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嫌われ王子と引きこもり令嬢  作者: 光森 璋江
第2部 第6章 嵐の前の静けさ
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王子の活躍

「ほーら。不得意なことで恥をかかないようにって・・・」


むすくれるコンスタンティーノ。


ここは、控え室である。


彼も、剣術試合に出たは良いが一回戦で敗退。


そのあっけない負け方に声も出せないでいる。


「君は、昔の僕そっくりだね。僕も剣の腕はからっきしだった。」


とりあえず足取り重く控え室に入ったは良いものの、床にへたり込んでいるコンスタンティーノ。


そんな彼を心配したレオポルドが入室し、手を差し出した。


何かを思い出したように、コンスタンティーノを引き上げているレオポルドに耳打ちした。



「そうだわ。お父様。私が襲われた一件をご存じですわよね?あのときの犯人はいったい?その目的も全く身に覚えのないことなのですけれど。」


「まだ、忙しくてね。一応調べはついているんだけど。」


肝心のことを一切口にしないこの状況の場合、何を聞いても正確な答えが出ないことを知っているカテリーナはそうといって席に戻っていった。




カテリーナが席に戻った頃、早くも剣術試合では決勝戦が行われている真っ最中である。


フリードリヒと、おそらく、軍の腕自慢とおぼしき人物とが激しい剣捌さばきを見せていた。


(どちらも急所を外しているわね。はてさて・・・)


少し剣で切ったようで服は所々破れている。


今のところは流血はしていないものの、二人とも一応を防具を身につけてはいるが、このままだと双方の流血は避けられない。


そんな二人は互角のようでどちらも息を切らしながら戦っている。


30分ほどたった頃だろうか、とうとう勝負が決まった。


結果は体力に自信のあったフリードリヒが優勝した。


わーという歓声が会場に響いている。


会場は満員の人で埋め尽くされている。


カテリーナは目を見張った。


試合の後、優勝者のフリードリヒに飛びつく一人の少女。


そんな様子を見て一言。


「誰かしらね?」


ぽつりと言ったカテリーナ。


「そうですわね。」


隣で見ていた王妃サンドラも興味深そうに見つつ、言った。


「ここにその方が熱烈に愛されている人がいるというのに、大胆なお人ですこと。」


フリードリヒの正体を知るものはごく少数に限られている。


もちろん、王妃サンドラもその一人だ。


「うちの息子はできの悪いこと。美術品にばかり目がいくものですから。


これでは、いざというときに頼りにならないわね。」


一回戦で負けてしまったことを酷評している。


「王妃様。人には向き不向きというものが。」


「方や貴女は剣の腕でも学力でも優秀ですもの。」


「王妃様?」


「貴女が男であったなら、よかったのに。」


残念だわと寂しそうな顔をした。

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