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嫌われ王子と引きこもり令嬢  作者: 光森 璋江
第2部 第3章 病と医者
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パーティーの準備

「あいつに出し抜かれた・・・か?」


「どうでしょうねぇ。」


「そろそろ動きだそう。あいつに取られる前に。」


「あちらも何か動き出そうとしているみたいですよ。」


「間者を入れておこう。・・・次はぬかるなよ。」


「はい。」


後ろに控えている男が消えた後、主たる人物は一つの野望に燃えていた。


そんな男とは裏腹に広い庭の芝生が風にそよいでいる。


(きっと、取り戻してみせるからな。まっていろよ。)


少し顔を落とし瞳を閉じつつぎゅっと手を握った。




「ねぇ。どうする?」


「そうでございますねぇ。」


「初夏らしい薄手のドレスがいいかしら?」


「ですが、お嬢様は主賓でございますよ?」


「そうなのよね・・・だから悩んでいるんじゃない。」


急に誕生パーティーをすることになり準備が進んでいる。


招待客の整理からその日出される食事やら会場のセッティングやら…


そのためなのかいつもはカテリーナの部屋に朝から押しかけてくるフリードリヒはここ数日顔を見せていない。


食事をとるために食堂へ行くのだがその時にも顔を合わせていない。


どうやらカテリーナのためにプレゼントを準備しているようだが・・・


「やっぱり、宝飾品はシャーロットからもらったペンダントは付けないとね。


他は…ドレスに合わせましょう。」


「そのドレスが決まればすんなりと決まるのですが。」


赤や黒、白、緑にオレンジと言った色鮮やかなドレスを持ってきていたのだが、どれがいいか真剣に悩んでいる。


「いつだっけ。パーティーは。」


「4日後の予定です。」


「4日かぁ。うーん・・・」


「まさか御自身で刺繍をなさるとか言いだしません・・・よね?」


「それも考えたんだけどねぇ。夜なべしてするべきことなのかと考えると、躊躇しちゃうのよね。」


「お嬢様。そのようなことは裁縫係がいたしますので。」


「最近することがなくて暇でしょうがなくって。」


「大人しくするのも淑女としてのたしなみです。」


「んー。じゃあお父様にお手紙でも書こうかしらね。」


「ドレスが決まればそのようになさってくださいませ。」


半日かかってようやくピンク色の少しローブデコルデのあるドレスを選んだ。


それからはルーチェたちはそのドレスに合う宝飾品を選び、カテリーナはデスクに向かってレオポルドに送るための手紙をしたためている。



あっという間に4日が過ぎ、いよいよ、カテリーナの誕生パーティーの幕が上がった。

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