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嫌われ王子と引きこもり令嬢  作者: 光森 璋江
第2部 第1章 王宮にて
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国王陛下からの呼び出し

「お言葉ですが、私は今まで通り公爵令嬢で生きていきたいと思っております。」


「ほぅ、いやだと申すか?」


「いえ、結局は伯父様の養女として嫁ぐことになるのはわかっていますから。


それにどの道、私は王族には変わりないわけですし。」




王都に戻って早々、関係者に謝罪をしに行ったカテリーナ。


彼らからは特に咎を受けることなく「無事でよかった。」との声しか聞こえてこなかった。


翌日には使者が本邸に来て、『今すぐに国王の執務室に来るよう』伝達があったカテリーナ。


執務室に行くと国王のほかに宰相とレオポルドも執務室にいた。


カテリーナが呼ばれた理由は、カテリーナの隠された出自を正式発表することと近々婚約するというこの2点についてであった。


「まだ結婚するつもりはありません!!」


とカテリーナは結婚に関して、きっぱりと固辞した。


「うむ、ウィリアの王子も無理強いしてまでの婚姻はしたくないとの仰せであったしな…」


と少々気になることも話していた。


粛清についてカテリーナは覚悟を決めてやってきたのだが何の話もなかった。


(もう二度と逃げたりしないわ。私のせいであんなことになったのだから。


そして、たくさんの人に迷惑をかけてしまったもの。


そして、粛清をかけるほどのことでもなかったはずなのに…


私のせいなのに・・・)


と咎められずとも深く反省し、固く心に誓うカテリーナだった。




ところで、何故そのような話になったのかと言えば…


「戦争によって平和が乱されたくないのです。マリーナ王妃の交渉はなんのための交渉だったのでしょうか?」


「だが、今のままではヴィルフレートとの戦は避けられまい。


あの時占領下におかれた土地はまだかの国によって実効支配をされておるままじゃからな。」


それは、かつてフィリアの領地であったヴィルフレートとの、かつての国境およそ1,000㎞、面積にしておよそ800万平方キロメートルにわたる広大な土地を20年ほど前の戦争で奪われてしまったのだ。


それはかつての領地のおよそ3分の1をも占める広大な土地である。


マリーナが結婚する前の交渉によって近いうちに返却されるはずなのだが一向に返される兆しがなく、ヴィルフレート帝国による実質的支配が続いている。


最近、この土地をめぐってフィリアとヴィルフレートとの間で小競り合いも起こっているという情報がフィリア国内にもたらされている。


カテリーナが7歳の時、レオポルドと一緒にこの国を訪れた理由もその土地を水面下で交渉するためであった。


「戦をしても取り戻せるとは限りません。あのときのように兵士だけでなく国民も大勢犠牲になるやもしれません。


同じ過ちを繰り返すわけにはまいりません。」


と宰相が言った。


「僕も同じです。」


とレオポルドも言った。




とりあえずこの話は保留となりカテリーナは本邸に帰ろうとしていた。


一回の廊下を歩いていると、庭園に見覚えのある姿を見つけた。


「あら?」


何時もならこの時間は訓練に明け暮れているはずである。


カテリーナの声に振り向いたフリードリヒ。


ふぅ。と肩の力を抜いて話し始めた。


「しばらく謹慎することになりました。」


「まぁ。」


「長官から『冬山で遭難するとは何事だ!』と大目玉をくらいましたよ。」


「あの時は、私が理詰めで攻め立てたせいであのようなことになってしまって…」


とカテリーナは頭を下げた。当のフリードリヒは目を細めて、


「お気になさらずに。私が考え事をしていて眠気が来てしまったのが運のつきです。天気はどんより下り坂の様子でしたし。貴女が忠告していたのに油断した私がいけないのです。ですから貴女が気にすることはありません。」


と穏やかに言った。


「それで・・・体調はどうですか?」


「だいぶん本調子になってきました。おそらく、長官は『謹慎という名の休養をしろ』ということなのでしょう。」


「そうですか。」


「しばらくはルドゥーレ家の別邸にて謹慎いたしますので会いにはいけません。」


「はい。わかりましたわ。それよりもくれぐれもハーブ園や畑、庭を荒らさないでくださいね?」


「貴女が大切に育てていた庭木をぞんざいには扱いませんからご安心を。」


「えぇ。私は一人で考え事をしたいので。会いに来られなくても大丈夫です。」


「俺としては寂しいです…よ。会えないというのは。


それで、こんな昼間に王宮でお会いするとは・・・何かご用事がおありだったのではありませんか?」


「えぇ。でももう済みました。帰る前にもう一度、絵画の間に行こうと思いまして。


あの日は暗がりで絵がよく見えませんでしたの。」


「俺も一緒に来てもいいですか?」


「いいですけれど…」


と、カテリーナが言葉を濁していると喜びに満ちた顔でベルンハルトが近寄ってきた。


「さぁ、行きましょう。」


と言ってカテリーナの手を引いて歩きだした。


(二人っきりになるのかしら…?コンスタンティーノに見られると一番厄介なのよね…)


そう思ったものの、どんどんと先へと進んでいく。


カテリーナはやはりと思ったが、侍女たちにはフリードリヒはかっこいい男性に見えるのであろう。


行く先々で振り返られ楽しそうな会話が聞こえてきた。

ここから少しずつカテリーナがおとなしくなります。たぶん。

そして土地の大きさを大きくしてみました。

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