盛大な儀式
「やっと、決まったのね。」
仮面舞踏会から程なくして、ようやくカテリーナの成人の儀を行う日時が決まったとの一報が入った。
王族故大きな儀式になるらしい。
他の令嬢とも合同で行うともかかれていた。
「これで私も大人かぁ・・・。と言うことは結婚できるって事ね・・・。」
『そういうものよ。あきらめなさい。』
少々憂鬱なカテリーナをよそに着々と準備が進んでいくのであった。
成人の儀当日。今日のお召し物は儀式と言うことで純白のドレスだった。
きっちりめかし込んできたカテリーナは驚いた。
フリードリヒとフランツが既に会場入りしていたのであった。
「何であなたたちがここにいるわけ?」
「招待状が届いた・・・何故かは知らぬ。」
「・・・エレーナ嬢は来られませんか?」
「残念ながら来ないわ。」
「髪を結い上げなくて良いのですか?」
「私は、まだ成人の儀が終わっていないからよ。だって、今日成人の儀をするのだもの。
あなたたちはもう終わったんでしょ?」
「フィリア王国にて既に。帰国したらもう一度する予定なのだが。」
フィリア王国では髪上げの儀が終わるまでは社交界に於いて髪を結い上げてはならないというしきたりがある。
ちなみに結婚するまでは普段は髪を下ろしている令嬢は決して珍しくない。
式は滞り無く終わり、約束通り、テフィン公爵がカテリーナの髪を上げ、黄金輝くバレッタで髪をとめた。
で、今度はダンス。
デビューの頃の失敗の二の舞を踏むことなく、数人と踊った。
で、主役たるカテリーナは、ちょっと疲れたらしく広間から足早にテラスへと向かった。
と、上げてもらった髪が少々気になるらしく前を見ていなかったので、人にぶつかった。
「またぶつかっちゃった・・・ごめんなさい。」
と、謝った相手は・・・
「あなたは!?」
やはりきまりのようにフリードリヒだった。
「これで3回目ね。どうしてあなたにばかりぶつかってしまうのかしら?」
「何故でしょうね?」
「今日はあんまり側に寄らないでね。シャーロットも今日は来ているから。彼女を刺激しないで頂戴ね。」
とフリードリヒの耳元でささやいたカテリーナ。
「い・・・一曲踊っていただきたいのです。あのとき、貴女と一緒に踊りたかったのです。」
といつになく顔を赤くするフリードリヒ。
「良いですよ。足を踏んでしまうかもしれませんが。」
と快諾したカテリーナ。
うれしさのあまり、固まってしまうフリードリヒにカテリーナは、大丈夫かしら?ちゃんと踊れるか不安だわと思っている。
「そういえば、あのときとはいつのことでしょうか?」
と、踊りながらフリードリヒに尋ねたカテリーナ。
「そう、あれは6年前のことです。初めて貴女にお目にかかったのは。」
「と言うと、私が社交界デビューしたての時ですね。あのときあなたもおられたのですね。初耳ですわ。」
「あのときは、留学目的でフィリア王国の王宮に滞在していました。たまたま、舞踏会に呼ばれて、来賓席から見ていたんですよ。」
「そうだったのですね。」
「その時貴女に一目惚れをしてしまいまして・・・」
「あら。そうなの?」
「ですから・・・その・・・」
「分かっていますよ。お父様、叔父様を通じて私に求婚なさったことくらい知っていますから。」
「・・・・・・」
「ふふ。まだ私、あなたのことをよく知らないのでお答えは差し控えさせていただきますわ。」
と言い終わると同時に曲が終わった。
「ごきげんよう。また、いつか一緒に踊りましょう。」
と言ってカテリーナは立ち去った。
再びカテリーナがテラスに行くと、広間に背を向けてたたずんでいるシャーロットを見つけた。
「シャーロット!!!」
「・・・カテリーナ。」
「どうしたの?元気がないじゃない?」
「カテリーナ!!私、とんでもない勘違いをしていたのよ!!!」
「どういう事なの?」
「・・・もう少し一人にして欲しいの。」
と言うシャーロットの言うとおり少し距離を置いてテラスから広間を眺めていたカテリーナであった。




