鉄道建設
ワトソン「基本的なものは出来上がってきましたね。そうだ、次は交通を整備しましょう。
道路よりも、より多くの人や物を運ぶといえば、そうです。鉄道です。
栄一さんは、鉄道に関しては、どの程度ご存知なのでしょう?」
何を言っている、私は日本鉄道会社の創設に関わったのだ、この日本鉄道会社から、後世の日本の主要路線の多くが派生しているのだよ、と、喉元まで言葉が出かかったが、ここはひとまず、グッとこらえることとした。
エマ「鉄道は世代や性別を問わず、みんなが憧れる乗り物です。
『撮り鉄』などといった、鉄道オタクの人たちもいるくらいですから。
でも、私たちの世界では長らく、鉄道というものは、走らせるのが難しかったんですよ。」
ワトソン「まだ、大魔王が倒されてから、1年か、2年か、そこいらですからね。
再び鉄道を普及させるには、まだまだ時間がかかると思われます。」
大魔王が倒されてから、数年って、とっくに大魔王は倒されて、平和になったその後の世界ということなのか?
町が大きくなって、活気が出てくると、大魔王や、魔物たちが攻撃してくる、そんな時期が、長らく続いたという話だ。
しかし今や、大魔王は倒された後だという。
私は、できれば人間も、妖精も、魔物でさえ、この町の住人、わが社の社員として、受け入れたいと考えているのだが、そんなに簡単にはいかないことは、わかっている。
しかし、いつの日か、共存共栄ができる日を、待ち望むとしよう。
そして、鉄道会社の名前も決まった。
『異世界鉄道株式会社』と名付けた。
そして、路線の名前はというと、『島鉄一号線』という名称に決まった。
まずは、『島鉄一号線』を、文字通り軌道に乗せていきたいところだ。