善俊が何かに気がつく。

「!誰か向こうから来ます!…首都警察官ではありません!警察官の制服を着ています!」

「なんだって!?妙だな…この計画に参加している警察官は、俺一人だけのはずだが…」

「ええ、それにこの体型…」

すると、目の前にその人物が現れた。2人はそれを見て固まった。

「あ、あなたは!」


「お父様…?」


そこにいたのは、川路兄弟の父・善信であった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ