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空白の事件簿  作者: 釣りキチ
第一節 上代雄介
3/16

file2.遭遇

小説書くのは初心者なんで基本は短いです。

暑い。どれだけ歩いただろうか。

未だに村は見えてこない。


「暑い…。バスが一日一本って、死ねと言ってるようなものじゃないか…。」


そんな事をボヤきながら歩き続ける。

それに、秋だというのにとてつもなく暑い。


「本当に秋かよ畜生…」


夜宮村。そこであの怪物の正体がわかるかもしれない。

そして、俺は5ヶ月前の事件を思い出していた--



『--先輩。これで6件目ですね…』

『この死体も首が切断されていた、か』


東京都内で発生している連続殺人事件。俺たちはその事件に手を焼いていた。

鋭利な刃物で切り取られた首無しの死体。

あまりにも猟奇的過ぎるその事件に世間は恐怖を抱いていた。


『雄介。お前はこの事件についてどう思う?』


先輩が唐突にそう聞いてくる。


『とても…猟奇的だと思います。どう考えたって正気の沙汰じゃないですよ。』

『正気の沙汰じゃない、か…』



『--暖かいな。とてもあの事件が起きているとは思えない』


そんな事を呟きながら俺は家への道を辿る。


(犯人の情報は掴めないまま…。それどこらか凶器すら分かっていない…。)

(一体何の目的で犯人はこんな事を?いや目的すら無いのかもしれない…ただ快楽のために--)


事件のことを考えながらふと路地裏を見る。

そこには爛々と目を輝かせ、鋭い爪を持った怪物がこちらを見ていた。


『ーッ⁉︎』


信じられない。こんな生物がいるなんて。

恐怖で身体が動かない。殺される。そう思った。


(ヤバイ。此奴はヤバイ!早く逃げなきゃ、殺される!)


そしてその怪物はこちらに向かって--走り出した


『ッ!?』


咄嗟に持っていた鞄を投げつける。事件に関する資料が入っていたが気にしない。

そして走る。ただただ走る。


(早く、家に行かないと…!)

(いや、家に行ってどうする?ウチのオンボロ玄関じゃすぐに破られるだけだ!)


そもそも武器すら持っていないのだ。このままでは疲れたところを殺されるだけ。


(どうする…考えろ!考えろ!)



--怪物の足音が聞こえる。すぐ近くを歩いているようだ。

息を殺し、身を潜める。


何分経っただろうか。怪物の気配は消え、完全に静寂に包まれる。


廃品の山から身体を出す。

いつもは手を焼いている廃品の山に助けられた。

そんな複雑な気持ちが横切るが、急いで家への歩みを進める。


これが、上代雄介が狂気の世界に足を踏み込んだ瞬間であった。

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