No.5朝食と会議
僕は早朝に、アヴァロンのアカデミーに来てアリス先生と今日の授業について話し合っていた。
「アリス先生、悪いんですけど、今回教える講義内容を僕の方で、変えさせてもらっていいですか」
「まず古術は、基本的な理論を座学で2単元やった後は、半分は、生徒同士での模擬戦、残りの半分は僕を相手に生徒全員での、模擬戦にさせてもらいたいんです」
「その理由を聞いていいかしら」
「理由は先生も龍帝騎士団に密かに属しているからご存知かと思いますが、スラッシャーが数個人間界に出回っています。それでもしも生徒達に何かあった時に自分で身を守る。若しくは時間稼ぎが出来るようにしておきたいんです。更に、僕は仕事が入ってしまったので、今日と明日だけしか教える事が出来ないです。なので講義内容を変更したいのです」
「仕方ないですね。まぁ理由がしっかりとしているしいつもハル君には力を貸して貰ってるからいいけど」
「ありがとうございます」
僕がお礼をすると先生はいいからいいからと言ってくれた。
「それよりも、朝早いでしょ。よかったら隣でご飯食べてって。それとミカゲ君とシンヤ君も昨日から来てるから」
「では、お言葉に甘えさせて頂きますね」
僕は先生と共に隣の部屋に入った。中には両眼を包帯で巻いたミカゲさんと、長髪で顔が隠れているシンヤさんがいた。
「おう、久々だな ハル、いい加減龍帝騎士団に入ってくれないか」
「ミカゲ先輩、ハル君困ってるじゃないっすかまぁ入ってくれたら俺も嬉しいっすけどね」
「毎度の如く勧誘はありがたいのですが、僕はフリーの方が向いているのでお断りします。それよりもお2人がこちらに帰還しているという事は何かあったんですか」
「それは私が説明するわ。まずさっきハル君が言ってたスラッシャーが出回ってる件を調べて突き止めたのがミカゲ君とシンヤ君なの。それで報告に帰って来ていたのよ」
「報告だけじゃないっすけどねー」
「物資が足りなくなって補給しに帰って来た。それは表向きで、本当はお前に用事があった。ここ最近のゴブリンだのオーガなどの連中が動いてる理由がアイツかもしらねぇからな」
「本当なんですかそれ。本当だとしたらかなり厄介ですね、スラッシャーの盗難にあの魔人まで動き出したとしたら必ず多数の被害者が出る大惨事に発展しますよ。早急に調査をお願いします」
「わかっている。明日にはアヴァロンを出て蓬莱の方に調査に向かう」
「そうなんですね。また新しい事が分かったら教えてください」
「善処しよう」
話が終わった頃にアリス先生が4人分の朝食を出してくれた。僕達は、話をやめて食事を始めた