No.12 襲撃
宿に差し込んだ緑の太陽の光が、僕の目を覚まさせた。
「あーまだ眠い。けどもう起きるか」
僕は目をこすりながらベッドから起き上がり服を着て荷物をまとめて宿をチェックアウトした。
僕は周囲の街を見まわすと、魔法で燃えた建物や路地裏で生活している貧民もいた。
「未だ戦争の爪痕が残ったままか」
今日僕は、本来なら黒炎会絡みの事件の調査の予定だったのだが昨日で解決してしまった為、ヘルヘイムの街を見て回ることにしたのだった。
「おいアンタちょっといいか」
僕は街を歩いていると1人の男に声をかけられた。
「僕ですか」
「そうだ」
「なら場所を変えた方が良さそうだ。ここから先に荒れ果てた村があるからそっちにしましょう」
話しかけてきた男を廃村のほうに案内した。村に行くまでの間、僕は一切気を抜かなかった。この男は、昨日万魔殿で酒を飲んでいた時に遠くから僕を監視していた男に間違いなかった。そして今も僕に向けて殺気を放っていた。しばらくして廃村を着いたため本人に目的を直接聞こうと思った。
「君、昨日も僕を監視してたよね。何が目的かな」
「気づいていたのか。なら話はすぐ済む。お前の持っている『リバイブ』のカードを寄越せ」
「『リバイブ』のカードね〜。それは渡せないな。ってか何故あのカードを求めているんだい」
「知る必要は無い。寄越すつもりが無いなら奪うまでだ」
男はそう言ってスラッシャーを腰に装備した。
「盗難品のスラッシャーか。闇市で買ったのかな」
僕もそう言ってスラッシャーを腕に装備してカードを取り出す。
「「アーマーアクティブ」」
2人同時に、鎧を纏った。僕の鎧は黒一色で腕には武装用のガントレットがついている。一方の男は銀色のミスリル製の鎧を纏い剣と盾を装備したいかにも騎士といった武装だった。直後に男が横薙ぎに剣を振るってきた為僕は双剣の片方の剣でガードをした。しかし直後腹部に強烈な痛みが走った。相手を見るとミスリルでできた盾で突いてきていたのだった。
「盾かよ」
僕はすぐに立ち上がるとスラッシャーに3枚のカードをリードした。そして直後に双剣で連撃を繰り出した。しかし連撃は全て盾で防がれてしまった。
「なんだ、その程度か」
男が盾で突いてきた瞬間に僕は双剣を男の腹部にむけて投げつけた。直後に男の盾が僕の腹部に当たったが、僕は先程のように吹き飛ばない。代わりに男は剣と盾を落として身動きがとれない様子だった。僕は先程の攻撃を受けて身体強化が出来る『メタル』を全身に使いと霧を発生させる『ミスト』そして雷を発生させる『サンダー』を剣に纏って攻撃を使って相手の攻撃を無効化しつつ、相手の動きも封じる攻撃を放った。そして男の首筋にナイフを突きつけた。
「これでチェックだ。色々と喋って貰おうか」
僕が男に質問をしようとした瞬間に、僕は男を突き飛ばして自身もその場を離れた。直後に無数の雷の槍がその場に飛んできた。
「なんで俺を庇った」
男が僕に尋ねてきたが直接その質問には答えず、カードを1枚取り出して男の周りに結界を張った。
「そこから出ないでくださいね。とても身体が麻痺している奴を庇いながら黒炎会の相手は無理なんでね」
そう言って雷の槍が飛んで来た方向に向かって今度は氷の針をガントレットから放った。そして氷の針を放った方向に向けて跳び蹴りを放った。しばらくするとそこから氷が砕け散った。
「はぁ疲れた」
僕は装備を解除して近くの廃屋に男を引っ張って入った。