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嫌われ王子と引きこもり令嬢  作者: 光森 璋江
第2部 第3章 病と医者
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幸運に恵まれて

「フラン・・・それはまことか???」


「ですから、何度お聞きになられても確かな情報ですって。」


どこからか仕入れてきたカテリーナに対する情報を主であるフリードリヒに伝えたフランツ。


王宮を出発しておよそ1週間ほどたったころだ。


フランツの報告を聞いて居てもたってもいられなくてそわそわとし始めた。


「急いで戻るぞ。」


「まだ日程が残ってます。体調も戻られたそうですので御安心を。」


「また、狙われるかもしれぬのだぞ?」


「敵も同じ手を使うほど間抜けではないでしょう。」


「しかし・・・」


「まだ、重要な用件が残っていますから。」


「わかった、わかった。きっちり日程をこなすことにしよう。」


ため息をつきながらフリードリヒは重い腰を上げた。




フェリックスに申し出て王妃の診察をしに行ったハロルド。


ほどなくカテリーナの部屋にやってきた。


「で。どうだったの?」


「見立て道理でしたね。早く特効薬を処方しないと命にかかわるでしょう。」


「じゃあ、材料を渡しすわね。」


「お願いします。」


「でも、はやり病って2週間程度で・・・」


「はい。運が良かったというべきでしょうね。」


というわけで、はやり病の特効薬を処方した。


毒味はカテリーナがした。


得体のしれないものを飲ませ害が及べば重要な客人であっても厳罰は免れないだろう。




王妃に飲ませ終わったハロルドが再びカテリーナの部屋に報告をしにやってきた。


「危機は脱しましたが予断を許しません。時折父が見に来て容体を確認すべきでしょう。」


「ハロルドが見なくてもいいの?」


「父はこちらで爵位をいただいていたようですし、国民としては王妃様の容体確認は名誉ですから。」


「あら。」


「次兄に後を継がせるらしいですよ。私たちに何の相談もなく独断で決めてました。」


「なんにせよ。これで一安心ね。」


「だといいですね。」


と笑いあっている。




それからは、フリードリヒが王都を離れてから久方ぶりに平穏な日々が戻りつつあった。


フリードリヒが帰宮する前の日。


南側の庭園でカテリーナはルーチェと一緒にお茶を楽しんでいる。


庭園には東屋があり、そこにはテーブルとイスがある。


今回は、仕事がひと段落したルーチェがカテリーナの話し相手として隣に座って飲んでいる。


普段ならあり得ない光景である。が、カテリーナがルーチェに懇願し実現したのである。


「毒入り食事の剣の犯人たちは動き出さないわね…」


「そうですねぇ。午後のひと時を優雅に過ごせる…平和っていいですねぇ」


「ルーチェもそう思う?」


「まぁ。何事もなく平穏ってすばらしいですから。」


「ルーチェ…ただ待っているだけってつらいものね。」


「そうですね。私でさえこうやってお茶を静かに飲める日がウィリアで迎えることができるとは夢にも思っていませんでした。」


「どうして、争うのかしら?」


「何故でしょうね。お嬢様。これから待つ日々となりますが、何をしてお過ごしになられますか?」


「しばらくは書庫に引きこもっているつもりよ?」


「書庫…?」


「そう。書庫よ。気になる本を大量に見つけたのよ。あれを読破するまでは帰れないわ。」


嫌に意気込んでいる。


「今日は、本当に何事もなければよいのですが。」


と、早々とお茶を飲み干し片づける準備を始めた。


「そう願いましょう。」


残りのお茶を飲み干してカテリーナは書庫へ一目散にかけだした。


宰相から借り受けた鍵を使い、気になる本たちに囲まれて幸せなひと時を過ごしている。

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