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嫌われ王子と引きこもり令嬢  作者: 光森 璋江
第2部 第2章 ウィリア王国へ
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謁見

「意外とモテるのね。」


「お兄様…」


「うらやましい限りだな。」


「さすがエレーナの兄君だな。」


「ウィリアにはハロルドのようなタイプの男性はいないみたいね…」


そう、つぶやいたカテリーナは分析した。


出迎えの女性陣が一斉にフランツにくると皆が予想していた。


だが、半数以上の女性がハロルドに寄ってきた。


フィリアではそこまでモテるタイプではないのだがウィリアの女性陣には好ましい男性に見えたのであろう。


そんな面々に突然びゅぅと強い風が吹いてきた。




「我が兄上であり、国王陛下との謁見の時に私が差し上げたショールを着用してくださいね。」


フリードリヒがカテリーナにアドバイスした。


「お気遣いありがとうございます。」


今日のカテリーナの服装はローブデコルデがいつもよりも広めのドレスを着用していた。


『よかったわね。気を使ってもらって。』


ただ、フィリア王国の面々は知らなかったのだが、これも作戦の一つであった。


たまたま、ローブデコルデが広めの服を着ていただけであった。


実際、そこまで寒くもなかったのだが誰一人疑うことがなかった。




カテリーナ、フランツ、フリードリヒと共にエレーナとハロルドも謁見の間にいた。


そこで、玉座に座っている国王フェリックスとの謁見が始まったのはウィリアについて小一時間がたったころだった。


「やぁ。久しぶりだね。」


「はい。この度、謁見の機会をいただきまして光栄至極にございます。」


そう言って国王フェリックスにカテリーナ以下は深々とお辞儀をした。


「固い挨拶は無し無し。」


いかめしい顔つきの国王フェリックスが砕けた話口調で笑いかけた。


「いいよ。フィリアからの使者の方々について、今年の夏が終わるまでの滞在を許可するよ。」


「「「ありがとうございます。」」」


再度一礼した面々。


「夏にはディーレの王女シャーロットと一緒に人探しをジザーニアで行ってもよろしいでしょうか?」


「うん。彼女からの手紙をもらったんだ。」


「まぁ。シャーロットったら。気が早い。」


「彼女も夏になる前にはこっちに来るって。」


「で、本題。援軍についてなんだけど、僕は、国王として内政がとっても忙しいからね。


時間があいたら呼ぶからそれまではここで待機していてくれないかな?大丈夫。夏までには時間を作るから。」


「よろしくお願いします。」


「で、ベルン、フランツ。お帰り。」


「「お出迎えありがたき幸せ。」」


「だからみんな硬いって。王妃も来てくれたらよかったんだけどね。体調が悪いらしくってね。」


そう言って、さみしそうに微笑した。


「謁見はこれにて終了!!もう、こんな時間か。すぐに仕事に取りかかるぞ。」


「「「 御意に。」」」」


周りにいた大臣たちが声をそろえた。


「では、私たちはこれで失礼いたします。」


カテリーナは退出する旨を伝えた。


「うん。何か必要なものなどがあったら遠慮なく言ってね。」


「あ・・・お土産がありましたわ。」


言って包みを差し出した。


「受け取ってきて。」


そばにいた男性がカテリーナの土産を受け取ると踵を返しフェリックスのもとへ。


「ありがとう。」


にこやかに言ってカテリーナたちを見送った。


カテリーナたちが謁見の間から出て行ってからにこやかにフリードリヒに語りかけてきたフェリックス。


「ベルン。かわいい子を見つけてきたねぇ。」


「兄上は彼女のことを御存じなのですか?」


「うん。僕が王太子時代に一度だけ会ったことがあるよ。」


「私には覚えがないのですが。」


「ふふ。まぁ10年以上前のことだしあっていたとしても忘れちゃってても仕方ないさ。


それよりも、ちゃっかりあれ渡しちゃったの?」


「はい。」


「抜け目ないねぇ。ベルンって。」


そう言って笑いだした。




夜になり、王宮内にある客室に案内されたカテリーナ。荷物は既に運び込まれていた。


「それで、こんな夜更けに殿方がつきまとっておられるのでしょうか?」


「人聞きが悪いなぁ。」


「私は一度たりとも護衛を殿下に頼んだ覚えはありませんわ!」


「話し相手にと思ってきたのにぃ。」


「旅で疲れてしまったのでこのまま寝ます。」


「護衛でもしてようかなぁ。」


「護衛はフィリアから連れてきていますし、きっちり鍵を何重にもつけておきますのでご心配には及びませんわ!!!」


と、第二王子のフリードリヒをそでにして客室に入って行った。




ルーチェもエレーナもハロルドもここにはいない。


エレーナとハロルドは王都内にあるランバートル家の屋敷に行ってしまう。


ルーチェも侍女ということで別の部屋をあてがわれた。


(あーあ。本の執筆と刺繍の続き持ってくればよかったわ。)


『暇よねぇ。そうだ、ここの書庫にでも行ってみる?』


(そうですね。さっそくフェリックス様に許可をいただきましょう。)


『新たなる書物を目にするのは久しぶりよね。』


(楽しみですね。)


『お休み。カテリーナ。』


(お休みさない。ユリーナ様。)




そのころ、王宮内の某所にて数人の人物たちが話しあっている。


誰も知らない秘密の話だ。


「どうする?」


「そうね。」


「命令を遂行するのが私たちの役目だわ。」


「まずは、ターゲットを一人にすることだわ。手早くするわよ。」


「お楽しみはこれからね。」


そう言って彼女たちはあははと笑いだした。

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