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Dual Chronicle Online Another Side ~異世界剣客の物語帳~  作者: 狐花にとら
0-1幕 ゲームスタート、王都への道のり
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6.ステータス決定は慎重に

 外見はとても重要ですからね。さて、設定できる項目は……あら、とても多岐に渡っています。

 ひとつずつ設定して行きましょう。とは言っても人間ですからね、特殊な部位はないですからその分は少ないですが。

 

『現実での容姿をベースにしますか?なお、一からメイキングを行う事も出来ます』


 項目の一番上に現実の容姿をベースにするかどうかの選択が出てきます。つまり今のメイキング段階で使っているものをベースにするか、それともデフォルト設定から作るかどうかの選択ですね。

 先も注意されましたが、あまり現実のものに似せてしまうと現実で顔が割れ、それを切っ掛けとしたトラブルが起こる可能性があります。

 朱音は恐らくそれを気にせずに、そもそも顔が割れているのでリアルに寄せたメイキングしたのでしょうけれど、私達はそう上手くは行きません。

 ……うーん、デフォルトから作っていきますか。私の髪型、意外と特徴的でわかりやすいんですよね……。


「デフォルトで」

『わかりました、デフォルト設定でビジュアルメイキングを開始します』


 目前の私のアバターが組み代わり、デフォルトの状態……それこそ真っ新な何もないところからの開始ですね。

 ベース自体は私を使った方が良かったかもしれません。まさかそこからですか……ここまでとは思っていませんでした。

 とりあえず体型くらいは私に寄せておきましょう、少し盛りますけれど。

 作り始めて数分……と、こんなものですね、胸は少し盛りました、これくらいバレないでしょう。


 改めて設定できる項目を確認しましょう。髪型と髪色と眼の色……と瞳孔の変化、あとは刺青でしょうか。

 刺青は別にいいでしょう。瞳孔の形を弄れるのは面白いですね、ここから設定しましょう。

 ……ざっと見たところ、獣のように細くできたり飾りを付ける様な、そんな感じに近いようですね。

 折角ですから瞳孔を少し細く、所謂獣っぽい、吸血鬼とかによくある眼に設定します。人間でも何かしらの進化があると期待して、ですが。

 

 眼の色……はどうしましょうか、いつもなら赤にするのですが、路線を少し変えてみましょう。

 ぐーっとカラーパレットを弄れば眼の色が七色に変わっていきます。よく経験はありますが、なかなか面白いですねこれ。

 どんな色にしましょうか……と、ふむ。折角瞳孔がこの形ですし、金色にしてみましょうか。

 古くから金色の眼は人外の色です。赤色が使われる事も多いですが、こちらの方もなんですよね。

 人外のつもりはありませんし、そもそも種族が人間ですからね。ちょっとしたポイントのひとつとしておきましょう。ふふふ。


 さて、次は髪形です。プリセットを見ると……あ、一応私の髪型ありますね、選びませんけれど。

 選ぶのはストレートロング、前髪は……姫カットではなく、前髪を弄りましょうか。この調整をするために目の調整を先にしたんですよ。

 先にしてしまうと前髪で目元が隠れて、目の形や色を視認しづらくなりますからね。短くするのでなければこの方がいいのです。

 髪の長さは腰までにしておきましょうか、前髪は……そうですね、目元、眉の辺りまでを基準にしましょう。

 髪の色は……黒でいいですね、ただの黒ではなく微妙に赤を混ぜます。ほんのちょっぴり、分からないほどですがちょっとしたアクセントです。

 最後に身長設定ですね。こちらはリアル寄りの身長設定にしておいて、完了、と。


『それでは、プレイヤーネームを入力してください』


 朱音が《ルヴィア》という名前を選んだように、私達も決まった名前を使うようにしています。

 私は冬の始まりを告げる紅葉から《クレハ》という名前を。千夏は初夏……六月を示すジュライから《ジュリア》を選びます。

 春菜も春から《フリューリンク》、秋華も秋から《ルプスト》。勿論この先行キャラクターメイクですから、皆この名前でしょう。

 何の問題もなく通りました。よかったです。 


『ビジュアルメイキングを完了しました。最後にステータスの設定と初期スキルの取得を行ってください』


 おっと。これもあるんですね。初期値は全て20で、ここからLv1分の10ポイント振り分けるんですね。

 人間なのでかなり均等に、それこそ振れ幅が全く無いくらいですね……。バランス型だからこそ好きに振れるようにしてあるのでしょう。

 では予定通りにSTRに多めに、あとはAGIとDEXにも振っておきましょう。開始後も同じように振っていきます。

 というわけで、完成したステータスがこちら。


 クレハ Lv.1

 性別:女

 種族:人間

 属性:水

 特殊:


 VIT:22

 STR:28(+6)

 AGI:24(+2)

 DEX:24(+2)

 INT:22

 MND:22


 なかなかのステータスなのではないでしょうか。HP、MPはマスクデータになっているようですので、あとは初期スキルの取得ですね。

 種族スキルはないので、基本的なスキルでしょうか。さて何を取りますかね、と……。

 《剣術》はまず取るとして……《歩法》なんてのもありますか、取っておきましょう。すり足なんてスキルで出来れば楽ですから。

 おや、《剣術》を取ったらさらに細かく出てきました。刀……あ、《刀術》ありました、これを取りましょうか。

 《歩法》と《刀術》の派生で《居合術》が出てきました。絶対取ります、抜いて振り回すだけが刀ではありませんからね。

 繊細な取り扱いや脚運び、鞘を利用した抜き打ち、即ち居合をも使いこなせてこそ。……とは言ってもゲームですからね、また違ってくるかも。

 ついでにいつか役に立つと信じて《採掘》と、あとは必須そうなスキルを取得して……以下の通りになりました。


 種族スキル:

 汎用スキル:《剣術》Lv.1 《刀術》Lv.1 《歩法》Lv.1 《居合術》Lv.1 《解体》Lv.1 《索敵》Lv.1 《採掘》Lv.1


 沢山取れますね、どれも役立つと思います。あとはオープンを待つだけ……そう思いながら、完了を押します。

 

『これにてキャラクターメイキングを完了します。お疲れ様でした。それでは、デュアル・クロニクル・オンラインをお楽しみください。』

「これで大丈夫ですね、……って、あれ」


 すっと、目の前にあったキャラクターメイキングの終わった私のアバターに意識が移ります。

 あれ?私キャラクターメイキングするだけでしたよね、お父さん?

 みつひめさんが一礼をすれば、一瞬だけ画面が暗転。それから……視界が急に開けます。


 ここは……!

 和風、江戸の街並みです。平屋に簡素な商店が並び、青々とした晴天、燦々とした太陽の下に広がる仮想世界。

 まだNPCも配置されていない無人ではありますが、そこは明らかに私達にとっての新しい《はじまりの街》でした。

 ちょっとしたおまけでしょうか、それとも実地接続のテスト、でしょうか? 外部から接続できるかどうかも重要でしょうし、間違いではないですが。

 それにしても、本当にこれがVRMMOの世界なんですね。仮想空間とはいえ、空気も雰囲気も、陽の熱すらも感じられます。


「っと、あ、お姉ちゃん!」


 少しばかり感傷に浸っていれば、千夏と秋華もキャラクターメイクを終えて入ってきます。

 千夏は私と同じ人間種で、大きく上げたツインテールですね。これもいつもの傾向と変わりません。てっきり直感で選びますから、狼か悪魔を選んでいるものかと。

 そんなことはなかった、ということでしたか。あ、流石に他人のステータスは見れませんか。

 見れてしまったら対人戦で有利になりますからね。武器はまだありませんが、きっと槍術中心に動きやすいビルドをしているのでしょう。


「あー、二人は人間なのねえ……私はちょぉっと先を見すぎたかも?かな?」

「魔族……魔族でキャスターやるんですか?あれはどう見てもキャスター向きでは……」

「進化を考えたら、悪魔は意外とキャスター型だったりして……とかね? そうでなければ、直接殴りに行くキャスターも面白そうじゃない」


 そう言ってけらけらと笑う秋華はいつもの名前で。ちゃんと外見が魔族っぽく、小さな羽まで付けてまるで小悪魔と言った容貌です。

 髪はそこまで変えず、長いロングですが……少しばかり赤みの多い、小豆色に近い色合いですね。瞳は藍色で、ちゃんと元の姿から上手く離してあります。

 しかし、若干物理寄りだった悪魔のステータスですが……どう弄ったのでしょう、まさか、INT極振りにする気じゃないでしょうね……?

 先を見据えると言っても、あるかどうかわからない進化を見据えているあたり、もし出来たら、という先見にも見えます。駄目だったら振り直すんでしょう……。


「っ、ととっ。まさか入れさせてくれるなんて」

「あはー、私と対になったわねえ。やっぱり双子ね?よね?」


 少しだけ間を置いて、春菜も入ってきました。周囲を見回して、私達の姿を見つければこちらへと寄ってきます。

 種族は天使であり、秋華とは綺麗に真逆と来ましたか。タンクに打ってつけの天使ではありますが……先の予想が当たるとすれば、なんとなーく心配です

 一応後でステータスを見せて貰ってチェックするとしましょう。なんだか少し嫌な予感がします。

 ちなみに外見は金髪に青目とこれまたありきたりな天使と言った風貌。ですが、天使の種族衣装なのでしょうか、思ったよりも露出が多いですね?

 セクシャルガードの確認も一応しておいた方がいいかも知れません。それはまあ、ゲームが始まってからの方がいいですかね。


「とりあえずステータス詳細を見せ合いっこしとこっか。実際に組む時に把握してないとだし」

「そうねぇ、スキルの取り方と育成の仕方で人によって全然変わりそうだもの。はいどうぞ」

「私はこれー!」

「ふふん、ちゃんとタンクを出来るようにしたもん!」


 というわけでみんなが揃ったので、ステータス詳細の見せ合いをします。

 千夏……ジュリアは思った通りですね、《槍術》に《鷹眼》と的確に弱点を狙い打つ、バランスの良い取り方をしています。今回は意外と手堅いですね。

 

「貴女達は相変わらずわかりやすいアタッカーの取り方してるわねえ……」

「あんまり考えなくてもいいですからね。それに、攻撃を中心に防御を組み立てる方がやりやすいんですよ」

「キャスターには耳が痛いわね、自衛には乏しいものー」


 次に秋華のルプストを見ていきますか。うわ、なんだこれ。

 自由値の10ポイント全部INTに振ってます。ガチの魔法攻撃偏重のキャスターですね、魔術も自属性の闇だけでなく、火と雷も取ってあります。

 完全に砲台やる気満々なのが嫌でも伝わってきます。多分、その。タンクをやると言った相方の春菜を信頼してのこと、だとは思うのですが……。

 防御系の魔術など、早期に自衛が出来るようになることを祈る事ばかりですね。でないと一人での行動時は大変そうです。


「……で、春菜だけど「「ナニコレ」」」


 春菜ことフリューリンク……長いのでフリューと呼びましょうか、ステータスを見て思わず三人で声がハモりました。

 いえだって、タンクでしたよね、タンクやるって言いましたよねこの子。なんでVITに1も振らずむしろMND多めに振ってるんですか。

 取得したスキルの構成を見てもどう見たってヒーラーですよこれ。《召喚術》を取っているのが気になりますが、まさか、タンクはタンクでも召喚物にタンクさせる気ではないでしょうね?

 確かに、その方が二つのロールを一度にこなせるので出来なくはないですが……できなくは……。


「ちゃんとタンクです!」

「「「嘘つけ」」」

「ひぃ」


 まあでも、フリューなりに考えた結果なのでしょう。流石にネタに近いですが、いざとなれば後々ちゃんとVIT振ってちゃんとしたタンクも出来るでしょう。

 そうでなくても補正があるので勝手に伸びますし……あれ、これ案外悪くないのでは?どうなるかは実際始まって見なければ判りませんが。

 ただしそれに引き換えで攻撃性能が壊滅的。まあ、その分を全てルプストに一任するつもりでしょう。もしかしたら召喚術でそちらも補うつもりかも知れません。


 と、なんだかんだと話していれば父親からキャラクターメイキングテスト完了、続けて動作テストするから実際に動いてみてくれ、との旨が届きました。

 どうやらそのまま外部接続状態でのモーションによる負荷データの計測などなどの実測データ。それから、モーション練習のための体験版として配布する事からのプレイヤーチェック。

 指示された通りに幾らかの動作を行えばテスト完了の旨が届きました。モーションチェックの方は勉強の合間、気分転換にでもやって、不具合報告があればして欲しいとのことでした。

 こちらもゲーム内で実際に動かして動作も確認できましたし、あとはオープンを待つだけです。

特異なプレイをしてみたい気持ちがきっとあったんです。

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相方、杜若スイセン氏によるDualChronicleOnlineのルヴィア側のストーリーです。よろしければこちらもどうぞ。
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