眠りからの魔法
帰りの挨拶も簡単に済ませ、春子おばちゃんは自宅へと帰っていった
「はやせー、ちょっと巻きこまないでよ」
確かに久しぶりに、彩華ちゃんには会いたい気はしなくもなけど
春子おばちゃんは、名前同様に一年中春みたいな人だから
変な勘違いされちゃったのは、確実
「母さんが勝手にした事だから、俺も被害者
俺だって散々花に巻き込まれてますが」
あー言えば、こー言ってくる口の減らない奴
最後には見合いが当分断われるとか、喜ぶなんて
「この話春子おばちゃんの所で止まると思う?
私のお母さんの所へ話しは筒抜けになっちゃうじゃん」
「そうだろうね」
「あのね、私は恭介の事だってまだ残ってるわけ
これ以上複雑な事は抱えたくないの」
「だろうね」
さっきから聞いていれば、分かってるのか分かってないのか
朝起きて二日酔いだった私は最悪な気分が最骨頂に達していた
「いいの、もう逃げられなくなっちゃうのよ?」
「俺は逃げようとか考えてないけど」
「もう話す気がうせた
今度こそ帰るから、時間になったら向かえにきて」
早瀬は、いったい何を考えているのか私には一切分からない
話しをしてると頭がまた疼いてくる
今日の事は行きたくないけど、約束をしたからにはスッポカスのも無理で
というかスッポカス勇気がなくて
「車で送ろうか」
「いいです、ごあいにく電車で帰りますから」
鞄を手にとり、もう冷め切った紅茶を一気飲みして私は早瀬の家を出た
春子おばちゃんに、かなりの量の紅茶を勧められて飲んだからお腹は水樽の様
今にも、ぽちゃぽちゃいっている
あまり自信はありませんが;;