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REDRUM  作者: アップルパイ
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殺人代行者

 叫び声が聞こえる。怖いのだろうか?そんなどうでもいいことを考えながら私は手に持っているククリ刀を振り下ろした。一瞬で視界が一色に染まる。あぁ…あったかいな、などと思いつつ、今日も生きるために死を踏んでいく。私は「殺し屋」だ。

 

 

 家で一人、ふとパソコンに通知が一つ。詳細を確認すると案の定、私が依頼募集をかけているサイト、「REDRUMレッドラム」からだった。通知の内容はいたってシンプル。

「この男を殺してください」

と画像付きで送られてきていた。その後、詳細などを聞くとどうやらこの男が主教に母親を勧誘し、そのまま母親は全財産をつぎ込み、一家が崩壊したのだとか。私はその依頼を三百万で受けた。その後すぐにその男を調べた。どうやらかなり近くに住んでいるようで、すぐにでも仕事は終わりそうだ。私は下調べなどはあまりしない。万が一にも素性を知り、情などが入ってしまうと殺すのに邪魔だからだ。ある程度のことがわかったので道具を取りにいく。道具を部屋に置いておくと流石にまずいので、私は常に駅の近くの路地裏のコインロッカーに入れている。そこから手袋とカバンと愛用のククリ刀を取り出した。ククリ刀を知らない人に説明をすると、刃が全体的に曲がってる、大型のナイフだ。まあ、ナタのようなものでもある。そのククリ刀をカバンにしまい、ターゲットの方へと向かう。ターゲットの男性は行きつけの居酒屋があるようでそこに寄ってから帰ると想定し、その居酒屋が見える路地に隠れて男が出てくるのを待つ。まあ最後の晩酌ってところだ。

 私が隠れてから約二時間といったところか。依頼の時に受け取った写真と同じ顔の男性が出てきた。ターゲットであろう。しかし、同僚?のような男性とも一緒だ。私は二人へ着いていくことにした。しばらく歩くとターゲットと同僚と思われる人は近くの土手付近で別れた。土手を歩くターゲットに私は一瞬で距離を縮め、

山田公正やまだこうせいさんですね?」

と私が事前に調べておいた男性の名前を聞くと同時に体を拗らせながら手に持っていたククリ刀で男のアキレス腱を切った。これで人違いなら大惨事だが、今回はそのようなただの通り魔になることはなかった。

「えっ…え…」

どうやら男性は混乱しているようだ。まあ、急に声をかけられ、その瞬間に立てなくなり、足に激痛が走るのだから無理もない。しかし、その数秒後に男性は足を切られ、今、狩られそうになっているということを理解したそうだ。

「まっ、待ってくれ!なぜ俺を殺そうとする!」

そんなテンプレみたいな言葉を男性は夜の土手で叫んだ。正直、抵抗などしてきてくれればこちらとしても楽しみがいがあるのだが…この男もまた、恐怖を目にしている。つまらない。しかし私も鬼じゃない、理由ぐらい話してやるか。

「依頼だよ、じゃあね」

と刃を振るう。

「も、もう少しだけ待ってくれ!」

首を狙ったつもりが恐怖で男が伏せてしまい、外してしまった。まあ、避けれたご褒美としてもう少し話してやろうか。

「お前、宗教勧誘か何かで一家潰してるだろ?だからその潰されたやつからの依頼だよ。」

男は恐怖を目にしながら聞いてくる。

「どの家からの依頼だ…?」

まったく、呆れたね。人生を潰したのは一つの家だけじゃなかったのか。

「依頼主のことは内緒だよ。秘密主義ってやつ?てかもういい?」

「まっ、待ってくれ!俺にも家族がいるんだ!」

こんな無駄話をしていても足を切っているから時期に出血多量で死ぬことには変わりないのだが…あいにく私は早く休みたいため、話を終わりに持って行こうとした。

「お前だって家族を潰してるんだ。じゃあ潰されても仕方がないだろ?」

「あ…ぁ…」

どんどん声が小さくなっていく。血の出し過ぎか?まあ、いいか。もう話しててもつまらないし眠い…。とそのとき聞かれたことには流石に少し動揺した。

「君にも家族がいるだろ⁉︎」

私は少し黙って考えた。そして口を開き一言。

「私に家族はいない」

というと同時にクビにククリ刀を振りかざした。まるで噴水のように血が吹き出す。あぁ、あったかいな、なんて思いつつ、その男を土手の下に蹴り落とし、道具をコインロッカーにしまいつつ、家に帰り、深い眠りについた。

 

 

 小学二年生の頃、あれはひぐらしが鳴く時期だった。いつも通り学校から帰り、家の扉を開けると嗅ぎなれない生臭いにおいがする。恐る恐る家に入るとおまわりさんがいた。そしてその足元に血だらけの父と母。私はどうしていいかわからず、部屋を出ようとした時、

「お嬢ちゃん、おいで」

とおまわりさんに声をかけられた。私はおまわりさんのいうとうりにした。するとおまわりさんんは包丁を私に渡して、

「ほら、トドメ刺していいよ」

何をいっているのだろうか。私がおどおどしているとおまわりさんは腰につけた拳銃を抜き、

「早くしろよ!」

と怒鳴りつけてきた。私は何も考えれず、母の胸に包丁を振り下ろした。その時の母の表情は微笑んでいた。そのあとしばらくして、母は動かなくなっていた。するとおまわりさんはおもむろに私を引っ張り、服を脱がしてきた。そこからはよくわからず、されるがままだった。ただ一つ、痛いという感情だけは残った。

 しばらくして、おまわりさんが立ち上がると拳銃で私のお腹を撃った。ただ、痛かった。

 それからどれぐらい経っただろうか、たくさんの人が家に入ってきた。私は救急車に乗せられて病院へ運ばれた。不幸中の幸いか、弾は内臓には当たらず、左腹部を抜けていて、一命をとりとめた。のちに刑事さんから話を聞いた。父は頭を撃たれて即死、母は胸に刺さった包丁が最終的な死因だと言われた。私は泣けなかった。泣けるはずがないのだ。だって母を殺したのは私なのだから。そしてそのあと、聞いた話だが私の家にいたおまわりさんは薬物を使っていておかしくなっていたのだとか。しかし小さい頃の私には分からなかった。そのあと私はセラピーを受け、唯一の身元受取人の叔父とともに過ごしている。ほんの小さなアパートだ。

 ある日、ネットを見ていると「REDRUM」というサイトを見つけた。なんでも殺人代行のサイトだとかで、多額のお金が動いているのがわかった。するとサイトの右端に「殺しをする人はこちら」と書かれていた。過去のこともあり、興味本位でそこをクリックするとハンドルネームの入力画面に移った。私は弾丸のせいでお腹に穴が開いていたので「ドーナッツ」と施設で呼ばれていたのでそれをそのまま入力した。するとホーム画面に戻った。すると一件の通知が来ていた。

「ドーナッツ様、ご登録ありがとうございます。これからのご健闘を心よりお祈りいたします。」

という内容だったがまだ自分が殺し屋になった自覚がまだなかった。

 私はその日はそのまま布団に入った。


「…い………ぬい……」

どこからか声がする。

「…らぬい……不知火しらぬい…」

私の名前…?

 

「おい!不知火!起きろ!」


私はハッと目を覚ました。どうやら授業中に居眠りをしていたようだ。

「まったく、そんなんじゃ進学できないぞ?」

先生の言葉が刺さる。私は急いで板書を続ける。周りからはクスクスと笑い声が聞こえる。私は殺し屋をやっているが表面上はきちんと学生をやっている。来年は受験だが大学に行こうかはまだ決めていない。

 というよりもなぜ居眠りであんな夢を見ていたのだろうか。

やはり昨日のターゲットに言われたことがまだ心に残っていたのだろうか。

 (私に家族はいない)

死んだ人は戻らないのだから。殺しをやっている私にはよくわかる。

 

 キーンコーンカーンコーン

 

 授業の終わりの合図がなった。みな、仲のいい人同士で机を繋げ、食事をとりはじめた。あぁ、そういえばもう昼時だったな、なんて思いながら私は一人中庭へ行く。すると一件のメールが携帯に届いていた。もちろん「REDRUM」からだ。

 そのメール内容を見て私は驚いた。

「この女を殺してください」

と、画像付きで送られてきていたが、その画像に写っている人は私のクラスメイトだった。 

閲覧頂きありがとうございます

まだ書きなれない部分もあり、読みずらいところもあったかもしれません

本作は作品の中の1話として書かせて頂きました

もし少しでも反響があれば2話も書きたいと思います

ぜひよろしくお願いします

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