王子の活躍
「ほーら。不得意なことで恥をかかないようにって・・・」
むすくれるコンスタンティーノ。
ここは、控え室である。
彼も、剣術試合に出たは良いが一回戦で敗退。
そのあっけない負け方に声も出せないでいる。
「君は、昔の僕そっくりだね。僕も剣の腕はからっきしだった。」
とりあえず足取り重く控え室に入ったは良いものの、床にへたり込んでいるコンスタンティーノ。
そんな彼を心配したレオポルドが入室し、手を差し出した。
何かを思い出したように、コンスタンティーノを引き上げているレオポルドに耳打ちした。
「そうだわ。お父様。私が襲われた一件をご存じですわよね?あのときの犯人はいったい?その目的も全く身に覚えのないことなのですけれど。」
「まだ、忙しくてね。一応調べはついているんだけど。」
肝心のことを一切口にしないこの状況の場合、何を聞いても正確な答えが出ないことを知っているカテリーナはそうといって席に戻っていった。
カテリーナが席に戻った頃、早くも剣術試合では決勝戦が行われている真っ最中である。
フリードリヒと、おそらく、軍の腕自慢とおぼしき人物とが激しい剣捌きを見せていた。
(どちらも急所を外しているわね。はてさて・・・)
少し剣で切ったようで服は所々破れている。
今のところは流血はしていないものの、二人とも一応を防具を身につけてはいるが、このままだと双方の流血は避けられない。
そんな二人は互角のようでどちらも息を切らしながら戦っている。
30分ほどたった頃だろうか、とうとう勝負が決まった。
結果は体力に自信のあったフリードリヒが優勝した。
わーという歓声が会場に響いている。
会場は満員の人で埋め尽くされている。
カテリーナは目を見張った。
試合の後、優勝者のフリードリヒに飛びつく一人の少女。
そんな様子を見て一言。
「誰かしらね?」
ぽつりと言ったカテリーナ。
「そうですわね。」
隣で見ていた王妃サンドラも興味深そうに見つつ、言った。
「ここにその方が熱烈に愛されている人がいるというのに、大胆なお人ですこと。」
フリードリヒの正体を知るものはごく少数に限られている。
もちろん、王妃サンドラもその一人だ。
「うちの息子はできの悪いこと。美術品にばかり目がいくものですから。
これでは、いざというときに頼りにならないわね。」
一回戦で負けてしまったことを酷評している。
「王妃様。人には向き不向きというものが。」
「方や貴女は剣の腕でも学力でも優秀ですもの。」
「王妃様?」
「貴女が男であったなら、よかったのに。」
残念だわと寂しそうな顔をした。




