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ゲーム攻略が拷問と化す世界 〜目覚めたら昔作った中二病全開の自作ゲーム内だった〜  作者: チームつちのこ
四章 東に向かって

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17話 トレント

 僕達は橋に絡まったツタをどうにかする為、その元凶である魔物が居るというシュミラクラの森へと向かった。


 その森は村の北にあるという事で、村から暫く歩くと鬱蒼とした森が姿を現す。


「ここがシュミラクラの森ね」

 リナが薄暗い森の奥を見て呟く。


「橋で見た様なツタがあちこちにありますね」

 モモが森の奥を見てそう言う。

 そのツタは森のあちこちに伸びていて僕達の行く手を阻んでいるかの様だ。


「奥に……居る」

 クルミはクールにそう告げる。



 シュミラクラの森、いわゆるシュミラクラ現象から取ったネーミングである。

 シュミラクラ現象とは丸が丁度いいバランスで三つ並んでいると顔に見えてしまう、という現象の事だ。

 壁の汚れや木の幹などが顔に見えて怖い!そんな森のつもりで昔の僕は作ったのであろう。

 当然シュミラクラという単語を使いたかっただけなのだが。


 シュミラクラ、シュミラクラ言い過ぎでゲシュタルト崩壊しかかっている僕。




「さぁ、行くわよ!気を引き締めなさい」

 リナが王国騎士団長っぽく先陣を切って進み始める。



 ガサガサ


 バサッ



 森の中は人が悠々と通れる程の道があるが、時折ツタや枝が通行の邪魔になる為にリナは手に持った剣でツタや枝を払う。


 橋の時のツタよりも細く、反撃などはしてこない様だ。

 だが道以外の所は草木が鬱蒼と茂っている為に、道を外れて進むのは難しそうだ。

 その為、僕達は森の中の道を進んで行く。

 時折分かれ道等はあるが、


「よし!こっちに行くわよ!」

 などとリナの根拠の無い自信によってどんどん突き進む。


 森型のダンジョンという位置づけなので昔作った自分の記憶を掘り起こすが、昔のゲーム特有の平面状態の記憶と実際の森の状態との違があって僕も余り道がよく分かっていない。


 さらに言うならば時折森の霧が濃くなったかと思うと橋に絡まっていた様な太いツルが現れ、道を塞いだり新しく道が現れたりと変化式森ダンジョンとなっているのだ。


 昔の僕が作ったゲームにはそんな機能は無いのだが、迷いの森的な設定はあった気がするのでその影響かもしれない。


 なのでもう既に帰り道とかがさっぱり分からなくなっているのだが、


「大丈夫よ、この森の魔物を倒しちゃえば何とかなるわ!」

 リナの謎の自信により猪突猛進で突き進む。

 モモもクルミもリナのこういう行動に慣れているのか、特に反論もなく信頼してついて行っている様だ。



 ガサガサ


 バサッ



 迷っているのか進んでいるのか分からないまま進んでいると、唸り声の様な音が聞こえる。

「ォォォォオオ」



「なにか、来る?」

 リナが危険を察知しモモを守る様に剣を構える。




「ォォォォォォォォオオ」


 ガサガサ、バサッ。

 森の中から唸り声を放ちながら現れたのは、木のモンスター【トレント】。


 僕達の前と後ろに数匹ずつ、道を塞ぐ様に現れた。

 木の幹が顔の様に見えるまさにシュミラクラモンスター!


 大きさは2メートル程と木にしては小さめ。

 根っこを足にして器用に動き、枝が手の様に動いて僕達の方に向かってくる。


 動き自体はそんなに速くない、リナは直ぐ様トレントに斬りかかる。

 「てぇぇぇぇえぃ!」

 

 バサッ!

 バサバサッ!


 道中でツタやら枝やらを払っていたからか、リナは綺麗にトレントの枝手を切り裂く。


凍刃(アイスブレード)

 クルミが素早く詠唱し、トレントに氷の刃を飛ばすと、


バサバサッ!


 氷の刃がトレントを斬り裂いてゆく。


 僕もモモを護りながらトレントに応戦する。


 程なくして襲いかかって来たトレントは退治され、薪みたいにバラバラになった。


「森の魔物ってたいした事無いわね!」

 アッサリ倒してご機嫌でドヤ顔するリナ。


「……でも森の様子は暗いというか、変わってませんね」

 周囲を見渡し、未だ迷いの森となっているシュミラクラの森を見つめるモモ。



「この木はただの小枝、まだ大元の魔物が居る……と思う」

 僕は地面に転がるトレントの小枝を見つめながらそう言った。



「何が出ようと私が退治してあげるわ!」

「さぁ先に進むわよ!」

 リナが意気揚々と歩を進め、歩き始めるとモモもそれについて行く。



 ふと後ろを振り向くとクルミが森の様子と倒されたトレントの枝を見つめていた。


「……行くよ、クルミ」

 僕がクルミの側に近寄ったその時、



 ゴゴゴゴゴゴ!

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!


 森の霧が濃くなったかと思うと橋に絡まっていた様な太いツルが現れる。

 先に進んでいたリナ、モモと僕達との間にツルが伸びてきて分断される。


「永太様!クルミ!」

 モモが叫ぶものの大量ツタが道を塞ぎ、霧が濃くなると同時にモモの声も聞こえなくなる。

 恐らく単純に道が塞がったのではなく、違う場所へと強制的に変えられてしまったのだろう。

 まさに迷いの森というだけの事はある。





「……ふぅ」

 僕は幸いクルミの側にいた為、個別の分断は避けられた様だ。


「二人……きりになっちゃったね」

 フレンドリーさを装いながら僕がそう言うと、クルミは何時にも増してジト目で僕を見てくる。


「……」

 クルミはこちらをチラ見した後、数歩僕から離れる。


「ぐふっ」

 完全に避けられているその行動に僕は謎ダメージを受け……るが、なんとか堪える。



「いや〜、これ以上分断されると色々と大変だし」

「あんまり離れない方がいいかも」

 離れずになるべく近くに居た方がいいかな、と素直に思ってクルミに話す。


「……」

 クルミは黙ったまま僕を見つめ、警戒している様だ。




 モモとリナ、僕とクルミが分断されてしまったので合流したい所だが……、いかんせん此処は迷いのシュミラクラの森。

 

「どうしたもんか……」

 僕はリナ程猪突猛進型では無いので、ちゃんと今後の行動について考える。

 とは言え昔の僕が作ったマップの記憶と、今いる変化型迷いの森と化しているシュミラクラの森が違いすぎてちんぷんかんぷんだ。



 そういえばクルミがシャドウで現れた時、森の事を話していた事を思い出す。


「クルミはこの森の事知っていたみたいだけれど」

「何かいい方法とかありそう?」

 クルミとコミニュケーションを取りつつこの空気を打開し、対応策を考えたいと思って話を振ってみる。



「……別にそんな、知ってない」

 クルミはクールに対応する。



「そっか、橋のツタの事で森が関係しているって教えてくれたし」

「何か知っているのかなと〜」

 僕はクルミにふとそんな事を言う。

 


「……知らない」

 クルミがそのジト目でこちらを睨む。



「ぁ、ゴメン」

「教えてくれた時はシャドウだったか」

 饒舌になっていた僕は、ついクルミとシャドウの件について口を滑らしてしまった。



「!?」

 クルミのジト目が見開かれ開眼ジト目でこちらを見る。



「浜尻の町で最初に会った時も、言っていた……」

「聞き間違えかと思って追及しなかったけれど」

「どこまで……知ってる?」

 確かに最初会った時も少しだけ口を滑らせた気がする。

 よく覚えているなと感心しつつ、だからクルミはずっと僕を警戒モードで見ていたのか〜と思った。



 いつにもなく饒舌なクルミは警戒心バリバリモードで僕を見ている。



「ぁ、クルミがシャドウだなんて知らないし、気付いていないよ〜(汗」

 確かクルミのシャドウバレはもうちょっと先だった筈なので、僕としてもメインシナリオが変な方向に進まないようにナイショにいておきたい。


 

「それ、知ってるって言っているのと同じ……」

 クルミか何時にも増してクールな目で僕を見る。

 これは僕がシャドウの正体を知っている事が完全にバレた感じだ。


「ぁ、うん、知ってるけれど知らない!」

 自分でも何言っているかワケワカメになっている。


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― 新着の感想 ―
開眼ジト目♡(ㅎ ㅎ)♡ 凄くクールな表現だなと思いました❣❣
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