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11 予言局

3日後。

「魔導国で特に侵入が困難なのは三か所」

部隊室に投影された建物を示しながら、レイナが説明する。

「王都のレザリア城、聖地ミドネス、そして――予言局本部」

「最低でも最上位騎士が二人常駐。警備は完璧よ。あんたの日陰者も、魔力隠蔽も通じない」

「なにより一番の問題は、建物そのものね」

「建物?」

「千五百年前の天才、グラジウス。そいつが作った巨大魔道具よ」

「……建物全部が?」

「あらゆる部屋と廊下が入れ替わり、構造を変化させ続ける。Sランクの能力者でも、単独侵入はほぼ不可能」

「でも、プランはあるんだろ」

俺がクラウスを見る。

「ああ。プランは、な」

彼は観念したように答えた。

「局内には十数名の予言能力者が常駐している。使用人や料理人を含めれば、内部の人間は五十人ほどだ」

「一週間後、設備点検が行われる。そのタイミングで侵入する」

「部屋が入れ替わるとはいえ、完全にランダムじゃない」

レイナが補足する。

「構造は三層に分かれてる。第一層、共同エリア。ここまでは比較的簡単。第二層、居住エリア。そして、第三層統括エリア。過去の予言記録と、建物の管理が行われている場所よ。今回の目的地はここ」


「各層を移動するには鍵が必要」

「鍵って、盗めばいいのか?」

「それができれば楽なんだけどね」

レイナは肩をすくめる。

「魔力認証よ。登録された魔力を持つ者しか通れない」

「そこで、これを使う」

クラウスが取り出したのは、瓶の蓋ほどの大きさの透明な魔道具だった。

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