file4.夜宮
ええ、もうプロットなんて存在してません。なすがままに書いてます。
--俺は化け物と戦ったことを秘密にしている。
拳銃の無断持ち出し、発砲。それがバレれば俺は化け物の調査すら出来ない。
あれから5ヶ月が経った。春も秋へと移り変わり、木々も紅葉をし始めていた。
しかし、この夜宮村周辺だけは違う。葉は夏の時の緑色のまま。
そして肌寒くもなく寧ろ暑いくらいだ。
何かある。そう、直感で感じ取っていた。
「ここが…夜宮村か…」
夜宮村。そこまで不気味でもなく長閑な風景がいる。
この長閑な村で起こった失踪事件。それが、あの連続殺人事件と繋がっている。
そう考えるといても経ってもいられなかった。
「すいません。ここの村の方でしょうか?」
「…なんだアンタ」
「申し遅れました。刑事の上代と申します」
無愛想な男にそう答える。
「余所モンか。悪いことは言わねえ、早く帰んな」
「私はここで多発している失踪事件の調査に来ました。おいそれと帰る訳にはいきません」
「アンタ、この村に囚われて帰れなくなるぞ」
村に囚われる?どういう意味だ?
「それは…どういう意味でしょうか」
「そのまんまだよ。門を潜った時点でヨグの呪いがかかったこの村からは出られない。それでも帰らねえって言うならその門を潜って村長に会いに行くがいいさ。」
ヨグの呪い…この夏で止まったままの村と関係が…
とりあえず、行くしかない。行って確かめる。
本当に出れなくなったら様々な方法を試すしかない。
「ありがとうございました。ご協力感謝します」
それだけ告げて歩みを進める。
そして--村の門に足を踏み入れた。