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ワンモアプロポーズ!?

時系列としては、本編最終話のその後ですわよ!



「ふふっ、まぁまぁ。オケアノスも悪気があった訳じゃないのですから、許してあげてください」



 マグノリアにて、仕事終わりのフレイヤさんとお茶会をしていると、昨日のオケアノスによる地獄の人生ゲームの話になった。



「あれは本当に酷かった。幸せな俺に絶望を見せてきやがったからな」


「いや〜、許してちょんまげ!」


「ぶちのめすぞテメェ!! アァン!?」


「父様、落ち着いてください。モフらせませんよ?」


「うん、落ち着いた」



 嫌なことはリルの耳に顔を埋めて忘れよう。モフモフは正義だ。誰が何を言おうと、モフモフの力は最強なのだ。


 そんな事を思っていると、植物園の方から緑色の小人がちょこちょこと歩いてきた。



「あら『ルナ様へプレゼント』だそうですよ?」


「俺に?......おぉ」



 ぴょんぴょんと足元で跳ねる小人にタッチしてあげると、俺の前にウィンドウが現れ、小人は満足そうに帰って行った。



◇━━━━━━━━━━━━━━━━◇

『100本の薔薇を咲かす種』Rare:10

◇━━━━━━━━━━━━━━━━◇



「ソルさんにプロポーズ......したんですよね?」


「何で知ってるんですかねぇ? ねぇ、リルさんよぉ」


「......し、シリマセン」


「勝手に人のプライベートを話すな。お前の耳がもげるまで撫で回すぞ?」


「まぁまぁ、取り敢えずその種を育ててあげください。ソルさんに渡せば、きっと喜んでくれますよ?」


「はぁ......そうだな。ありがとう」



 俺は貰った種を大切にインベントリへ保管すると、リルの耳をコネコネしてお仕置をしてやった。


 全く、『プロポーズはどんな言葉で?』とか聞かれたら恥ずかしいんだから。次からは辞めてくれよ?



「じゃあそろそろ帰りますかね。オケアノス、次にあのゲームやらせようとしたら全力でキレるからな」


「あはは、もうしないって! 次はハッピーエンドの人生ゲームにしよっ!」


「極端なシナリオだな。それじゃ、またな」


「楽しかったです!」



 俺はリルを膝から降ろして立ち上がると、2人に挨拶をした。



(わたくし)も楽しかったです。是非、また来てください」


「今度はソルちゃんも連れて、ね!」


「はいよ。目の前でイチャついたるわ」


「「うっ......」」


「大ダメージですね、父様」


「あれが上級神だ。よく見ておけ、リル」



 最後に、お礼としてセレナが品種改良したモスベリーの紅茶の茶葉を机に置き、俺達は転移の魔法で下界に帰ってきた。




◇◇




「おっ、おっ、おっかえり〜!」



 家に帰ると、ダボッとした服を着たソルが抱きついてきた。



「ただいまソル。どうしたんだ?」


「幸せの水分補給」


「普段と変わらないだろうに......可愛いな」



 俺もちょうどソルニウムが足りなかったので補給していると、隙を見たリルが、トコトコとリビングの方へと行ってしまった。



「隙ありッ!」


「んむっ......」



 そんなリルを目で追っていた隙を突き、ソルは俺の唇を奪った。それも、結構激しく。


 完全に口の中がソル一色に染まると、蕩けた顔で再度抱きついてきた。



「大好き」


「俺もだよ。愛してる」


「んふ〜」



 可愛い狐耳をグリグリと押し付けてくるソルを、俺はギュ〜っと抱きしめ、お姫様抱っこをして外に出た。



「ど、どこに行くの〜!?」


「どこにも。ただ、こうしたかっただけ」



 結構ユルい服を着ているソルは、あと数センチズレたら健全な男子が死ぬような状況なので、ここでソルを連れ出すことはしない。


 そもそも独り占めしたいし。



「そうだ。セレナの所に行って場所を借りないと」


「何をするの?」


「秘密。また今度のお楽しみだ」


「え〜? 気〜に〜な〜る〜!」


「こ〜ら、暴れるな。見えるぞ?」


「見せてあげよっか?」


「そもそも存在しないけどな。ゲームだし」


「よし、ログアウトして見せたげる」


「やめなさい」



 コツん、とソルの頭に軽く頭突きをしてから、俺はソルを家に戻し、セレナの管理する農場......いや、大農園へとやって来た。


 色とりどりの果実と野菜が実るこの地を1人で管理するセレナには頭が上がらない。



「お〜い、セレナ〜!」


「あら、どうしたの? 寂しくなっちゃったの?」


「誰がじゃ。それよりこれ、植えたいんだけど場所くれない?」


「100本の薔薇......いいわよ。なるべく私達にも見えずらい、魔力の豊富な位置に植えましょう」


「配慮助かる。ありがとう」


「いいのよ。ルナの緊張する姿が見れそうなんだもの」



 クスクスと笑うセレナに着いて行くと、果樹園エリアの奥の方へと案内された。


 そこは海の見える位置にある農地で、どこか他とは違う、神聖な空気を感じる場所だった。



「ここは多分、島が最初に出来た場所。だから長い年月......多分、1万年くらい? まぁ、私からしたら短いけど。それぐらいの時間をかけて出来た魔力の豊富な場所よ」


「凄いな。逆に、こんな所に植えてもいいのか?」


「いいのよ。ここの主はルナ。それに、その薔薇を植えるなら最高の土地じゃないと」


「分かった。なら、有難く植えさせてもらう」



 俺は既に耕された土にスコップで穴を掘り、小人から貰った『100本の薔薇を咲かす種』を植えた。



「えぇ。ちゃんと水と血をあげなさいよ?」


「何で血を?」


「その方がルナの求める薔薇に咲きやすいわ。早咲きも色も、ルナの意思次第だから」


「そういうことなら、まぁ。『アクアスフィア』」



 俺は極小サイズのアクアスフィアを2〜300個ほど作り、それを地面にばら蒔いた。そしてそれを数回繰り返すと、きちんと土が湿ってくれた。



「うんうん、それでいいわ。あとは血ね」


「ほいよ」



 インベントリに眠っている愛剣を取り出し、俺は左腕を切って血のポリゴンを垂らした。


 すると種のあった場所が小さく光り、発芽した。



「は、早っ!!!」


「早いわね。どれだけ我慢できないのかしら」


「いやいやいや! 俺は1週間はかけるつもりだったんだが!?」


「そうなの? でもこれじゃあ......3日かしら」


「早すぎんだろうが......はぁ。仕方ない」


「ちゃんと服の用意もしなさいよ? 心配なら見てあげるから」


「あぁ。そこら辺はしっかりするよ。ありがとう」



 何だかんだで俺の面倒を見てくれるセレナにお礼を言い、俺は家に帰った。


 道中、ヒカリやラース君と遊んだので、少し遅い帰りとなってしまった。



「ただいま〜」


「おかえり〜。遅かったね?」


「ちょっと遊んでた。これから落ちる?」


「うん。もう晩ご飯の時間だし」


「了解了解。俺も手伝う」


「フッ、貴様の腕を楽しみにしておこう」


「何キャラだよ。全く......んじゃ」



 流れるように着替えを済ませた俺は、寝室のベッドでログアウトした。


 明日の朝には、薔薇が咲いている事だろう。

本編には無いR15なので、少しだけディープにしてやりました。はい。それぐらしか書けませんでした。はい。


次回は続きです。裏話た〜のし〜!

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