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嫌われ王子と引きこもり令嬢  作者: 光森 璋江
第1部 第2章 恋のライバル?
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嘆願書の提出

「せっかく殿下ともう少し一緒にいられたら良かったのですが、お父様からの伝令で自国に戻らねばならなくなりましたの。」


とフリードリヒの手を握りながらシャーロットは悲しそうな顔をした。


「また会えるとうれしいわ。シャーロット。」


「カテリーナ・・・早く引きこもりから戻ってくるのよ。いいわね?」


今度はカテリーナに抱きついた。


「殿下、間違ってもカテリーナと・・・」


「それはないわね。ハロルドがいる限りは。」


「それは安心ですわね。最強のハロルドがいれば手も足も出ませんものね。」


「そういう事よ。」


別れの挨拶をすませ、シャーロットと侍女達を乗せた5台の馬車が一度フィリア王国の王都にて、帰国する旨を述べに行きその後、ディーレ王国の首都セワジュへと向けて旅だった。




都合2週間ほどの滞在中、3日ほどの間に何度か協議をしたものの、成果はなく残りの時間はのんびりとそれぞれ思い思いに過ごした。


ただし、シャーロットは別邸にいる間中フリードリヒにべったりでカテリーナはそんな二人を見ていられなくなり出来るだけ二人から離れて過ごした。


シャーロット一行が別邸の門をくぐり見えなくなった頃、カテリーナが言った。


「シャーロットも帰ったし、あなたたちも帰っていただけないかしら?私の周りでうろうろされるのは正直嫌なの。私が引き留めたからこうなったのはわかっているけれど。」


「「へ???」」


「気が変わったの。私は引きこもりたいの。伯父様に引き渡せばいいもの。あとはどうなろうが私は関係ないし。」


「意地でも帰りませんよ。こんな機会もう二度と無いでしょうから。」


「はぁ、・・・彼らをここで尋問したのが間違いだったわ。はじめからお父様に頼めば良かった・・・


こうなったら伯父様に嘆願書でも出してこちらも意地で追い出しましょうか?ねぇ、ハロルド。」


「あまり得策ではございませんが、致し方ありませんね。嘆願書をすぐに王宮へと届けましょう。」


「と言うわけで、伯父様から国外退去命令が出る前に早いとこ荷物まとめてここから出て行って頂戴!!」




カテリーナが伯父様と呼んでいた人物はフィリア王国、国王リベラートのことである。


彼は自身に娘がいないと言うこともあってカテリーナを我が娘の如くかわいがっていたのである。




さて、数日後嘆願書が届いた王宮内にて。


「うむ・・・どうするかのぉ。」


「このまま引き下がる殿下ではございますまい。」


「カテリーナが殿下と婚儀を結んだとなると、周りにも相当の圧力がかけられますね。特にあの帝国は勢力を延ばしたいはずですから、きっと我が国に何か良いものを持ってくるでしょう。」


「・・・ところで、またレオポルドの娘、カテリーナにまた件の皇子からの縁談が参っておりますが、いかが致しましょうか?」


「ここはまたお断りを。彼と縁談を組めばまた領地問題を棚上げされかねません。


それと、諸貴族たちは自身の子息たちと縁づかせたいようで。


こちらは私から根回ししておきましょう。彼らに出てきてもらっては困る。」


「そうだ。そこはレオポルドに任せる。」


「急な計画変更でどうなることかと思いましたらあっさりと前回の協議にてディーレ王国とエワーズ王国の同盟が完全に崩れました。


事を運ぶには今が最適かと。ただ、神々もなにやら不穏なことが起りそうだと。」


「あれか。遅かれ早かれ起るべきことが起るであろうなぁ。前回もそれに巻き込まれた人間が大勢犠牲になった。どうにかできぬものか。」


『避ける方法は一つ。あの娘にあちらの王妃として君臨することである!』


話を聞きつけた策略の神が3人に助言した。


この神がフィリアいちの参謀である。


それを受け、国王リベラートが2人に命じた。


「良きに計らえ。」


「「御意に。」」


話し合いからものの数分で決まった。




カテリーナが嘆願書を国王陛下に献上して1週間。


国王からの嘆願書の返答が来たが、内容はカテリーナが思ったような返答ではなかった。

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