王子の疑念
大幅に変更。
ストレートにすっきりとしてみました。
「おかしい・・・何かおかしい。」
と別邸に帰ってきたフリードリヒは食堂で考え込んでいる。
昼間のカテリーナの話を思い出しているようだ。
「なぜだ?なぜ公爵殿は幼子を連れて諸国遍歴を?
その頃のフィリアで何が起っていたというのだ?」
耳元でフランツがささやく。
近くに座っている者は明らかに引いている。
「殿下?そのような恐ろしい顔をなさらないでください。
周りの者が不気味がっているではありませんか。」
「そうだな。仕事を終えなくては。」
「食事中ですよ。本日の仕事はもう終わっています。」
物思いにふけりながら冷めてしまった料理を流し込むように完食し、食器を食堂の所定の場所に片付けた。
「少し出かけてくる。先に戻ってくれ。」
フランツをおいてフリードリヒは軍部某所にある記録庫に入っている。
軍事的なこと、フィリアの内外で調べ上げた公的な物事、時には防諜をして得たことなどを書き留めている門外不出の倉庫である。
これを内外にだせば首が飛ぶこともある大変危険な場所でもある。
「え・・・っと・・・ん??なんだ?これは。」
そこには、王妃サンドラのヒステリックな横暴とそれに伴いルドゥーレ家を継いだ若き当主と幼子が余り間隔を置かずに諸国へと行かされていることを知ってしまった。
最近のルドゥーレ家についての書物を読んでいて思わず息をのんだ。
「ま・・・まさかな。そんなはずは。」
そこには16年前の国王夫妻の相次いた死とその娘である王女の行方についてかかれていた。
祖父に当たる人物が引き取りを拒み、王弟たちも若く幼子を養育できないと言うことでルドゥーレ家に引き取られていた。
「そうか。そこだったのか!!」
書物を元の場所に戻し、頭の中を整理する。
「これは・・・大変なことを!!」
ごそごそと入り口の当たりで物音がした。
「誰ですか?そこにいるのは。」
この書庫を管理する一等大佐であった。
「申し訳ございません。調べ物をしておりました。」
「調べ物??」
「はい。ですが終わりました。」
そそくさと書庫から出てきて一呼吸おいた。
「大変だ・・・なんてことを。」
部屋に帰ってからも衝撃的な事実をどう受け止めればよいか悩み眠れなかった。
「フラン、行ってくる。」
「お気をつけて。」
傷心に浸っているフランツを残し、翌日、たまたま休暇があったため朝からルドゥーレ家へと赴いた。
「一つ気になることをお耳に入れたいと。」
「聞いて参ります。その場でお待ちください。」
初老の男にカテリーナへの面会を申し入れた。
程なく、初老の男が柔らかな顔をして戻ってきた。
「少々お待ちいただきたい。とのことでございます。」
客間へと案内されソファーに座り呼ばれるまで昨日読んだ事実を今一度思い起こしている。




