Another file2.儀式
パタン。男が日記帳を閉じる音が部屋に響く。
男は日記帳を机にしまうと伸びをする。
ここは夜宮村最奥、山中の半ばに建てられた屋敷である。
何故、男がここにいるのか。それは彼にしかわからない。
「副王の呪い…それさえ解き明かせば村の謎が…」
男はそう言いつつ机に設置されたパソコンの画面を覗き込む。
そこには村の中央の木に設置された監視カメラの映像が映っている。
画面の中では祭壇のようなものに火が灯され、その火の前に手と足、そして口に猿轡をかまされた男女4名が転がっていた。その男女は確か夕方に道に迷って入り込んできた者たちだと思い出す。
不運にも彼らは生贄の儀が執り行われる日に迷い込んでしまった。哀れな。
そして画面には謎のノイズが走る。それを見た男は感嘆の声を漏らした。
「おお…これが"扉"か…この向こう側に副王が…」
そしてその扉に男性が投げ込まれる。男は体を必死に動かしながら踠いている。だが、無意味だ。なんの意味もない。そして、次々と扉に投げ込まれていく。彼らはどうなるのか、その好奇心が男を震わせた。
そして儀式が終わると彼もまた監視をやめる。彼は所謂狂信者という奴だ。ただ少し勝手が違うだけの熱狂的な信者である。
彼は副王に魅入られ、家族を捨てた。
彼はもう歳をとらない。彼はもう寿命では死ねない。そして、副王に魅入られた者は非業な最後を遂げることを彼はまだ知らない--
FGOをまだ第七特異点までクリアしてないせいでクッソ忙しい者です。
ぶっちゃけ寝たいです。超寝たい。