援軍の到着
「多勢に無勢とはこのことのようですな。殿下。」
「そうかな?」
「諦めてください。我々の目的のためには殿下は邪魔なのです。」
「俺は悪あがきが得意でね。」
「そうですか。ですがもうそれもできますまい。」
さらに近づいてくる。
軍団の最後尾から叫び声が聞こえた。
「侯爵様…!!!」
そこには、甲冑を身につけ馬に乗ってやってきた一団がコルドベキア侯爵の軍勢の何倍もの数で押し寄せていたのである。
「王族を傷つけるとは恐れ多いにもほどがあるわ!!わしにかなうものがあればかかってこい!!」
「「「わ・・・」」」
背後からの援軍によりコルドベキア侯爵たちは挟み打ちとなってしまった。
「形勢逆転と言ったところだな。」
「おのれ・・・謀ったな。」
「それくらい見越していたさ。」
あの時ハロルドに耳打ちし、付近に滞在していたある人物を呼びに行かせていた。
ハロルドがコルドベキア侯爵の軍団をかき分けながらフリードリヒ達のほうに向かっていく。
反対にコルドベキア侯爵の軍団は混乱し、隊列が乱れている。
甲冑の男が年甲斐もなくいきり立っている。
「わしは、泣く子も黙る大陸三剣士の一人、ハンス・オクローサンである!!!」
時の声を上げつつ名乗った。
彼は、別名地獄おくりのオクローサンと呼ばれる誇り高き剣士である。
「どうなっても知りませんわよ?」
そういったか言わないかうちにシャーロットの結いあげていた髪はするりとほどけ、無風であるのに髪さかまき、きらきらと光が全身を包んでいる。
「我に宿りし力よ、炎となり我の前に現れよ!!!」
シャーロットが何やら呪文のようなものを唱えた。
すると、シャーロットの手のひらに太陽のような光が玉になって集まってきた。
両手で玉を大きくし、赤々と燃え盛る大きな玉を作りだした。
「紅蓮の火球!!」
唱えた後、大きな火の玉のようなものを男とカテリーナに向けて放った。
二人は激しい爆風により数十センチ後ろに飛ばされてしまった。
瞳を閉じ、一呼吸置いてから目を開けおもむろに近づくシャーロット。
「私を甘く見るなって言ったのに。ふふ。少なくともしばらくは気絶しているでしょうね。」
「ん・・・んんんん・・・」
「さすがはカテリーナ。大丈夫そうね。」
二人の周りの木々は多少焦げてしまってはいるもののすでに沈下した後であった。
男はのびてしまっているものの、かすり傷一つなかった。
カテリーナは一切ダメージを受けていないようである。
「ん・・・んぐぐ・・」
「わかったわよ。拘束を解いてあげるわ。」
シャーロットはカテリーナの口にあてがわれていた布をはずし、腕に巻きついていたロープをほどき腰に巻かれていたロープも鋭い刃物のようなものを作りだしたち切った。
今回は短めです。




