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嫌われ王子と引きこもり令嬢  作者: 光森 璋江
第1部 第6章 捜索隊と森の乙女
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救出

「ベイリー、行くわよ!!」


あの時、ベルンハルトが昼寝をしていた場所へと急ぐ。


厚着をして外に出たカテリーナ。ベイリーと共に雪の中を走っていく。


(どうか、そこにいて!!!)


そう願わずにはいられなかった。




小屋から大した距離でもないところではあったが、吹雪になり始めていたため進むのに何倍もの時間がかかってしまった。


ベイリーとカテリーナは雪に足を取られながらもどうにか着いた。


そこには人形ひとがたに積もった雪の塊があった。


ベイリーとカテリーナは懸命に雪をかきわけた。


「殿下!!!」


すると、カテリーナの思った通り、何時も昼寝をしているところ-道から入り込んで少し奥まったところ-にフリードリヒはいた。


が、意識がなく体温が下がっているのを感じた。


「ベイリー、お願い!お祖父様を呼んできて!!」


カテリーナと目があったベイリーは一目散にかけていく。


その間、カテリーナはどうしようと言うことしか頭になく動揺を隠しきれなかった。


ベイリーが真っ先に小屋に来たところをたまたま戻ってきたジュリアーノとフランツに会い、わんわんと吠え、二人をカテリーナのもとへと向かった。


その後、フリードリヒはジュリアーのとフランツによって小屋まで運ばれ、大急ぎで村人たちに見つかったことを報告し、彼らを早めに下山させた。


村人が一人もその時に二重遭難をしなかったことは不幸中の幸いであった。


ジュリアーノはアンナに大量のお湯と湯たんぽそして着替えと毛布を持ってくるよう言った。


大量の湯たんぽを太い血管の通るところに置き毛布でぐるぐる巻きにし、小屋の中で一番あたたかい暖炉の目の前に寝かせた。


カテリーナが、ベイリー、ルチア、ルアーナを連れてきて毛布の中や近くに置いた。


少しでも暖かくなるようにとの思いであった。




ジュリアーノの見立てではフリードリヒは中程度の低体温症にかかっていた。


助かる方法はただ一つ、目がさめるまでは最低限温め続けなくてはならないということだった。




女神ユリーナはカテリーナに言った。


『出来るだけ専門の医者に見せたほうがよいのだけれど・・・』と。


ここには医者はいない。


医者にかかるならば、ふもとの村まで行くしかない。


だが、彼を担いでふもとの村まで行くまでに遭難しかねないほどの雪が降っている。


村人は何年もここに住んでいるが、少数でこの森に入る者はいない。


カテリーナは、いつものように理詰めでフリードリヒを言い負かしたがそのことを後悔していた。


フランツと交代でフリードリヒが目を覚ますまでカテリーナはそばにいるようになった。


(どうか、助かりますように。)


とカテリーナは医学の神に祈った。

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