No.01プロローグ
僕には、過去の記憶がない。いったいどこで産まれたのか、誰が本当の親なのか全くわからない。9年前たまたま森で倒れていたのを、育ての親に拾われてアヴァロンと呼ばれる幻獣や龍人たちが棲む場所に連れていかれた。僕は記憶がないことを育ての父であるルナと育ての母であるマナに話した。すると2人とも自分達が親だと思ってくれて構わないからと言ってくれた。僕にはそれが嬉しかった。そして僕は今、アヴァロンの支配者である龍帝様に頼まれて、人間を密かに守るように命じられている。これには理由があった。僕は過去の記憶がなくアヴァロンで育った為に人間社会がよくわからない。そしてアヴァロンでの生活である特殊な力が身についており、それで迫害されない為にその様な方法で自分の記憶が取り戻せるようにしてくれた。そして僕は今とある森の木の上で腕にブレスレット型のスラッシャーと呼ばれる道具 とそれに使うカードの確認をしていた。その時だった。炎を纏った狛犬が目の前に現れた
「ハル、敵を確認。数は50体ゴブリン40体にオーガが10体だ」
「わかったご苦労さん。さてとお仕事と行きますか」
僕は呪符を取り出して、雷を纏った麒麟を呼び出した。そして僕は炎の狛犬に跨って敵の場所に走り出した