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ゲーム攻略が拷問と化す世界 〜目覚めたら昔作った中二病全開の自作ゲーム内だった〜  作者: チームつちのこ
三章 海を渡る

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14話 紫勝丸

 南の塔に居た暗黒四天王(ダークフォース)の智将ゴブニーを倒したリナ。


 闇に覆われていていた南の塔のクリスタルをモモが浄化し、その輝きが塔のあった離れ小島や二ヴァーンの町を再び照らしてゆく。



「良かった……これでまた一つ結界の光を取り戻しましたね、永太様」

 僕に向かって微笑むモモ。


「そうだね、モモ」

 僕もつられて微笑み返す。



「……」

「ちょっと〜」

「ゴブニーを倒したのは私なんですけど〜」

 リナが怒りつつもゴブニーを倒した事でちょっぴり機嫌が直って、優しいツッコミをしてくる。


「ぁあ、そうだねありがとうリナ」

 僕は素直にリナを称える。



「ま、まぁこれ位大した事無いわよ!」

 照れながら返事をするリナ、ちょっぴり可愛らしい。



「さすがです〜リナ」

 モモもリナを微笑みながら褒める。



「モモも浄化の力、さすがね」

 リナもモモを褒めてて仲良しだ。



 あとは……クルミだが、と僕は広間の隅にある柱の方を見る。



「……」

「ゴブニーまで倒すとはさすがですね」

 

 パチパチと軽く拍手しながら現れたのは……



「シャドウ!」

 黒いマントに黒いフードを被り、目を覆う黒い仮面をした謎の人物のシャドウだった。




「またあんたね!」

「何しに来たの」

 リナが再び剣を構えてシャドウと対峙する。



「ぉ〜、怖い怖い」

「私は忠告に来たんですよ」

 シャドウが凄くカッコつけながら話す。



「……忠告」

「一体何を?」

 リナが警戒心バリバリでシャドウに叫ぶ。



暗黒四天王(ダークフォース)は一人じゃない……」

「気をつける事ですね」

 シャドウはそう言い残し黒いマントをひるがえすと同時に姿を消した。



「……」

「なんだったんでしょう」

 モモが心配そうな顔をしながら呟く。



「……」

 僕はそんなモモとリナの方では無く、シャドウが居た柱とは別の柱の陰を見つめていた。



 ゴソゴソ


 バタバタ


「……ふぅ」

 その柱の陰からクルミが姿を現す。

 モモとリナはシャドウの居た方の柱を見つめていて気付いていない様だ。



「……不思議」

 クルミが棒読みで会話に参加してくる。


「……」

 僕に見られていたような気がしたのかクルミがこっちをチラ見する。



「〜♪」

 そんなクルミに気付かれない様に、僕は知りませんよ〜的な顔で話を続ける。

「なんだったんだろうね〜」



「まぁ、いいわ!」

「気にしても仕方ないし!」

 リナがサバサバした性格なので、バッサリと切り捨てる。



「そうだね」

 僕も一緒に同意してみんなを安心させる。


 正直あのシャドウの会話はあんまり重要では無かった気がする。

 暗黒四天王(ダークフォース)は一人じゃ無い、って……四天王だからねえ。

 陰からシャドウに当たり前な事をさも意味ありげに言わせたい、そんな為だけに昔の僕が設定した様な記憶があるので余り会話の内容を深く考えない事にした。

 まぁ、この世界でクルミがシャドウをしている理由までは思い出せていないんだけどね。



「さぁ、戻ろうか」

 僕はみんなにそう言って切り出すと。



「なんで見習いが仕切っているのよ!」

「さぁ、戻るわよみんな!」

 リナが改めて仕切り直す。



「はい」

 モモが返事する。


「うん」

 クルミもクールに返事する。


「わかった」

 正直リナを怒らすと怖い……とタライの件で認識したので、僕も素直に返事する。



 塔の外に出ると覆われてた黒い霧は晴れていて、青空が広がっていた。



「ぉお、あんたら凄えな」

「これでこのゔみも安心して漁が出来るぜ」

 船着場に着くと送ってくれた漁師さんが待っていてくれた。


「まぁこれ位たいしたこと……あるわよ」

 リナが素直にドヤ顔している。


「ふふっ」

 モモも嬉しそうでなによりである。



「あんたらが戻ってくるまでに漁をして」

「大漁だったからな、この魚で海鮮祝勝会といこうじゃないか」

 おお、お預けだった名産の海鮮を頂けるんですね。



「じゅる……美味しそう」

 クルミもヨダレを拭いながら目を輝かせている。


「よし、じゃあ紫勝丸ヴァイオレットヴィクトリーシップ!凱旋よ!」


 ザヴゥアァァァァン


 リナが元気良く右手を空に向かって突き出し出航し、僕達は二ヴァーンの町へと戻った。





 二ヴァーンの町の港に到着し、色々と報告やら準備やらしている内に日が暮れて来る。



「あんたらのおかげだ」

「腹いっぱい喰ってくれ」

 漁師さんが獲ってきてくれた海鮮が調理され、宿屋に併設された酒場兼食堂に並べられる。



 見事な刺身の船盛り。


 香ばしく焼かれた焼き魚。


 カラッと揚げられた魚やエビ、海鮮のフライ。


 食欲をそそる香りの煮付けに、豪快な漁師汁。



 これが名産の海鮮料理の数々。


「カンパ〜ぃ」

 漁師町の活きのいい人たちも沢山集まって祝勝会が始まった。




「さぁ、頂くわよ〜」

 リナもいっぱい怒ってお腹が空いていたのか、モリモリ食べる。


「美味しいです〜」

 モモはお姫様らしく上品に美味しそうに料理を食べる。



「うん、美味しい」

「トロける様な舌触りと、口の中に広がる旨味」

「まるで海の宝石を散りばめたような美味しさが」

「鼻を抜ける爽やかな潮の香りとともに……」

「うん!美味しい!」

 クルミが珍しく饒舌に喋る。



「じゃあ……僕も」

 そう言ってパクりと最初に食べたのは刺身。


「うん、美味しい」

「醤油にワサビもこの世界にちゃんとあるんだ」

 異世界っぽくても何気に揃っているのが嬉しい。


「うん、この焼き魚もフライも」

「このタレ?ノンオイル的なドレッシングも」

「凄く美味しい!」

 こうして僕達は美味しいご飯を頂き、二ヴァーンの町に活気が戻って来た。





 チュンチュン


 翌朝僕達は再び町長の館の前に居た。


「もう少しゆっくりしていらっしゃってもよいのに」

 町長が僕達に向かってそう言うも、


「いぇ、お気持ちは嬉しいのですが」

「まだ、闇に覆われていて困っている人達がいます」

「その人達を……この国を」

「必ず救ってみせます」

 モモがカッコイイ台詞と表情で話す。



「そうね、まだまだこれからよ」

 リナもキメ顔でそう言う。



「だね」

 クルミもクールに話す。



「僕達の戦いはこれからだ!」

 僕はガッツポーズで空に向かって叫ぶ……






 のを自動強制イベントで言わされる。


「打ち切りかよっ!」

 一人で昔の自分が入れた台詞にツッコミを入れる。



「あんた、一人でなにやっているの?」

 リナがいつものように冷たくツッコむ。



「さぁ、行くわよ」

 リナにそう言われて僕達は次の町へと向かう。


 よかった、打ち切りじゃ無くて……と自分で作ったゲームのイベントなのに胸を撫で下ろす。

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― 新着の感想 ―
暗黒四天王(ダークフォース)は一人じゃない(笑) 確かになと思いましたwwwwwwwwwwww❣❣❣❣
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