消えた王子
「とうとう、雪が降ってきたのね。」
と、二階の窓から外を見てぽつりと言ったカテリーナ。
『引いちゃだめじゃない。そういう人もいるんだから。』
「ユリーナ様・・・」
『男だから女だからじゃないと思うけど?そういうことは性別関係ないわよ。』
「そういう意味では…」
『愛してるだなんて普通本気で好きな相手にしか言わないものよ?』
「私には信じられないのですよ?本当に。」
『後で、謝っておくべきじゃないの?』
「・・・考えておきます。」
昼近くになり、部屋から下りてくるとフランツの姿はあったがフリードリヒの姿はなかった。
「ちゃんと言われた通り、兵士たちを王都に返しました。」
「ありがとう。」
「ところで、殿下を見かけませんでしたか?」
「いいえ。私ずっと部屋にいたの。」
「雪が降ってきて寒くなってきましたから、小屋の中にいていただければよろしいのですが。」
「そうね。迷いの森は雪が降り始めると翌日には私の腰の高さまで積っているなんてことがざらだから。」
「危険ですね。・・・小屋の中を探してきます。」
「私も、探してみるわね。」
小屋の中にはおらず、外にいることが分かり気をもんでいるフランツ、カテリーナ、アンナ、ジュリアーノ。
夕方になってもベルンハルトは帰ってこなかった。
迷いの森で道にでも迷いこんでしまったのだろうか?
「アンナ、村の人にも頼んで探しに行こうと思う。」
「あなた・・・気を付けてくださいね。」
「あぁ。」
雪が降りしきる中、フランツとジュリアーノは探しに出かけた。
カテリーナとアンナは小屋に残ってベルンハルトが帰ってくるのを待っていた。
一時二人が小屋に帰ってきたものの依然フリードリヒは帰ってこなかった。
夜中になり、雪のほかにも風も吹き始めた。
(もしかするとあそこにいるのかも・・・)
カテリーナはいやな予感しかしなかった。
再度フランツとジュリアーノ、そしてふもともの村の人も捜索に出たが、見つからなかった。
(捜索に来て捜索されるって…)
と、ちらっと思ったが、いよいよ心配になってきた。
もし雪に埋もれているとなると投資する可能性が高まる。
意を決したカテリーナはいすから立ち上がると、アンナにこう言った。
「私が見つけてくるわ!」




