宰相一家
「さて・・・どうするか。これをどうにかしないと・・・」
夜の雑木林。一人の人物が闇夜に紛れて一つの布のようなものを持っている。
どうしよう、どうしようと考えていて他方から誰かが近づいてくる人物と肩が当たり固まる。
「「わ・・・!!!」」
「誰だ!」
「・・・この声はお父様?」
「お・・・おまえは!!!」
暗くてどこにいるのかわからない二人は賢明に近くにいるはずの人物を探している。
が、見つからず声だけでそばにいることを確認した。
「無事なのだな。」
「はい。王妃様が取りなしてくださいました。」
「そうか。」
「お父様。」
「嵌められたな。」
「どうなさいますの?」
「あいつはどうなったんだろう?」
「話によると既に帰宅したとか。」
「そうか。早くここを脱出しなくてはな。」
二人は、騒がしい王宮を脱出し闇夜に消えた。
その夜、国王の寝室に一人の人物が侍女を連れて尋ねてきた。が部屋の主はドアを開けず声だけで応対をした。
「フェリックス様。」
「おや、珍しいね。」
「私の食事には致死量の毒を混ぜた食事が出されるはずだったとか?どなたがすり替えたのでしょうか?」
「さてね。知らないなぁ。」
「どのみち教えていただけないでしょうけれど。その方にお礼を伝えていただけませんか?」
「だから知らないと。」
と聞いてため息を漏らしたドアの向こうの人物。
「はい。わかりました。この件ではもう口をつぐみます。
お時間を取らせて申し訳ありません。それではお休みなさいませ。」
といってドア越しに言って帰って行った。
「ばれていたか。さすがは知の女神の申し子だな。」
ふふと笑いながらドアを見つめていた。
「陛下。宰相以下その子供2人が逃走いたしました。」
「そう。さて困ったね。」
「はい。」
「ねぇ、あの子を殺して誰が得するんだろうね。」
隣の部屋で待機していた男は黙る。
「そう、誰も得をしない。どうしたものだろうね。」
「陛下、私に何なりとお申し付けを。」
「今は良いよ。チャンスが来たら命令を出す。それまで待機せよ。」
「御意。」
男の気配が部屋から消えた。




