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ゲーム攻略が拷問と化す世界 〜目覚めたら昔作った中二病全開の自作ゲーム内だった〜  作者: チームつちのこ
五章 地下に潜む希望

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23話 カテドラル

 その扉を開くと広間になっており、下水道とは比べ物にならない位に明るい。

 広さは、結構広くて体育館位といった所だ。

 天井の一部がガラス張りなのか、光が差し込んでいる。


 僕が広間を確認しようと奥に目をやると同時に、


「父さま!母さま!」

 モモがそう叫んで広間の奥へと駆け出して行った。



 先程まで警戒していたリナは、駆け出して行ったモモを止めること無く警戒を解いている。


 広間の奥にはこじんまりした女神像があり、大きさは実際の人と同じ位の原寸大といった所だ。


 その女神像の側に人が数人立っている。

 モモはそこに駆け寄っていった。


 僕達もそれに次いで広間の奥へと進む。


「モモ、無事だったか」

 威厳のある喋りでモモの事を様呼びしないイケオジ。

 恐らくこの人がモモの父さま、つまり国王であろう。

 服装もモコモコの付いた赤いマントを羽織り、王冠を被ってまさにザ王様といった感じである。


「はい、父さまもご無事で」

 モモが嬉しそうに返す。



「リナもモモを護ってくれてありがとうね」

 国王の隣に居るこれまたザ王妃といった出で立ちの女性。

 

 こちらがモモの母さま、王妃ですね。


「いえ、これが私の責務です」

「勿体ないお言葉、有難う御座います」

 リナらしからぬ丁寧な言葉遣いに感心すると同時に僕はちょっぴりニヤつく。



「……なによ」

 僕のその反応を敏感に察知し軽く睨むリナ。



「……なんでもないよ〜」

 そんなリナの言葉を軽く流す僕。



「……師匠」

 クルミは国王でもなく王妃様でもないその場に居るもう一人の女性へと近づいて呟いた。



「うん、よくやったクルミ」

「頑張ったね」

 その女性はそう言ってクルミの頭を撫でた。


 ローブをまとった長身のオトナな女性。

「そちらが……勇者様ですかね」

 僕を見てそう呟く。



「ぁ、はい!」

「こちらが伝承にあった昏き太陽の勇者」

「永太様です!」

 モモが大喜びで僕をみんなに紹介する……のだが、

 中二病全開だった昔とは違い、大きくなった自分がこんな二つ名で紹介されるのは凄く恥ずかしい!

 なんだか晒し者の刑罰を受けているみたいなのだが、モモに悪意は無いので僕は苦笑いしながらそれを受け入れる。



「ぁ、はい」

「伝説の昏き太陽の勇者?の永太です……」

「よろしくお願いします」

 照れながら低姿勢で挨拶してしまう僕。



「ほう、思ったよりも……こう」

「受け、っぽいのね」

 その女性が僕の態度を見て謎の解説をする。



「おお、勇者殿」

「よくぞ来て下さいました」

 国の頂点である国王様が僕に対して敬語を使う。


 いや、昔の僕が入力した台詞なんだけれど面と向かって位の高い人に言われると緊張してしまう。

 だって僕、自分で言うのもなんだけれど権力に弱い小物の一般人ですからね!


「ぁ、いえ、お気になさらず」

 そうやって僕が低姿勢でいると、



「フッ」

 リナがこっちを見てニヤつく。



「こちらこそ、そんなに(かしこ)まらなくてもいいのですよ勇者殿」

 低姿勢な僕に国王はそう声をかける。


「王城を奪われ、この地下大聖堂(カテドラル)に逃げ隠れしている無力な王ですから私は」

 少し哀しげな顔になる国王。


 そう、僕が昔作ったゲーム【エイタークエスト】では王城を魔王城に変えられて、このミーカワの地下に隠れているという設定だ。

 勇者が来た時に、この国を救ってくれと頼む台詞ぐらいで特に重要な事は喋らない。

 当時は深く考えずに勇者に魔王退治を頼む王様というアイコン的な物として、置いただけのキャラとなっていた。

 ゲーム内の立ち位置を考えて見ると王城を奪われて、逃げ隠れしているだけのポンコツ王様みたいになっている。


 でも今目の前に居る国王を見ると、その威厳や風格、言動からはとてもポンコツ王様には見えない。



「そうです父さま、王城が何故魔王城に」

 モモがそう叫んで会話に参加してくる。



「そうだね、立ち話も何だろうから」

「あちらでその件について話そう」

 国王はそう言って広間の端にあるテーブルの置かれている場所を見る。



 国王がテーブルに向かって歩き出すと、僕達はそれについて行った。


 それは四角い長テーブルで椅子が沢山並べられている。

 まさに会議をして下さいと言わんばかりのテーブルである。


 ガタッ

 国王は長テーブルの端、まさに議長か社長が座りそうな位置に座る。


「皆も座ってくれ」

 そう言われるのを待っていた感じで僕達は次々と椅子に座る。



「まずは自己紹介からだな」

「私はこの国の国王ネクタリン十四世」

「そしてその妻、王妃のアンズだ」

 国王が自ら自己紹介し、隣に座った王妃が優しく微笑む。


 国王っぽい風格と威厳に僕はペコリと軽く会釈する。


 へぇ~、国王と王妃様ってそんな名前なんだ〜初め知った。

 っていうか、何故このゲームの製作者である僕が二人の名前を知らないかと言うと……

 昔の僕はそこまで設定を考えていなかったからだ!

 先程言った通りここでの王様は勇者に国の命運を託すだけの存在。

 RPGゲームのテンプレ展開なので当時の僕は何も考えていなかったのだ。


 それにしても国王と王妃様の名前……それに、

「ネクタリン……アンズ……モモ」

「薔薇科か!」

 ネクタリンもアンズもモモも薔薇科の果物である。

 合言葉の【のばら】も思いつきで設定し、薔薇って字がカッコイイ!位にしか思っていなかったのたが、なんか上手いこと補完されている!


「博識ですな、勇者殿は」

 国王は微笑み、僕を見つめる。


「だが王城の庭園に広がる薔薇園では無く、今の私達は野に咲く一介の薔薇でしかない」

「つまり【のばら】というわけなのだ」

 なんか上手いこと補完されてオシャレな理由が後付けされている。



「勇者様は聡明なんですね」

 先程クルミと会話していた女性が口を開く。

「私は魔導師団の副師団長、マカダミアです」 

「ミア、とお呼び下さい」


「姫様と騎士団長、うちの子についての紹介は済んでいる……といった感じですかね」

 そのミアさんが自己紹介を終えると、モモの方をチラ見して話す。



「ですね、一応簡潔に」

「私はモモ」


「騎士団長のリナよ」


「……魔導師団のクルミ、です」

 そう言い改めて僕に自己紹介してくれる三人。


 みんなの視線が僕を見つめる。

 次は僕の番かな……と、口を開く。

「ぇと、僕は……」

永太(えいた)


「僕は九里 永太(くり えいた)です」


 なんだか入学したての自己紹介イベントみたいで緊張する。

「勇者?らしいです」

 テヘッっとした顔をして緊張を誤魔化す僕。



「そうです!永太様は凄いんです!」

「あの暗黒四天王(ダークフォース)から私を助けてくれたのです」

「さらにその暗黒四天王(ダークフォース)を倒し、塔の光を取り戻してくれたのです。」

 モモがちょっぴり興奮して嬉しそうに説明してくれる。



「ぁあ、その話は報告を受け知っておる」

「勇者殿改めて礼を言う」

 国王がペコリと軽く頭を下げる。



「ぁ、いえ」

「僕は群がる羽虫を払っただけです」

「塔が光を取り戻したのはモモ……姫様の浄化と癒しの力です」

 偉い人に頭を下げられると緊張してしまう。

 そして、ちょっぴりカッコよく言いつつ謙遜する僕。




「……」

 カッコつけ過ぎじゃない?と心の中の声が鮮明に聞こえてきそうな顔で僕を睨むリナ。



「いえ、勇者である永太様は助けられてばかりですから」

「……そうです、王城の件」

「私が勇者様を探す為に西へ旅立った後、王城で何が起きたのですか?」

自分の話が出てきて、先程の疑問を国王である父さまに問いかけるモモ。



「そうだな、その件について話すとしよう」

 イケオジな国王がさらにイケオジになり、話し始める。

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― 新着の感想 ―
薔薇科の名前ステキですね❣❣
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