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奴からの贈り物

 世界滅びねーかな、災害とか起きねーかな、人類みんな死なねーかなとか。最近、そう思うことが多い。


 いじめられてるとか、フラれたとか、でそう思うようになったわけじゃない。普通に友達もいるし、普通に大学にも通い、普通に生きている。ただ、普通過ぎる。やりたいこともなく、夢もない俺は、生きる理由や意味を見失っている。かと言って、死にたいとは思わない。というより、死ぬ勇気がないだけかもしれない。


 自分は死ねないから、他人が死ぬのを望んでいるのかもしれない。


 まぁ、そんな思想を持ちながらもダラダラと生きているわけだ。今日も平凡な一日を終え、自分の部屋の布団の中で、眠りについた。


 しかし突然、電気が消えているはずの部屋が光に満ちた。

「えっ、はっ、眩しっ」


 びっくりして目を開け、起き上がるとそこには眩い光に包まれた天使のような普通の人間のような奴が立っていた。

 

 呆然とそいつを見ていると、

 

「君に世界を滅ぼす力をあげるよ、はいっ!」

と、そいつはニッコリと笑いながら黒い球のようなものを渡してきた。


「えっ、はっ.......えっ....」


 俺は状況に全くついていけず、ただただ困惑した。


「ねぇ、早くとってよ!」!


そいつは俺の状態など気にせず、急かしてきた。


 困惑していた俺はそう言われると何も考えづに、それを右手で受け取った。すると、受け取った瞬間、その黒い球は僕の右手の中に消えていった。消えていったというより、溶けていったという方が正しいかもしれない。


 俺が呆然と右手を眺めていると。


「じゃ、ばいばい!」


 そいつがそう言うと次の瞬間には、そいつも部屋を満たしていた光も消えていた。


「なんだ.....なんだったんだ........」


 状況を理解するまで、幾分の時間が経った。それでも、今のが何だったのか、夢だったのか、現実だったのかも良く分からなかった。その後も散々考えたが、考え疲れたのかいつの間にか眠ってしまった。




翌朝。


 俺は普通に目覚めた。


「んっ、なんも変わってないな」


 起きたら俺の身体に変化があったり、超能力に目覚めたりしているのかと期待していたが、期待とは裏腹に何の変化もなかった。少し落胆しながらも、昨日の夜のことを考えながら、大学に行く準備をし、家を出て、電車に乗り、大学に着き、授業を受け、そのまま家に帰ってきた。


 今日も何にも変わらない一日だった。


 そして、何も変わらないまま平凡な一週間が過ぎたある日、いつものように大学に向かうため駅を歩いていた。俺は朝早く大学に行かないといけないため、かなり急いでいた。しかし、前を歩いている六十代くらいのおっさんの歩行スピードが異常に遅く俺は無性にイラついた。


 遅せーな、まじ死ねよ!


 頭の中で、そう思った瞬間、目の前のおっさんが突如消えた。


「えっ、消えた....」


 おっさんが消えた。どうゆうことだ。もしかしてこれが、世界を滅ぼす力なのか。


 そう思考する俺の顔には笑みが零れていた。



初めての小説です。温かい目で読んでいただけると幸いです。


更新も不定期ですが、頑張ります!

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