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ゲーム攻略が拷問と化す世界 〜目覚めたら昔作った中二病全開の自作ゲーム内だった〜  作者: チームつちのこ
七章 塔の影

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34話 影探知

 このゴブゾーンの暗闇の中暗黒四天王(ダークフォース)のゴブゾウを倒したのはクルミシャドウだったのだ。



 しかもクルミから伸びた影がシャドウになっているのをリナとモモに完全に見られてしまったのである。



「……ぇ、クルミ?シャドウ?」

 リナが目の前の状況を理解出来ずに混乱している。


 あのゴブゾーンの暗闇の中一人だけゴブゾウの攻撃を受けていなかったクルミ。


 あの暗闇の中自在に動いてゴブゾウを倒すこと、影技使い(シャドウスキル)影探知(シャドウサーチ)を持つクルミなら出来る。



「その影、クルミがシャドウだったんですか……?」

 モモがクルミから伸びる影がシャドウなのを見て、驚きながらも静かに問いかける。




「……」


「……そう」

 暫く間が開いた後、後ろ姿のままクルミが静かに答えた。




「その影……氷魔法じゃない?」

 魔導師団の筈のクルミがいつも使う氷魔法では無く、リナの知らない力でゴブゾウを倒している。


「……本当の所属は魔導師団じゃない」

「魔導師は仮の姿」

 僕達の方を向かずに背中で語るクルミ。



「ぇ?魔導師団じゃ無かったら一体」

 リナがクルミに問いかける。



「……特殊隠密部隊」

「いわゆる影の仕事」

 クルミが静かに自分の正体を暴露する。




「特殊隠密部隊って、まさか」

 リナが驚きながら叫ぶ。



「特殊隠密部隊?」

 モモがリナに問いかける。



「私も細かい事は知らさせていないけれど」

「王国騎士団、魔導師団に次ぐ第三の部隊があるって聞いたことがある」

「その名を、特殊隠密部隊……」

 リナが珍しく説明側に回っている。



「王国にそんな部隊が……」

 モモも知らなかった様で、リナの話を驚きながら聞いている。




「騎士団は王国の武を現し」

「魔導師団は王国の知となる」


「……そして、特殊隠密部隊は」

「王国を裏から護る秩序の要となるって」

「聞いたことがある……副騎士団長の受け売りだけど」

 リナが難しい事を言っててもチンプンカンプン化していない、凄い。



「……そう」

「私は特殊隠密部隊の陰の調律者シークレットナンバーズ、No.3【影法師(シャドウ)】」

 静かにクルミが自分の正体をバラす。



陰の調律者シークレットナンバーズ!?」

 モモがクルミのカッコイイ肩書に驚く。



「その特殊隠密部隊の中で選ばれた者には番号とコードネームが付けられるって……」

「シャドウってそう言う事、なのね」

 リナの解説役も板について来た。



「……そう、だから」

「ゴブゾーンという暗闇の技は私には通用しない」

 倒されたゴブゾウの横でクルミが冷静に話す。



「でもなんで今まで黙ってて……」

 モモがそこまで言って口を止める。



「こんな力……見せられない」

「この影の力は忌むべき力」

「二人の住む光差す世界には無縁の力」

 クルミが悲しい目をしたかと思うと、そっと呟く。



「……だから」

「……さよなら」

 クルミはそう言って影と共にその場からスッと消えた。




「「クルミ!」」

 リナとモモがクルミに向かって叫ぶが、そこには倒れたゴブゾウしか居なかった。



「……」

 静まり返った広間に僕達三人だけが立ち尽くしていた。







 広い砂漠に浮かぶオアシス。

 そのオアシスに立つ東の塔。

 闇に染まっていた東の塔。

そこに居た暗黒四天王(ダークフォース)が倒されて、塔のクリスタルの闇が浄化され光が戻る。

 


 光が戻った東の塔から出て来た僕達の顔は輝いてはいなかった。

 封鎖され入れなかった東の塔の入り口が開けられ、そこから出て来た僕達はその入り口を出た所で塔を見上げながら話し始める。




「まさか、クルミが特殊隠密部隊……陰の調律者シークレットナンバーズだったなんて……」

 リナが静かに口を開く。


「クルミがシャドウだったんですね……」

 モモもリナと同じトーンで話す。


 そう、この東の塔のゴブゾウ戦でクルミがシャドウバレするのだ。

 そのイベントを知っていた僕はこの状況をあえて静観していた。



「あんたは……なんか驚いてないみたいだけれど」

「まさか知っていた?」

 リナが僕の態度を見て聡く問いかける。



「勇者の勘でなんとなく位には」

 とりあえず都合のイイ勇者の勘で誤魔化す。


「……なんで私達に言わなかったのよ」

 リナが僕に問い詰めてくる。



「僕から言う事じゃ無い」

「クルミが自分で言いたくなるまで僕からは話せない……事だと思ったからね」

 僕の台詞にリナとモモが押し黙る。



「……だとしても!」

「言って欲しかった」

 リナが困った様な悔しい様な顔をして叫ぶ。



「クルミに魔族の血が流れていたとしても?」

 そんなリナに僕が静かに問いかける。



「魔族の血!?」

 リナが再び驚いて僕の顔を見つめる。



「……あの影の力、そう言う事なんですね」

 モモが静かに口を開く。



「どういう事?」

 リナがモモに聞き返す。



「北の大地に住む魔族は闇の魔力を扱うと聞いたことがあります」

「影の力も闇の魔力の一種、あの力は魔族の血を受け継いでいるから……という事なんですね永太様?」

 モモはそう言って真剣な顔で僕の顔を見る。


「うん」

「今僕達はそんな魔族、いや魔王と戦っている」

「そんな状況で」

「自分が魔族の血筋である闇の魔力を扱うなんて言えると思う?」

 珍しく落ち込んでいるリナに僕は問いかける。



「……くっ」

 僕から目をそらし悔しがる顔を見せない様にするリナ。



「リナやモモにとって、魔族は敵?」

 僕は意地悪く二人に問いかける。



「リナやモモにとって、クルミは敵?」

 間を空けずに二人に問いかける。




「クルミが敵なわけない!」

「です!」

 クルミが敵という事をすぐさま否定するリナとモモ。



「人間にも悪さする人がいる様に、魔族の中にも良い魔族はいる」

「人か魔族か、その血を引いているかどうかは問題じゃ無い」

 僕はそこまで言ってリナとモモの二人を見つめる。



「……わかってるわよ」

 リナが静かに口を開く。



「血筋とか、種族とかじゃ無い」

「光の力とか、闇の力とかじゃ無い」

「その力を使って何をしたか」

「その力を使って何をしたいか!」

 いつになく真剣な顔で話すリナ。



「そう言う事でしょ!」

 そこまで言って僕を睨みつけるリナ。



「そうです」

「魔王の侵攻は許されない事ですが」

「力での侵攻を行った魔王を非難するべきであって」

「種族全体を非難すべきじゃない」

 モモがなんか王族っぽい事をしっかりした口調で話す。

 ぁ、この国のお姫様だったか。


「最初は確かにシャドウの影の力に驚いて警戒していたのは確かよ」

 リナは静かなトーンで喋る。


「でも、シャドウはずっと私達を助けてくれていた」

 次いでモモも話す。



「魔族の血であろうが無かろうが、クルミは私達をずっと助けてくれていた」

 リナもモモと同じ様に話す。



「「だからクルミは私達の仲間よ」」

 リナとモモは二人合わせて僕に向かってそう言った。



 う〜ん、何だか少年漫画みたいな熱い展開になって来ている。

 というか昔の僕も少年漫画大好きだからこれも当然の展開か。


 とはいえここまでの詳細な会話はゲーム内には無い。

 クルミが去る→たとえ闇の力を持っていたとしてもクルミは私達の仲間よ→クルミが仲間に戻って来る。

 こんな感じで必要最小限の会話位しか無かった記憶がある。


 とはいえこの世界でクルミがちゃんと僕達の仲間として戻って来れるのか、リナとモモに探りを入れた会話をしてみたのだが杞憂だった様だ。


 リナもモモもちゃんとクルミを仲間だと思ってくれているし、種族が悪いのでは無くその力の使い方が本質だと言う所まで辿り着いている。


 これなら大丈夫かな、と僕は思い口を開く。


「と、言う事だってさ」

「クルミ」

 リナでもなくモモでも無い、クルミに聞こえる様に大きな声で僕は叫ぶ。



「……」

  すると塔の入り口の端にある柱の影からシャドウが姿を現した。

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