薬と地獄
*
「春子おばちゃんから電話だよー
こんな時間に電話なんて、薬はいいから出なよ」
何だろうなと、早瀬が駆け寄ってきた
私が携帯を差し出すと不思議そうに彼は電話口に出る
会話が続いている中、もちろん二日酔い中の私にとっては地獄
吐き気はくるは頭痛はあるはで、座っていられず思わず布団に入りこんでしまった
あー、早く電話終わらないかな
早瀬の家を出てドラックストアは駆け込めば解決するんだけど
今の私は、その体力も気力もない
そう頭で考えてる内に電話は終わっていたみたいだった
「花ごめん、これから母さん迎えに行ってくる
今日旅行から帰ってきたんだと
俺全然知らなかったんだけど、父さんイタリア行ってるし
家まで送るあしがないんだよ
薬はコレおいておくから、水は自分でくんで」
「えっ、ちょっと」
早瀬はジャケットを羽織ってあれよあれよといいう間に飛び出てしまった
問題はこれからだった
薬は飲めるわけだけど、とうぶんここから動けられないだろう
春子おばちゃんが、もしここにやって来ると少し大変な事になる
というか実家を巻きこんでの大きな騒動に発展してしまう
背中に冷たい汗が流れる
「これはダメだ」
薬を水で押し込んで私はゆっくり帰りじたくを始めた
急激に動くとこれまた頭にくるので、動きが制限されちゃうんだよね、、
鞄…鞄…私の鞄はどこにあるのかなー
早瀬に聞いた方が早いけど、やつは運転中だろうし
刻々と時間は過ぎていく…
駅から近いから来るんだろうな春子おばちゃん
私はため息をつきながら、もう一度鞄探しを再開することにした
久々に更新再開しました♪
まぁ、気長に見てください