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願い

作者: 十三岡繁

「やりたいようにやればいいし、なりたいものになればいいのよ。もし願っても叶わないっていうなら、それは自分が本当に心から願ったやりたいことで、なりたいものだったのかを考えてみたらいいわ」


「そんな事言ったって、例えば俺が今100mを10秒切って走りたいと願っても叶わないだろう?」


「それは本当に10秒切って100mを走りたいと、心から願っていないからでしょう? 君はそんなに早く走りたいの?」


「……そんな事言っても、何をしたいのかどうなりたいのかなんて自分じゃよく分からないよ」


「そんな事無いわ。今の状態こそが君が強く願った結果なんだから」


「金も地位も名誉も何もない、このごくありふれた普通の人生が俺が願ったものなのか?」


「金と地位と名誉は君が本当に欲しいと願ったものではなかったんでしょう? でなければ願いは叶っているはずだから」


「彼女もいないし、この歳で未だに独身だよ。これも俺が願った結果だっていうのかい?」


「ああ、それは違うかも……多分それは私が心から願っていた結果でしょうね。随分と待たせちゃってごめんなさい」

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