リタの帰国
「いずこにおわしますの?私の王子様!!!」
広い屋敷をくまなく探すが、庭師と料理人以外はいつも付き従う人物だけしかいない。
考えつく先は仕事先か・・・もしくは。
「あのご令嬢のところね!」
女の勘とはなんと鋭いことか。
思い立ったが吉日。早速、目的の場所に。早く、もっと早く!!
すぐにでも会いたい。その思いが一分一秒たつごとに増していく。
「リタ様。お一人で・・・!!!」
二人がいたところはルドゥーレ家別邸。
すでにフリードリヒもフランツもここを出て軍の寮に入っている。
入れ違いにリタがレオポルドと交渉したらしくここに住んでいる。
駆け出す、リタ。
しかし、複数の分かれ道で立ち止まる。
「どちらなの???」
「リタ様。戻りましょう。」
「嫌よ。」
「どちらにいらっしゃるかわかりません。ひとまずは。」
追ってきた人物に促され、とぼとぼと歩いていく。
別邸に着いた頃リタが振り向くと遠くから馬に乗る男性が。
「来てくださったのね!」
うれしさで飛び跳ねている。
「リタ、すぐにウィリアに戻れ。兄上にお会いするのだ。」
「嫌です。ずっと一緒にいたいんです!」
「・・・フランツとともに戦地に赴くことになった。」
「え・・・?」
「危険だからウィリアに帰れ!!!」
いつにない強い口調のフリードリヒに頷くリタ。
「必ず帰ってきてください。お待ちしています。」
それしかいえなくなってしまったリタの頭をいつしかフリードリヒはなでていた。
「では。俺はもう行かなくては。」
「はい。わかりました。」
「まだ、15にもならないお嬢様が一人でここまでやってきたのですからたいしたものです。」
「きっと私、あのお方のお嫁様にはなれないわ。そんな気がするの。」
「リタ様。」
「帰りましょ。モニカ。」
涙をこらえて顔を上げ二人はいそいそと部屋に入っていった。
一方、カテリーナはレオポルドの計画がなんなのか知の女神ユリーナと考えている。
「どうやったら一人も死なせずに勝って帰ってくることができるのでしょうか?」
『そうねぇ。』
「ユリーナ様?」
『わからないわ。』
「知の女神様でもわからないとは・・・」
『・・・女神でもわからないこともあるのよ!!』
少々ムキになっている女神。
知らない、わからないと言ったことのない女神がついにわからないと言った。
それについてカテリーナは驚いての発言であった。
「このまま状況を見るしかありませんね。」
『そういうことね。』
後日、リタからの手紙を受け取ったルドゥーレ家の面々。
少し驚いたものの、とりあえず、レオポルドの書斎においておくようヴェロニカが執事に伝えた。




