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ゲーム攻略が拷問と化す世界 〜目覚めたら昔作った中二病全開の自作ゲーム内だった〜  作者: チームつちのこ
四章 東に向かって

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19話 影技使い

 クルミがシャドウなのを僕が知っているとバレてしまった。

 とりあえず僕の事を永太と呼んでくれれば、モモやリナにバラすつもりは無いという話でまとめようとする僕。



「……なんかキモい」

 だがクルミにバッサリ切られる。が、


「まぁ、考えておく……」

 とクルミが呟き、一応まとまった気がする。



 そういえばクルミが時折シャドウで現れて説明する理由についてだけれど、このゲームを自作していた頃の昔の自分を頑張って思い出した結果わかった事がある。


 クルミがシャドウで説明していた理由、それは……


 

 特に無し!



 昔の僕はクルミを魔導師にした上で、影技使い(シャドウスキル)を使い陰で暗躍する陰の調律者シークレットナンバーズの一員と設定した事までは思い出した。


 たが!細かい理由や生い立ち、何故陰の調律者シークレットナンバーズの一員となったのかなど細かい経緯などは考えていない!


 なせなら、当時僕は小学生だったからね!

 難しい理由や動機など関係なくただカッコイイから、という理由だけで設定を詰め込んでいただけなのだ!


 どおりでクルミがシャドウで説明する理由を思い出せないわけだ。



 この森、昔作ったゲームでは勝手に道を作り変える自動生成ダンジョンなんて機能はなかった。

 ただ僕の脳内設定では迷いの森とあったので、それが補完され勝手に道が作り変えられるまさに迷いの森となっている。


 だがこの世界、昔の僕が設定していない事まで色々と補完されている。


 モモもリナも僕が入力した覚えの無い台詞を喋ったり、僕の知らない設定があったりする。


 カッコイイからとかミステリアスだからという理由で深いバックボーンもなくクルミをシャドウにした昔の僕。

 だが先程クルミと話をした感じ影技使い(シャドウスキル)を忌むべき力と感じていたり、陰の調律者シークレットナンバーズになった理由とかありそうだ。


 昔の僕がただの思いつきで考えた浅いキャラクターでもこの世界ではちゃんと産まれてから今までのバックボーンがあり、悩みや動機がちゃんとあるんだと僕は少しばかり感じた。


 一応クルミがモモとリナにシャドウの件を何故秘密にしているかは、メインストーリーの流れの中にあるので知っていたりする。



 なので僕はクルミに隠れてシャドウ説明している理由をそれとなく聞いてみる事にした。

「それで、なんでシャドウの姿でこっそりヒントとか言っているの?」



「……勇者の勘とかで全部わかるのではないのですか?」

 正体をバラさない約束をしたものの、不信感は拭えずクルミシャドウは警戒しながらシャドウ側が喋る。



「いゃ〜、なんとなくは分かっても人の心とかまで読める訳じゃないから〜」

 相変わらず苦しい言い訳で乗り切ろうとする僕。



「……あなたの責任でもありますよ」

 静かなクルミの代わりにシャドウが饒舌に話す。


「え、僕の?」

 確かにこのゲームは昔の僕が作ったのだから、全責任は僕にあると言っても過言ではないが……それは流石にクルミも知らない事のはず。



「そう」

「西の塔でゴブイチと戦った時の件」

 クルミシャドウが僕を見ながらシャドウ側が話す。



「西の塔のゴブイチ?」

 クルミシャドウから予想外の話が出てきて僕は聞き返す。



「あの時、リナがゴブイチに押されていてモモ姫様にも危険が及んでいた」

「シャドウの私が助けに入ろうとした所」

「貴方が出てきてアッサリゴブイチを倒しまい、それに気を取られていたら」

「シャドウの私を見られてしまった」

「その為、シャドウで説明する事になったのですよ」

 クルミシャドウのシャドウ側が説明をする。



「あれ、でもクルミは氷の魔法が使えるから」

「それでリナを助ければ良かったんじゃ?」

 僕は頭に浮かんだ疑問をついポロリと話してしまう。



「……私の初歩的な氷魔法じゃ補助は出来ても」

暗黒四天王(ダークフォース)は倒せない……」

「だから私も本気で戦う必要があった……のに」

 クルミ側がボソリと呟く。



「でもなんでシャドウで説明を?」

 イマイチ理解出来なかった僕は再びクルミシャドウに聞き返す。



「隠密特殊部隊として入手した情報をクルミ側自身が説明すると、情報の出どころを疑われて最悪クルミが隠密特殊部隊だと知られてしまう」


「だから隠密しか知り得ない情報は、見られてしまったシャドウの姿を利用してそれとなく教える方法を取る事にしたのですよ」

 クルミとシャドウが並んでシャドウ側がそう説明する。



「へぇ~」

 昔の僕はなんとなくカッコイイからシャドウに説明させていたけれど、この世界ではそんな風に補完されているんだと感心した。





「……だから」

「この事について話したら……」

 クルミがそこまで喋り。



「お喋りは早死にする、という事ですね」

 シャドウ側が、そう続ける。




「だ、大丈夫だからクルミ」

 僕は慌てて返答する。



「……」

 話の流れはなんとなく理解ものの相変わらず疑いの眼差しで僕を見るクルミシャドウ。



「それより凄いよね、影技使い(シャドウスキル)

「ヴァルハラの洞窟での道もその能力で案内したの?」

 ピリピリしたムードに耐えきれず、話題を変えようとする僕。




「影が濃い暗影や洞窟内であれば、影探知(シャドウサーチ)で周囲の情報を把握出来ますからね」

 少し自慢気にシャドウ側が話す。



「それなら……このシュミラクラの森も暗く陰っているから」

影探知(シャドウサーチ)でモモとリナの位置が判るんじゃ」

 僕はいい案を閃いた感を出してクルミシャドウに提案する。




「私も分断された当初はそのつもりでしたけれど……バレたら困るので貴方の前では使えなかったんですよ」

 クルミシャドウか冷たい目で僕を見つめる。



「なら、バレて良かったじゃん」

「僕ってグッジョブ」

 僕は場を和ませようと、ちょっぴりテンション高めに喜ぶ。



「……はぁ?」

 バレた事に不満げなクルミシャドウが二人して?僕を睨む。


「ぁ、ゴメン(汗」

 鋭い眼差しに僕は直ぐ様謝る。



「まぁでも仕方ありません、探ってみますか」

 シャドウ側がそう喋り、

「……影探知(シャドウサーチ)

 クルミが目を瞑り、呟く。



 するとシャドウはクルミの影に溶けたかと思うと、クルミを中心にその影が薄く広がってゆく。

 広がった影が周囲の森に溶け込んでいき、目を瞑ったクルミが周囲を探索している様だ。


「……いた」

 クルミがゆっくり目を開け、静かに呟く。


「ぉお」

 クルミの凄さを垣間見て僕は感動する。



「……あっち」

 モモとリナが居るとおぼしき方向を指差すクルミ。



「さすがクルミ」

 素直にクルミの凄さを褒める僕。



「……本当に怖がったり、気持ち悪がったり」

「しないんだ……」

 クルミの影の能力を見ても恐れない事を改めて感じるクルミ。



「ぇ、だって」

「影の能力使うクルミ、カッコ良かったし!」

 僕はクルミを純粋に褒め称える。



「……そう」

 ちょっと嬉しかったのか、プイと顔を背け照れ隠しするクルミ。




「……じゃあ、行く」

 クルミは僕にそう言った。



「うん」

 さり気なく照れ隠ししていた事にニヤけつつ、僕はその嬉しさがバレない様に返事した。



「……なんかキモい」

 クルミがボソリと呟き、なんか思いっ切りバレてますね!僕。




 こうして僕とクルミはモモとリナに合流する為、森の奥へと進んで行った。

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― 新着の感想 ―
凄い!!色んな影技(シャドウスキル)があるんですね!! クルミシャドウ樣カッコイイ(๑•̀ㅂ•́)و✧
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