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ゲーム攻略が拷問と化す世界 〜目覚めたら昔作った中二病全開の自作ゲーム内だった〜  作者: チームつちのこ
六章 砂の丘を越えた先に

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28話 サンドウォーム

 ザザザァァァ!


 間一髪でサンドウォームの攻撃を躱したリナが剣を抜き構える。


 砂の地面から出ている部分だけでもリナの倍程もあるサンドウォーム。

 

「なによ!サンドウォームって言っても大きなミミズでしょ!」

 相変わらずツンツンなリナがサンドウォームに向かってツンツン叫ぶ。



 ォォォォオオ!


 サンドウォームが声なのか雄叫びなのか良くわからない音を出し襲いかかって来る。



 ザッ!

 リナはその攻撃を躱すと同時に剣を振り抜き、サンドウォームの体をを一刀両断する。


 ズバァァァァッ!


 真っ二つにされたサンドウォームが砂の上に崩れ落ちる。


 ドサァァアッ



「どうよ!こんなミミズ私にかかればこんなものよ!」

 さすがリナ、騎士団長という肩書は伊達ではない。



「……でも、そんな大声で叫んでいると」

 僕は静かに呟き、リナの背後を指差す。




「へ?」

 変な声を出し、後ろを振り向くリナ。


「……ぇ、まじ?」

 リナの背後には大声で呼び寄せられたのか、何匹ものサンドウォームが姿を現していた。



 ォォォォオオォォォォ!


 

「ちょ……なによぉ!」

 リナが嘆きながら襲いかかって来るサンドウォームに応戦する。



「モモ、クルミ、僕達もいくよ」

 勇者っぽくカッコイイ台詞を言いつつ、僕は戦いに参加する。


「はい」 

「……わかった」

 モモとクルミも僕に次いで戦いに加わる。






「……」

「……ハァハァ」

「全くなんなのよ、もぉ〜」

 リナの大声で寄ってきたサンドウォームの群れをなんとか倒した僕達。


「大声出すとまた来ちゃうかもしれないから」

「静かに……」

 息が落ち着いて来た所で僕はみんなにそう言った。


「わかっ……てる、わよ」

 一瞬大声でツンツンしようとしたが、思い留まり静かに話すリナ。



 一休みしているみんなを他所に、クルミがションボリしている……気がする。

「……あんまり、役に立てなかった」

 砂漠という環境下では自慢の氷魔法の効果が低く、戦闘で役に立てなかった事を気にしている様だ。



 そんなクルミを気にしてか気にしていないのか、話題を変えるリナ。

「それにしても、暑いわね」

 朝はそれほどの暑さではなかったが、日が高くなると気温が上がってきて砂漠の熱波が本格的に牙をむく。

 さらに先程のサンドウォームとの大立ち回りをしたせいで暑さのダブルパンチである。



 ピコン

 と、僕の頭に豆電球が光る。(例えが古い)



「クルミ、ちょっと氷魔法使ってみて」

 僕はクルミにそう言う。



「……暑くて乾燥してるから大きな氷とかは作れない」

 僕がクーラー代わりにしようとしている事を先読みされている。



「ぇと、じゃあ」

「このコップに入った飲み物を凍らせる事は出来る?」

 そう言って僕は飲み物を注いだコップを差し出す。



「……これ位なら」

 クルミは頑張ってコップの中の液体を凍らせる。



「ありがとう」

「凍ったコップの中の液体を上手いこと砕いて……」

「じゃん!」

 まるで3分間のクッキングの様にテーマソングを脳内で流しながら僕は作り上げる。


「……これは?」

 クルミが警戒しながら僕に問いかける。



「即席かち割り氷(アイスボックス)!」

 水分とミネラル、糖分補給用としてアイテムボックス内に隠し持っていた果汁を使い、昔の僕が好きだったボリボリ食べるカップ氷を再現したものである。

 流石に完全再現は無理だが、それっぽい雰囲気にはなっている。

「まぁ、食べてみ」

 そう言ってクルミに進める。



 ガリガリ

 ボリボリ

「ほぅ……」

「ただ凍らせた物と思いきや……程よい甘さと塩味」

「何故か、やみつきになるボリボリ感」

「……これは、ィィ」

 さすがクルミ、食べる事に関しては饒舌だ。



「わ、私にも!」

 それを見ていたリナが暑そうな顔で叫ぶ。



「はいはい」

「クルミ、お願いできる?」

 犬みたいに舌を出して暑そうにしているリナを見ながらクルミにお願いすると、みんなの分を準備してくれた。



「モモもどうぞ」

 暑そうなリナを心配そうに見ていたモモにも即席かち割り氷(アイスボックス)を手渡す。

「ぁ、ありがとうございます。永太様」

 


 ガリガリ

 ボリボリ


「うま!」

 食べてすぐにリナが叫ぶ。


「美味しくて冷たい〜」

 モモも気に入った様だ。


「はぁ〜、生き返る〜」

「クルミが居てくれて良かった〜」

 クルミの有り難みを噛みしめるリナ。



「……フッフッフ」

「計画通り」

 これでションボリしたクルミも元気を取り戻すだろうと陰でニヤニヤする僕。



「……ありがとう」

 そんな僕を見てクルミがボソリと呟く。


「ふふっ」

 そんなクルミと僕に気付いて微笑むモモ。



「ょ〜し、元気出たし」

「さっさと先に進むわよ!」

 そんな僕達を知ってか知らずか、元気になったリナが早速仕切り始める。



「「……しぃ〜」」

 僕達三人は口元に指を当て、リナに向かって囁く。



「ぁ、そうだった」

「叫ぶとまた来ちゃうかも、なのか」

 リナが慌てて口を押さえる。


「ふふっ」

 そんなリナを見て再び微笑む僕達はまた歩き始めた。





 暫く歩くと日が陰り始める。

 曇り?では無い、風が強くなり砂が舞い始めてその砂の影響で日光が遮られている。

「……これは」

「嵐?砂漠だから……砂嵐(サンドストーム)か?」

 暗く陰った空を見ながら僕は呟く。

 サンドストーム……響きがちょっとカッコイイ。

 が、実際体験すると結構キツイかも。



「あの岩場の陰に避難するわよ」

 リナがそう言い、ちょうど良く近くにあった岩場の陰に隠れる僕達。



 ザザザァァァァァァ!


 ザザザァァァ!


 徐々に酷くなる砂嵐。


 ピカッ!


「ひぃっ!」

 暗く陰った空が眩しく光り、リナが悲鳴を上げる。


 ゴロゴロゴロ


 砂漠に似つかわしくない雷が鳴り響く。


 雷で悲鳴を上げているリナを見て僕がニヤニヤしていると、

「なによ!」

 悲鳴を上げながらも僕に突っかかって来るリナ。


「ぁ、いや別に〜」

「モモとクルミは大丈夫?」

 突っかかって来るリナをスルーしてモモとクルミに声をかける。


「はい」

「……大丈夫」

 モモとクルミは大丈夫そうである。


 砂の舞う暗い砂漠に雷が光る幻想的な風景。

「砂漠でも(サンダー)が鳴るのか……まるで異世界みたいだ」

 なんて呟くが、ここは異世界だったなぁと思い出す僕。




 暫くすると嵐が収まり砂漠の静けさが戻って来る。


「ふぅ、ようやく過ぎ去ったみたいね」

 先程まで怯えているのに強がっていたリナが、安堵した声で呟く。


「嵐のおかげか気温も下がったみたいですね」

 そんなリナを見てモモも安心した様子で話す。



「……もうちょっとで目的地」

 暑い砂漠でも相変わらずクールなクルミ。




 ザッ、ザッ


 今度は騒がずに静かに歩を進めるリナと僕達。


 小高い砂の丘の頂きに立つと目的地である東の塔と、その根元にあるオアシスが遠くに見える。


「見えて来ましたね」

 モモが遠くに見えるオアシスを見て安堵した声を上げる。


「大変だったけど……以外と近かったわね」

 大変な事になった原因はリナだよ……と言いたい所をぐっと抑えて僕は頷く。



 っていうか出発して半日も経っていない、これじゃ砂漠じゃ無くて、とある県にある有名な砂丘じゃん……と心の中で思っていると、


「砂漠自体はもっと広いのですが、塔は近い場所にありますからね」

 なんてモモが説明してくれる。



 すると、


 グゥ〜

「……」

 どこからともなく聞こえて来たのは、いつものお腹の音。

 うん、みんなもう分かっている。

 クルミだね。


 先程かじった氷程度ではお腹が膨れなかったのか、少しお腹に物を入れたから胃が動き出しちゃったのか。


 どちらにせよ可愛らしい。


「ふふっ」

「それじゃあ塔の側のオアシスに着いたら、お昼にしましょう」

 ピクニック気分になって来ているモモがそう言った。

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大きなミミズ(笑)!!
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