No.18 戻ってきた愛刀
皆さん新年明けましておめでとうございます。今年も精一杯頑張りますのでどうぞよろしくお願いします。そして今日で小説投稿が1周年になりました。どうか今後ともよろしくお願いします
仙国蓬莱はとても修行に適した場所である。近くには、雲まで届くような山があり、その頂上からは滝が流れ落ちている。そして麓で滝にうたれている男が1人。男は両目に眼帯をつけていた。
「ミカゲさん、こちらに仕事で来たついでに此処で修行ですか」
「ハルか、何故此処がわかった」
「何故って貴方は僕の師匠でしょう。僕の剣技は父と貴方から教わったものです。それに師匠の趣味くらいわからなかったら貴方に斬られてますよ」
ミカゲは滝にうたれながら僕に向けてきた質問に回答しながら本題に入った。
「ミカゲさん、ロビンに会いました」
「そうか。それで俺に知っていることを話せと、そう言いたいのだろう」
「はい。密偵をやっている貴方なら何か知っていると思いまして」
「なら少し待て。もう少しで修行を終える」
僕はしばらく待つ間にカイに連絡する為、通信石を取り出した。
「僕だ。情報提供者と接触することが出来たよ。其方はもう少し街で聴き込みを頼む」
それだけ言ってカイとの通信を切った。
「じゃあこの近くの山小屋に行くとしようか。シンヤが其処で待機してる。それにもう1人来てるからな」
「もう1人、それはどなたで」
「行けばわかるさ」
僕はミカゲさんの後を追って山道を歩いた。しばらく歩くと山小屋が見えてきた。
「さて入ろうか」
僕は案内された山小屋に入ると知った顔が揃っていた。1人は筋肉隆々の大男で名前はケインさん、もう1人はシンヤさんだった。
「よー好き勝手動いてるクソボウズ、元気してたか」
「ええ、相変わらず好き勝手動いて元気にしてましたよケインさん」
「ところでハル君、君はかつての相棒の事を調べているようだがどうしてだい」
僕は、此間ロビンに会った事、そしてアイツを止めようとしている事を伝えた。
「そうかい、じゃあ先ずは彼が何をしているかについてから話そう。先ず彼は義賊として活動しながら、非合法組織の構成員達を片っ端から殺してる。ついこの間もヘルヘイムで、彼に黒炎会の構成員が殺されている。正直な話今の君では勝てないよハル君」
僕はその言葉を聞いて歯軋りをしてしまった。
「おい話はまだ終わりじゃねーよクソボウズ、何かあった時の為に、お前の愛刀《日向》を持って来てある。ついでに言ったらお前の魔力を最大限に流しても折れない様に少し改良しておいた。まぁこれである程度は対等に渡り合えるだろ」
「代金は後払いでいいですかね」
「こないだテメェが採ってきた鉱石で加工してるから代金は要らねぇ」
そう言うとケインさんはシンヤさんを連れて外に煙草を吸いに行った。
「まぁ後は、ロビンの件はお前に任せる。それと一緒に行動しているカイとかいう青年だがな・・・」
僕はミカゲさんから聞いた言葉に驚きを隠せなかった。