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嫌われ王子と引きこもり令嬢  作者: 光森 璋江
第1部 第5章 動乱
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剣術試合

「いいわ。受けて立ってやる!」


情報交換から幾日か時が流れ、1年に一度の剣術の神の祭典が王宮の広場にて開催されることになった。


そこにカテリーナ、ハロルド、フリードリヒ、フランツもいつの間にかエントリーされていた。


「「「カテリーナ様・・・危険ですので取りやめてください!!」」」


「ルーチェ、エレーナ、ピンパル夫人。止めても無駄よ。絶対優勝するわ。」


「あの方の一の弟子ですから怪我をなさることはあり得ませんよ。」


とハロルドが、3人に向かって言った。


(だいぶん、彼らに追い回されて理性を失っておられるようだ。)


とハロルドはカテリーナの状況を冷静に分析した。


カテリーナの様子を見てルーチェ、エレーナ、ピンパル夫人は別のことを思っていた。


(((いつからこんなにお転婆になられたのだろうか…)))


と。




ルドゥーレ家の裏庭でカテリーナはたまたま用事で訪れていたハロルドに何やら頼み込んでいる。


「ハロルド、手合わせしてくれないかしら?」


「・・・カテリーナ様。本当に出場なさるおつもりですか?成人の儀以降たくさんの求婚者が現れたとお聞きしましたが。」


カテリーナはいつもはおとなしいのだが今日はかなり気が立っていた。


「売られたケンカは買うのが私のモットーよ。」


「どこでそのような言葉を覚えたのですか?ユリーナ様の悪知恵ですか?」


「つべこべいわないで、受けなさいよ!!!」




その頃王宮内の執務室にて。フリードリヒはレオポルド、国王、宰相に呼ばれた。


「レオポルド殿。彼女とは仲が良くなっては離れ、悪くなってはくっつくというような状況です。もどかしくて仕方ありません。」


「恋愛に焦りは禁物です。が、あまり悠長にしているとほかの方に取られてしまうかもしれませんね。まぁ、カテリーナに限ってそういうことは皆無でしょうが。」


「それと、殿下とフランツ殿には剣術大会に出場していただくことになりました。」


「え…?何をおっしゃっておられるのですか?宰相殿。」


「「「ここでカテリーナにいいところを見せてください。」」」




大会当日。エントリーはおよそ30人程度であった。


この試合は国中の精鋭を集めて行われるもので、一度優勝してしまえば来年からのこの試合は出れない。が、大変名誉ある試合である。


準決勝からは真剣を使うこと以外は、戦闘不能になるまで試合が続くエンドレス方式。


4人は、順当に勝ち進んで、とうとう準決勝になった。


カテリーナとフランツそしてハロルドとフリードリヒが真剣で戦うことになった。


カテリーナとフランツの試合はあっけなく終わった。


カテリーナはフランツのすきを突いて鳩尾みぞおちに剣の柄の部分をクリティカルヒットさせてノックアウト。決勝に駒を進めた。


「フラン…あっけなさすぎるだろう。それでもウィリアの騎士か?」


「・・・カテリーナ様は強すぎです。他のものと比べようがありません。」


(これで我がが愛しき君が優勝すれば、おそらく求婚者は減るだろう。強すぎる女性は倦厭される傾向にあるからな。)


そんな打算を考えていた。


「どっちが勝つかしら?」


「カテリーナ様。多少は手加減してくださいませ。」


「何言っているのよ。演武を披露しているわけじゃないんだから。」


結局…試合はハロルドが勝ち、二人は優勝争いをすることとなった。


「二人はけた違いに強い。いいところを見せるどころではないではないか。」


「我々がもっと剣の修業を積むべきですね。」


「・・・さすがは私がほれ込んだだけはあるな。」


(殿下…。頭のねじが2,3本折れておられるかもしれない。)


と主に一種の危機感を覚えたランバートル卿であった。


決勝ともなると会場の熱気は最高潮に盛り上がっている。結果だけお伝えしておこう。カテリーナが優勝した。




ルドゥーレ公爵家に戻り、結果を報告した。


レオポルドもヴェロニカも予想通りだったらしく驚いている。


「・・・お父様でしょ?私、剣術試合に出るだなんて一言も言ってないのに。」


「さぁ?」


「しらばっくれても分かっているのよ?」


カテリーナが自室に戻った後レオポルドはヴェロニカにこう言った。


「これで求婚者は一気に減るだろうね。」


「そうであってほしいわ。」


レオポルドの思った通りに求婚者は成人の偽の前よりも減った。


フリードリヒはいまだに求婚し続けている唯一の人物となったのはカテリーナをより悩ませることになった。


(唯一の求婚者であり援軍を送るというウィリアの王子である殿下の望みは私との婚姻だわ。


だけど私は、絶対結婚しないわ。)


そう、思うカテリーナであった。

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