栄一、西洋中世の文化と、剣と魔法のファンタジー世界について知る!
その夜は、『切手のないおくりもの』などの歌を歌いながら、みんなと過ごした。
「しかし、全く知り合いもいないし、周りは赤の他人ばかりでは、心もとない。」
まずは、ワトソンに話を聞く。
「この世界は、いわゆる西洋中世風の、剣と魔法のファンタジー世界というところですよ。」
西洋中世風か、私の若い頃は、幕末といって、西洋の近代の進んだ制度や軍事力、文化などを取り入れていくか否かという、そういう時代だったが、
その西洋の中世の時代ともなると、ポルトガルから鉄砲が伝来するよりもさらに前、それこそ日本は室町、鎌倉、平安、奈良といった時代の頃。
ビザンチン帝国がまだあった頃、と推察される。
しかし、それらのものは全て『歴史』であり、『ファンタジー』ではない。
ワトソン「ファンタジーといえば、やはり、伝説の勇者の、伝説の剣と、伝説の鎧でしょう。」
ワトソン君を驚かせるつもりはなかったのだが、そっちが剣なら、こちらは、このような武器を使っているんだぞ、というところを見せたいと、つい思ってしまい、見せたのは、拳銃だった。
ワトソン「うわっ!それって、我々の世界では失われた文明の武器、鉄砲、それも短銃ではありませんか。」
このような話をしながら、しばらくは盛り上がっていた。
本当に、誰かこっちの世界に呼びたいな、と考えていた矢先に、見覚えある顔が、こっちの世界に、やってきていた。
我が最愛の妻、渋沢千代だ。それから、私の従兄にあたる渋沢喜作、その妻、渋沢よし、この3人が、開拓に参加してくれることになった。
千代「栄一さん!栄一さん!私も協力いたします!」
喜作「栄一!俺もこのプロジェクトに参加させてもらうことにした。
大いに役に立ってやるぞ。」
よし「私も微力ながら、手助けをしたいと思います。よろしくお願いいたします。」
これは、心強い援軍が来た。
我々が来ようが来るまいが、木々はざわめき、星たちは輝く。