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僕シリーズ

僕が紅茶が嫌いな理由

作者: 真言☆☆☆

カラコロカラ

「ごめん遅くなった。」

「ううん、今来たとこ。」

 いつものお店のドアが開き、彼女が入ってきた。

 僕は時間に厳しいので、いつも僕が待たされる。

 これは、いつもの決まり事だけど、それも今日で

終わることはお互いわかっていた。


 高校生までお勉強一筋で、大学デビューを果たした僕は

社会人になっていた。

 地元に帰ってきたこともあり、学生時代みたいにもう馬鹿は

できない。女遊びなんて、もっての外だ。

 彼女とは仕事で知り合った仲だが、その春、入社したばかりで、

仕事が忙しく、なかなか時間が取れない。

 社内恋愛禁止はなかったけど、お互い、関係がばれるのに

気をつかっていたのも事実。

 たまにイベントで顔を合わすことはあるが、

お互いそ知らぬふりをしなければならない。

 スレンダー美人の彼女は人気があるので、スタッフはもちろん、

お客さんにもチヤホヤされる。

 

 それが、僕にはガチで面白くなかった。

 自慢に思ったり、誇りに思えるほど大人じゃなかったんだ。


 かと言って、人目を避けたたまのデートの時に、

焼きもちを焼くのは僕のプライドが許さなかった。

 でもそれが、かえって

「言いたいことがあったら、言ったらどう。」と

彼女の機嫌を損ねたのも事実。


 また、彼女は、会社の同僚に

「 〇〇さん(僕の本名)と、一緒にいるとこ見たけど、

付き合っているの?」と聞かれても、

笑ってごまかすことができない真面目な性格だった。


 ぶっちゃけ、僕、遠距離恋愛の彼女がいた。

 だから罪悪感もあり、彼女に対して心底

踏みこみきれないところがあった。

 

 女の勘は、鋭い。

 見破っていたに違いない。


 当然、別れが来る。


 その時、僕はコーヒーのホット。

 彼女は紅茶、レモンテイーだった。


 別れ話の内容は、省く。

 思い出すだけでも、悲しくなるから。

 心が切なくなる。

 すべて、僕が悪い・・・・。


 彼女が泣きながら帰って行ったあと、

僕は彼女の口紅がうっすら付いたカップを

暫く眺めていた。


 その日から、僕は紅茶が大嫌いになった。


みなさんは遠距離恋愛したことありますか。

その恋は、どうでしたか。

遠くの親戚より近くの他人じゃないけど、

遠くの恋人より近くの友人ってことなかったですか。

会いたいときに会えない。

あまりに辛く切ない思いをしたことありませんでしたか。

会えない時間が二人の恋の炎をより燃え上がらせるっていう人もいるけど、

どうでしょうか。


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