忘れものと浮気
*
「鞄もあったし、忘れ物も確認したし」
とにかく春子おばちゃんに遭遇しない様にと、それだけに集中していた
危惧してる事もそうなんだけど、お母さんに筒抜けになっちゃうからね…
で、早瀬にお世話になったとなると堪ったもんじゃないの
私は、急いで玄関へと向かった
「痛いし、パンプスは履けないし最悪」
急いでいる時こそ焦りで物事が進まなかったりする
普段なら、すっと履けるパンプスまでもクラッチの所で手こずる
ぶっちぎって走りたいって気持ちもあるけど、結構高かったし
♪〜♪〜♪
そんなイライラしている時に携帯が鳴る
早瀬か友達からかと思って携帯をポケットから出し目を向けると
「げ、恭介からだ」
まぁ、今時点は彼氏からの電話
こっちは諦めで別れた気満々だったけど話明日だったんだ
出たくない、あー出たくない
お前は暇なのかもしれないけど、私今忙しいの!
無視を決め込んで再度パンプスに挑戦
でも、中々着信が切れる気配がない
明日の事もあるし、しょうがない出てやるかと携帯の通話ボタンを押した
「もしもし、何ですか」
「あのさ、何で昨日帰ってこなかったの
電話も出ないしさ 」
恭介の口調はやや強みがかっていた
でも、今の私にはそんなものは正直おかまいなし
あと片方のパンプスのクラッチを止めなきゃいけないんだし
「帰ってこなかったって、そっちは出張だったんでしょ」
「電話繋がったと思えば、勝手に切られるし」
あー、早瀬が無理やりプチプチ切ってたんだ
どうりで着信のお知らせもないし
「あー、ちょっと抜け出せなかったから
ちょうど仕事の山だったし」
「今、会社にいるの?
いたらさ迎えに行こうと思って」
「へ、今日はいいよ家帰ってるし」
「そっか、ならいいんだけどさ」
電話を終えた後少し放心状態になってしまった
もちろん、この恋は昨日終止符を打ったつもり
全然恭介は、私の事もう興味ないと思ってたのに
何だかこの件面倒になる様な香りが、ぷ〜んと漂ってきた様な
今回も更新しました!
見て下っている方はいるかな(´;ω;‘)
と内心不安ですが、、、