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ゲーム攻略が拷問と化す世界 〜目覚めたら昔作った中二病全開の自作ゲーム内だった〜  作者: チームつちのこ
一章 旅立ち

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3話 西の塔

  最初に倒したゴブイチ、あれは本来負けイベント。


 昔の僕が思いつきで追加の選択肢を増やしてしまったので倒せたのだが、本来はここで戦うはずだったのだ。


 小学生だった当時の僕はフラグ管理なんか適当で、当然倒した敵がまた現れたりしてしまうのだ!


 シナリオが支離滅裂になると分かった上で最初のゴブイチを倒したのは、、光輝暗黒(シャイニングダーク)炎竜剣フレイムドラゴンソードを手に入れておきたかったからである。


「さて、どう言い訳するか……」

 と僕は考え込む。


冒頭の負けイベントで逃げ出す筈だった、強敵暗黒四天王(ダークフォース)のゴブイチ。


 そのゴブイチをアッサリ倒してしまった僕は、本来戦うイベントで再び目の前に立ちはだかるゴブイチを前にして、このシナリオの辻褄合わせに悩んでいた。


「ぅ〜ん、完全にフラグ管理をミスっているというか、雑というか……」

 昔の自分の適当さがこんな所で帰って来るとは、などと思っていると。


「さすが暗黒四天王(ダークフォース)実はやられていなかったのですね!」

「そしてここで永太さまを待ち構えていたなんて!」

モモがなんか上手いこと勘違いしてくれているみたいだ。


「そ……そう!それ!」

 僕は思いっ切りモモの言葉に乗っかる。


「そ、そうなの?」

 勢いに飲まれてリナも納得しかかっている。


 よし、もう一押しと言わんばかりに僕は続けて

「さすが暗黒四天王(ダークフォース)生きていたとは〜(棒読み)」

 ゴブイチに向かって叫ぶ。



「???なんだかよくわからんが、目にもの見せてくれるわ!」

ゴブイチが叫ぶ。



 同じ台詞を再び言い直して、案外ゴブイチはボキャブラリー無さそうだなと僕は思った。


「来るわよ!」

 リナが剣を構えて叫ぶ。



 ギィイイン!!


 襲いかかってきたゴブイチの棍棒を剣で弾くリナ。



 ギィイイン!!

 ガィイイン!!


 激しい攻防を見せるゴブイチとリナ。

 


「騎士団長ってやっぱり凄いんだなあ」

 そう言ってその攻防を静かに見つめる僕。


「リナ!がんばって!」

 リナを必死で応援するモモ。



 ギィイイン!!


 「くぅっ!」

 ゴブイチの激しい攻撃に怯むリナ。


 うーん、やっぱり女騎士にはピンチがよく似合う。

 なんてリナを見てニヤニヤしていると、


「こらぁ!見てるだけじゃ無くてあんたも手伝いなさいよ!」

「勇者なんでしょ!」

 リナは僕に向かって叫ぶ。



 リナも程々にピンチになったし、いよいよ僕の出番かな。

「リナ!下がって!」

「……僕がやる」

 うーん、昔の中二病心がくすぐられて燃えてきた〜。


 ずさァ


 リナが僕達の所まで一旦下がる。


「ハァ、ハァ、あんた出来るの?」

 息を整えながら疑いの眼差しで僕を見つめるリナ。

 僕に振っておいて疑う所がリナらしい。


「……任せて」

 静かなトーンで僕は答え、ゴブイチに向かって歩く。




「フッフッフ、目にもの見せてくれるわ!」

 ゴブイチがまた同じ台詞を叫んで僕に向かって来る。




 アイテムボックスから光輝闇暗(シャイニングダーク)炎竜剣フレイムドラゴンソードを取り出して構える。


 剣術とか剣道とかは全く習ったことが無いが、小学生の頃はみんな何かしら必殺技の練習を傘や縦笛、木刀とかでしたものだ。

 僕はちょっとばかり人より必殺技の練習を念入りにやっていた、そのおかけで体が自然と剣の使い方を覚えている。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


「……」

 謎の威圧感を出す剣を構えて、静かに息を整えた僕は叫ぶ。

邪王暗黒流じゃおうあんこくりゅう次元断層剣(じげんだんそうけん)零式改(ぜろしきかい)!」



スゴォォォォォオオオ!


 その一振りでゴブイチの体は一刀両断された。



「グ……ガ……ァ」


ドカァァァァーーン



 真っ二つにされたゴブイチは爆発し、霧散した。




「……なにあれ」

 リナが目を真ん丸にして驚く。


「凄いです!永太様!」

 モモが嬉しそうに飛び跳ねる。





「ふぅ〜」

 再び剣をアイテムボックスにしまう。


「今度こそちゃんと倒せたかな」

 僕はそう二人に向かって話す。



「っていうかなに?あの技とか剣とか」

「邪悪なの?暗黒なの?光なの?炎なの?意味分かんないんだけど」

 リナが剣と技名にツッコミを入れる。


 意味が分からないって所は激しく同意する。

 だってカッコイイと思ったものだけ並べた名前だし(汗



「そこが凄いんですよ!永太様は光も闇も炎も竜も操る凄いお方なんです!」

 モモが手放しで褒めちぎる。


 昔の僕なら大喜びなのだか、大人になった僕には中二病を褒められると謎のダメージを受けるから程々にして欲しいな〜と思う僕であった。



「まぁ、なんにせよ暗黒四天王(ダークフォース)の一人を倒したって事は認め……ないわよ!」

 リナのツンツン成分が発動している。


「じゃあ、この塔の闇を浄化しますね」

 モモはそう言って黒く輝くクリスタルに向かって手をかざす。


 するとモモから出た光が徐々に闇を浄化していき、クリスタルは明るい光に変わっていった。


「これでここの塔の結界は大丈夫です」

 そう言ってモモは一息つく。



「さすがモモ、治癒と浄化の聖女ね」

 リナが僕をドヤ顔で見つめる。




「ありがとう、モモ」

 僕はそう言いながらリナとモモでは無く、広場にある柱の影を見つめる。



「どうしたんですか?永太様」

 そんな僕に気付きモモが声をかける。


「……あそこ」

 僕は柱の影を見つめたまま呟く。


 すると柱の後に人影が見える。


 パチパチ

 手を叩きながら誰かが柱の影から現れた。


「素晴らしいです」

「あのゴブイチを倒すなんて」

 そう言って現れたのは、黒いマントに黒いフードを被り目を覆う黒い仮面をした謎の人物だった。



「あなたは誰?」

 リナがその人物に向かって叫ぶ。


「……そうですね」

「シャドウ、とでも呼んで下さい」

 黒仮面はそう言った。


「……シャドウ?何者ですか?あなたは」

 モモが問いかける。


「今はまだ、秘密ですよ」

 黒仮面は人さし指を口に当てる。


「では、さらば!」

 黒いマントをひるがえすと黒仮面の姿は消えていた。



「一体何者何でしょう……」

 モモが少し心配そうな顔で話す。


「よくわからない、まぁ気にしても仕方がないわ」

リナがサバサバとして答える。





 こうして西の塔のゴブイチを倒して浜尻の町へ戻った僕達三人。


 すると浜尻の町の入り口に立つ少女に気付く。


「あ、クルミだ」

 リナがその子に向かって手を振る。


 小柄で青髪ロングを後結びしたジト目の子


「クルミも無事だったんですね〜」

 モモもその子に向かって手を振る。


 リナとモモとクルミは再会を喜んでいた。


「誰ですか?この人は?」

 またこの流れで僕に冷たい目が向けられる。


「永太様です〜」

 モモが紹介してくれる。


「変な技使う変な男よ!」

 リナがツンツンしながら紹介してくれる。


「……」

 クルミがそのジト目で僕を品定めする。


 うーん、その目もまた良い。

 僕は手を差し出してこう言う。

「はじめまして」


 クルミはその手をじっと見つめたあと、プイと顔を横に向けた。


 うーん、気に入られていない様である。

「ま、まぁよろしくね、シャドウ」


 そう呟いた瞬間クルミが直ぐ様振り向く。


「ぇ?」

 そう言って問いかけるクルミ。


 ぁ、しまった。

 これは盛大なネタバレだった(汗

「ま、まぁよろしくね、クルミって言ったんだよ」

 苦しい言い訳で誤魔化す僕。


「……そう」

 クルミはそう呟いた。

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ゴブイチッて喋るんやビツクリΣ(゜∀゜ノ)ノ!! そして新キャラ登場ジト目ちゃん♡(ㅎ.ㅎ)♡
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