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Dual Chronicle Online Another Side ~異世界剣客の物語帳~  作者: 狐花にとら
0-3幕 龍の試練開幕、そして決戦へ
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61.一足早いお疲れ様会

リアルパート、お疲れ様会前半戦。

「はーいっ、あ、深冬と千夏ちゃん」

「朝から連絡を貰っていましたからね、来ましたよ」

「ちょっと妙に気合入っちゃったからね! もうみんな奥にいるよ」


 九鬼家の玄関前。呼出しを押せば出てきたのは春菜でした。

 となるとまだ朱音は配信中でしょうか? その方がいいと言えばいいのですけれどね。

 玄関で靴を脱いで、春菜の手によって綺麗にされた廊下を通ってリビングへと向かいます。


「まだ朱音は配信中、でしょう?」

「ううん、今は《ローカルプラクティス》してる。もうちょっとしたらご飯だから呼びに行く」

「ならお手伝い……って、そこまででもないよね」

「もう終わってるからね」

「相変わらず早いよね、春姉……」


 リビングへと入れば、だらりとした格好で秋華がスマートフォンを弄っていました。多分ゲームだとは思うのですが。

 橙乃は料理の様子を見て……秋華が先につまみ食いしようとするのを阻止していますね。フライドチキンへと伸ばした手をはたかれてます。


「橙乃、秋華もお疲れ様」

「ふふー、二人もお疲れ様よお、あたた」

「すぐにつまみ食いしようとする……うん、お疲れ様」

「これであとは主賓を待つだけね」

「まだかかりそうだけどねぇ、配信自体は終わってるけど」


 特に進化をしたあとですから、ステータスが大幅に変化するのはすでに経験済み。几帳面な朱音のことですから、感覚合わせをしているのでしょう。

 私達は時間が無かったのもあって道中で無理矢理慣らしましたけれど……サーバーが閉じたら私達もしておかないといけませんね。

 それでも六人揃うのは久々。金曜日にお手伝いに来た時は橙乃は朱音の代理をしていて、昼食の場にはいませんでしたからね。


「ステータス、そんなに大きく変わったんですか?」

「あれ、珍しい。ストーリー大好きな深冬が進化後のお披露目見てなかったんだ」

「あはは、その時ちょうど紗那さんと夜霧さんとでお話してたんですよ。あとで見返しはするつもりですが」

「結構変わったみたい。特性も変化してるし、武器も特性が変わってる」

「へえ……それは楽しみだね」

「打ち合いをするのも楽しみですね。ゲームを始める前は七分三分ぐらいの勝率でしたから」

「わお。現在の最強候補の決闘が見れるのは楽しみねえ? 楽しみよお?」


 掲示板でもトッププレイヤー最強議論なんてものがちょくちょく行われていて、そのツートップによく上がるのが私とルヴィアなんですよね。

 次点にジュリアが来るのは多分ソロでのボスをやったかどうかなのでしょう。そう考えると評価が分かれるのは納得でもあるのですが。

 ジュリアも負けず劣らず、ボスと一騎打ちできそうなくらいの強さはあるのですけれどね。実際、第1レイド参戦組からは名前が挙がったそうですし。

 ……そういえば、どんな戦い方をしたのか聞いていませんでしたね。千歳姫戦の事も含めて、落ち着いたら聞いてみましょうか。


「なにそれ私も見たい!」

「ずっと別パーティだったから深冬と千夏が戦うところ、見てない……」

「それならあとで朱音とタイマンやりますか。時間があれば、ですけれど」

「ちなみにお姉ちゃん、勝算は?」

「動き次第ですかね、数分も打ち合えば動きくらいは見えてきますし」

「戦闘に関してはホント天才よねぇ、深冬。さて浸食からネレイアっと」

「ぎゃあ守護ころし。でもリモニウムあるもんね!」

「そういえばもう正式リリースされてましたっけ、あとで引いておかないと……それはさておいて」


 時間を見れば午後五時を回りそうな頃合い。朱音を呼びに行く予定の春菜は……シャドバしてますね。

 橙乃もつまみ食いに手を出すイタズラ好きの秋華がゲームに回ったのもあって、のんびりとしていますか。


 正直なところ、以前の動きから幾分か精度は高まったとはいえそれ止まり。配信がこちらから見れられる以上手の内はあれ以上ありませんからね。

 ステータスが変化したので、その分を打ち合いで調節すればパリィに対しても対応できるでしょう。

 もっとも、こちらは若干卑怯ながら八卦の内容やカウンターの細かい精度は見せていませんから……まあ、私も今SNSで世界中を駆け巡ってる例の唄はコメントで追い打ちを掛けて見ていないのですけど。

 見れていない他の精霊としてのスキルがあれば、それが伏されているのでまあ、イーブンでしょう。多分。


「はぁい、マナからマナにワルツでおーしまい」

「なんでビショップより回復してるのぉ……!」

「あ、私も新規カード確認しておこ……」

「春菜、そろそろ朱音を呼んできて。そしたら相手してあげるから」

「あ、うん。そうだった、いってくるっ!」

「べったりいる分、配信に声が入っても特に驚かれなくなったよねー。あ、プレシオ引いた!」

「幼馴染メンバーでやった時に、さり気なく言ってましたしね」


 たった一週間前だった御触書参の洞窟に光る癒しの聖石攻略。あの配信の際にこちらの内情をちらほらと零しちゃったんですよね。

 その中で持ち回りでここ、朱音の家の掃除や身の回りのお手伝いをしていることを零しちゃった事が。

 最近は春菜が好き好んでお手伝いをしている(ついでに廃プレー防止)ので、時々ヘルプで橙乃、力仕事や大掃除に買い出しとなると私達が呼ばれるわけですね。


「呼んで来た! まだローカルプラクティスしてた」

「それならすぐ降りて来そうねぇ。え、ライリー?」

「うふふふふ、これならターンも進まないね?」

「あーっ! だめよぉ? だめなのぉ? しかも精度上がってない?」

「今回色々追加されたもの、止めるの難しくなってる」


 となると、朱音としてもまだ扱い切れていない……ようですね。でしたら、その調整の意味合いで付き合うのもありでしょう。

 さすがに八卦・雷は使わない方がいいですね。本人の為にも使っても良さそうですけれど、それは使い慣らし始めてからの方が良さそうですね。

 ……もっとも、使わせて貰えない可能性の方が高いかも知れませんけれども。


「お待たせ。え、みんないるの?」

「おじゃましてまーす」

「配信している時間に来て、って朝に連絡があったの」

「朝のうちに声掛けてたの。お泊り道具もセットでって」

「なるほど……」

「はぁいはぁい、一足早いお疲れ様パーティよぉ」

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Dual Chronicle Online 〜魔剣精霊のアーカイブ〜
相方、杜若スイセン氏によるDualChronicleOnlineのルヴィア側のストーリーです。よろしければこちらもどうぞ。
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