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ゲーム攻略が拷問と化す世界 〜目覚めたら昔作った中二病全開の自作ゲーム内だった〜  作者: チームつちのこ
七章 塔の影

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33話 ゴブゾーン

「くらえ!このゴブゾウ最大の奥義!」


「ゴブゾーン!」

 ゴブゾウは自分の名前をもじったダサげな技を叫んだ。



 ゴゴゴォォォォオオォォォォ!


 するとゴブゾウを中心に暗い闇が広がり、やがて塔内部の広間全体が暗闇に包まれた。



「ぇ、何よこれ?」

 光も差さない暗闇の中、何も見えない状態でリナの動揺する声が聞こえる。


「真っ暗で何も見えなくなっちゃいました」

 モモが相変わらず丁寧に状況を説明してくれる。




「フッフッフ」

 暗闇の中、ゴブゾウの笑い声が響き渡る。



「ちょっと!どういう事よ!」

 何も見えない状態なのにリナは相変わらず元気にキレている。




「これがこの鉄壁のゴブゾウ最大の奥義、ゴブゾーンだ!」

 ゴブゾウの声がどこからともなく響き渡る。



「それはもうわかったわよ!」

 ダサい技名を連呼されてリナがイライラしている。




「最強の防御、それは引きこもり……もとい」

「光さえ差さぬ暗闇の中なのだ!」

 ゴブゾウが自信満々に自分の奥義を解説し始めた。


「この広間はおあつらえ向きに窓が設置されていなかったのでな、我が奥義にはもってこいの場所だったわ!」


「この暗闇の中何も出来ずに倒されるがいいわ!」

 ゴブゾウは語尾にゾウを付けるのを忘れるぐらい調子に乗りすぎてる。



「くらえ!」

 ゴブゾウがそう叫ぶと何かが動くような音は聞こえるものの、暗闇のせいで何も見えない。


 その音が近づいてきたと思うと、



 ガスッ!


「うぼぉ」

 何かがぶつかってきて思わず変な声を出してしまう僕。



 ボカッ!

「きゃあっ!」

 暗闇で詳しい場所はわからないが、モモの悲鳴が聞こえる。


 ドゴォ!

「うわぁっ!」

 次いでリナの悲鳴も聞こえてくる。



 どうやら暗闇の中、ゴブゾウのシールドバッシュ……?いやシールドタックルを喰らったようだ。



「……いてて」

 暗闇の中防御もままならず、ゴブゾウの悪質なタックルを受ける僕達。



「ちょっと!」

「いい加減にしなさい!」

「このっ!てやっ!」

 リナが暗闇の中グーパンか何か振りまわしている様な声が聞こえる。



「フッフッフ」

「何処を狙っている」

「そんなもの当たりはせぬぞ」

 この暗闇の中何も見えないのでリナの攻撃は当然当たらず、ゴブゾウがさらに調子に乗って来ている。



「うき〜!」

「このぉぉぉぉおお!」

 リナの渾身の謎パンチが空を切って唸る声だけ聞こえる。


 すると……



「うぶぉあ!」

 リナの攻撃が当たり暗闇の中、悲鳴が轟く。



「やった!当たった!」

「どうよ!このリナ様にかかればこんなものよ!」

 下手な鉄砲数撃ちゃ当たると言わんばかりにドヤ顔をするリナ。

 いや、真っ暗で顔は見えないんだけれどね。


 それより……


「いったぁ……」

「リナ、その攻撃当たったの……僕なんですけど」

「めっちゃお尻が痛い」

 そうリナの無差別攻撃がクリーンヒットしたのは僕のお尻。

 ゴブゾウの悪質タックルより痛かったかもしれない。




「はぁ!?」

「なんであんたのお尻を触らなきゃいけないのよ!」

「最悪なんですけど!」

 僕のお尻を触ったのはリナなのに割と酷いことを言われる。




「最悪って、お尻が二つに割れちゃったらどうするんですか!」

「これはセクハラですよ!」

 美少女にお尻を触られるなんてむしろご褒美かもしれないが、コンプライアンス的に一応注意しておこう。





「セクハラってなによ!」

「っていうか、お尻は二つに割れてるもんでしょうが!」

「あんたのお尻の心配より暗黒四天王(ダークフォース)をなんとかしなさいよ!」

「あの何とか剣とかあるでしょ!」

 そうだった、お尻は元々割れてるんだった。

 って事では無くて、あの剣って光輝闇暗(シャイニングダーク)炎竜剣フレイムドラゴンソードか。


 確かに光輝闇暗(シャイニングダーク)炎竜剣フレイムドラゴンソードで使える技、邪王暗黒流じゃおうあんこくりゅう次元断層剣(じげんだんそうけん)零式改(ぜろしきかい)なら暗黒四天王(ダークフォース)の鉄壁のゴブゾウを倒せるかもしれない。


 けれど……



「この暗闇の中じゃ敵の位置がわからないから、おいそれとは使えないよ」

「さっきのリナのお尻タッチみたいに仲間攻撃(フレンドリーファイア)しちゃう」

 先程のリナのセクハラの様に、味方を巻き込んでしまう恐れがあると伝える。



「うっさいわね!ちょっと触っただけでしょ!」

 セクハラした中年おじさんみたいな言い訳をするリナ。



「確かにこの暗闇の中では、相手の位置も仲間の位置もわからないですし」

「同士討ちの危険がありますね」

 モモが丁寧に状況を説明してくれて助かる。



「そうよ、塔を浄化する時のモモの聖なる光」

「あれでこの暗闇をかき消すってのは?」

 リナが珍しくいい解決策を提案する。



「なるほど、やってみます」

 モモがそう言って聖なる光でゴブゾーンの闇に対抗しようとしたその時、



「そうはさせんぞ!」

 しっかり会話を聞いていたゴブゾウがモモに狙いを定めて襲いかかる。



ドカッ!

「きゃあ!」

 モモの聖なる光を悪質なタックルで防ぐゴブゾウ。



「ちょっと!邪魔すんじゃないわよ!」

 暗闇の中響き渡るモモの悲鳴にリナが反応してゴブゾウに文句を言う。



「クックック!お前たちは何も出来ずにここで倒されるのだ!」

 絶好調なゴブゾウの暗闇タックル祭り。

 


 ゴスッ!


「うへぁ!」

 再びリナが変な声を上げる。

 恐らくゴブゾウの悪質タックルを食らったのであろう。



「もぉ!どうするのよ!」

「このままじゃ一方的になぶり殺しじゃない!」

「大体なんで暗黒四天王(ダークフォース)だけこの暗闇の中動けているのよ!もう!」

 リナが完全にカムチャッカインフェルノプンプン丸状態である。



「フッフッフ」

「この暗闇、最強の引きこもり……もとい」

「鉄壁のゴブゾウには慣れたものよ!」

「よく見えるぞ!お前たちの絶望する顔がな!」

 珍しく暗黒四天王(ダークフォース)優勢なのでゴブゾウは調子と言う台が見える位に調子に乗っている。


 いや、暗闇で何も見えないんだけどね。



 ゴスッ!


「うわぁ!」


 ガスッ!


「きゃあ!」


 ドゴォ!


「いゃん」



 暗闇の中、ゴブゾウのタックルの音と僕達の悲鳴だけが何度も響き渡る。


「はぁはぁ」

「うへぇ」

 何も見えない暗闇の中、ゴブゾウの攻撃を喰らい続けてモモも僕もよろける。



「もぉ……本当にヤバいわよ」

「どうにかしなさいよ、勇者なんでしょ!」

 元気だったリナも何度も攻撃を受けてヘロヘロになってきている。


 

「ハッハッハ」

「無駄だ無駄だ!」

「貴様らはここで終わりだ!」

 ゴブゾウが超絶イキリ始めて有頂天だ。



「さぁ、トドメだ!」

「くらぇぇぇぇえ!」

 なにやらゴブゾウが渾身の一撃を食らわそうとしている。


「ちょ、ヤバいわよ!」

「何も見えないし、どうすんのよ!!!」

 リナが動揺して僕に向かって叫ぶ。



「どうしましょう、永太様」

 モモも心配そうに話す。


 攻略法を知っている筈の僕はなぜか黙って様子を伺う。



 すると……



「うぎゃあ!」

 暗闇の中、悲鳴が響き渡る。



「誰?誰がやられたの?」

 リナがみんなを心配して問いかける。



「私は大丈夫です」

 モモが冷静に返答する。



「僕も大丈夫」

 同じ様に僕も静かに返答する。



「ぇ?じゃあこの悲鳴は誰よ?」

 頭にハテナマークが出ているリナ。

 いや、暗闇で見えないんだけどね。




「ちょ」

「うわぁ!」

「この暗闇の中なぜ見えている!?」

「うぼぉ!」

 どうやらこの悲鳴はゴブゾウの様である。



「どういう事?」

 この謎状況にチンプンカンプン化し始めるリナ。



「くっ!」

 ガィイイン


「ぐあっ!」

 ゴィィイイン!



 何かと何かが戦っている様な鈍い音が広間に響き渡る。

 やがてゴブゾウが押されている感じの声が聞こえてきたと思うと、


「……ぐあぁぁぁあぁあ!」

 ゴブゾウと思われる悲鳴が暗闇の中響き渡り、やがて静かになった。



 すると暗闇が晴れていき、広間が明るくなっていった。

 急に明るくなって眩しさを感じる僕達。



「……ぇ?」

 リナが何かを見て驚く。


「……あれは?」

 モモも同じ様に呟く。



 明るくなった広間で僕達が目にしたのは……



「シャドウ?」

 リナが驚きながらそう言う。


「クルミ?」

 モモも驚いて呟く。



 目の前に現れたのは、ゴブゾウに致命的な一撃を入れているシャドウ。

 そのシャドウの隣に立っているクルミの影がシャドウと繋がっている。



 そう、このゴブゾーンの暗闇の中暗黒四天王(ダークフォース)のゴブゾウを倒したのはクルミシャドウだったのだ。


 しかもクルミから伸びた影がシャドウになっているのをリナとモモに完全に見られてしまったのである。


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技名がwwwツボりましたwww
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